弊社にも4月になって新入社員が入社して来ました。新しく立ち上げた工場での人員増強も行っているので、そちらでも中途採用の社員が入ってきています。しかし、中小企業の雇用状況は非常に厳しいです。なかなか人材が集まってきてくれません。
弊社は金属加工の製造業ですので、現場で働く人も営業部員もそれなりに金属材料や金属加工の知識や経験のある人を採用したい気持ちもありますが、実はあまり重要視していません。現在弊社で活躍している社員の多くは、大学でも文系出身者や高卒や専門学校卒の人ばかりです。彼ら彼女らのほとんどが俗一般的に言うところの頭の良い人ではないのかも知れません。ここで頭の良いと言うのは「お勉強ができる」と言う意味で取ってもらっても構いません。
弊社での採用基準はまず何にしても人柄です。人としてちゃんとしているか、成長したい気持ちがあるのか、成長できそうかなどを重視して人選しています。まあ、選り取り見取りに人選するほど応募があるわけではありませんが、採用の可否を決める際には必ずこの辺りを重要視しています。しかし、残念ながら入社してから”ちょっと違ったな”となってしまう人がいることも事実です。人の採用って難しいですね。
さて、弊社で活躍している人たちに共通していることがあります。それはいくつかありますが、一般的に社会人基礎力がある、または高いと言うことがあげられます。実は社会人基礎力には定義があります。それは、経済産業省が主催した有識者会議により、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力(=3つの能力・12の能力要素)」として定義されたものです。ここでは細かくお話ししないので、興味がある方は経済産業省のHPを見て下さい。
https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html
弊社で活躍している人たちに共通するのは、まず人間関係のスキル、コミュニケーション能力があります。もちろん完ぺきではありませんが、その能力が他の人より高いと思います。人はすべての人と合う訳ではありませんが、仕事を遂行するときに必ず人間関係を作ってコミュニケーションをとる必要があります。彼らにはそのスキルが十分にあると思います。
次に情熱や粘り強さ、柔軟性や適応力があると思います。仕事をしていると必ず失敗や壁にぶつかることがあります。その時に、柔軟性や適応力がある人とない人ではその後の結果が大きく変わります。さらにその仕事に対する情熱や粘り強さが、最終的に結果に結びつくのです。もちろん知識やスキルがあることに越したことはありませんが、どちらかと言うと情熱、粘り強さ、柔軟性、適応力の方が大切なのです。
最期に感じるのは、多少年齢を重ねなければ難しいのかも知れませんが、心の豊かさを持っていると言うことです。自分を大切にし、他人を尊重し、感謝の気持ちを持つことが、結局は周りとの良い関係を築き、社会で活躍することができ、幸せな人生を作るための鍵となるのです。
結局は上記のことすべてが定義された「社会人基礎力」にも当てはまっていると思います。そして、これらはすべて高学歴だから持ち合わせていることでは決してありません。
このような観点から弊社での人材育成(社員教育)では社会人基礎力を重視しています。しかし、これらを教えることって本当に難しいです。正しいやり方があるのではなく、同じ伝え方でも受け取る人によっては捉え方が変わってしまいます。しかし、この人材育成方針は変えるつもりはありません。会社の成長は社員の育成が最も重要なことなのですから。引き続き、人材育成に力を入れて、人を生かす経営に取り組んで行きたいと思います。