東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

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世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

タイミーってご存じですか。最近は良くTVCMでも見かけますが、要はアルバイトのマッチングサービスだと自分なりに理解しています。タイミーのHPを見ると、「働きたい時間」と「働いて欲しい時間」をマッチングするスキマバイト募集サービスです、と書いてあります。

 

自分は学生時代にたくさんのアルバイトをした経験があります。おそらく30種類以上のアルバイトを経験したと思います。短いのは一日バイトから、一番長いのはある大手ピザ屋さんで3年半仕事をしました。多くのアルバイトの経験をした中で、長続きする職場としない職場がありました。やはり人には向き不向きがありますね。また、本当にちょっとだけ働きたいと思った時には、当時は一日バイトなるものがあり、それに応募したものでした。

 

時は流れて令和の時代、タイミーと言うアルバイトの探しかた、やり方を知りました。もちろん、このようなサービスは自分が学生時代にはありませんでしたので、もし今自分が学生だったら利用したのだろうなと思いました。

 

このサービスですが、なんと社長が大学生の時に創業したのだそうです。しかもその社長は現在27歳。今年の7月には上場までしました。その間に、大手企業とのご縁があったり運のようなものも感じますがすごいですね。本当に感心しました。

 

この若手社長はタイミーのサービスを自分の経験から「なんで世の中はこうなんだろう」、「こうなったらいいな」から、アプリ開発からサービスの構築まで行ったそうです。ここが一番感心するところですが、「何でだろう」を感じる、当たり前を否定できる能力と、「じゃあ、こうしよう」と自分から動き出す行動力。これは誰でもができますが、実際にやるわけではありません。

 

この社長はTVのインタビューで、「タイミーは大人のキッザニアを目指している」と言っていました。なるほど、これは分かりやすい。自分も子供をキッザニアに連れて行ったことがあり、自分も子供だったら色々な職業を体験してみたいなって思いました。それが、実際に経験できるプラットフォームを実現したのです。

 

若い人の発想ってすごいですね。さらにそれを実現させるのはもっとすごいです。自分は年を取ったせいか、もともとなのか、このような発想はないなとある種完敗した気持ちになりました。それと同時に、このような若い経営者が日本にはいるんだと元気付けられました。

 

歳をとったから発想力が落ちたとか、行動力が鈍ったとかは全くのいいわけです。格好悪いです。若い人たちに負けないよう、一経営者として頑張りたいと思います。

 

ワンオペのイラスト(男性)

最近の日本は物価の高騰や経済の不振、人口減少や政治の不透明性など色々と悪いことが目についてしまいます。確かに少し前と比べて日本は暮らしにくい国になってきていると感じている人は多いことでしょう。テレビなどで高度経済成長期やバブル経済の頃の昭和を懐かしんで、あの頃は良かったなと言う番組が多い気がします。

 

しかしもっと前の時代、第二次世界大戦やさらに昔の日清・日露戦争など、自分たちが生きたことのない過去を生きた先人たちはどう見ているのでしょうか。恐らく、今の日本の方がよほどモノがあふれて便利で安全だし、暮らしやすいと思うことでしょう。

 

これは21歳特攻隊兵士が残された後輩兵士に言った最期の言葉です。

なあ、お前たち知っているか?牛や馬は「一頭」、鳥は「一羽」、魚は「一尾」と数える。

なぜか。実は動物の数え方は「死んだ後に何が残るか?」で決まるんだ。

じゃあここで一つ聞きたい。俺たち人間はどうだ?「一名」、そう名前だ。俺たち人間は死んでも「名前」は残るんだ。

お前たちは自分の大事な大事な「名前」に恥じない生き方ができているか。一回きりの人生、後悔せぬよう意識すべきことは「能力」ではなく「生き方」、必要なことは「知識」ではなく「行動」、読むべきものは「空気」でも「本」でもない、「自分の心」だ。

明日人生が終わると思って生きなさい、永遠に生きると思って学びなさい。

それじゃあ、元気に逝きます。

 

この言葉を聞いたとき、心にぐさりと刺ささるものがありました。目の前しか見えていないと、その現実に一喜一憂して喜んだり失望したりします。しかし冷静に考えると、今の時代に、この日本に生きていることはすでに非常に幸運で素晴らしいことです。普段はなかなか気付くことができませんが、本当にそうなのです。

 

今のこの時代は先人たちの犠牲で成り立っています。将来に満ち溢れた若い命の上に築き上げられた社会です。そんな幸運に恵まれているのだから、自分の人生に後悔がないよう、自分の名前に恥じないような人生を送りたいと思います。

 

 

先日2024年度溶接学会秋季全国大会に参加して来ました。場所は北海道科学大学でしたので、久しぶりに北海道へ行って来ました。この時期の北海道は気候が良くて気持ちいいですね。

 

ところで、今回は北海道開催と言うことで特別講演として地元北海道のインターステラテクノロジズ社の特別公演がありました。講演は代表取締役CEOの稲川貴大氏自らが登壇して頂きました。そのお話がとても面白かったので紹介します。

 

インターステラテクノロジズ社は、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、民間のロケット開発スタートアップ企業で、あのホリエモン(堀江貴文氏)も設立当初からスポンサーとして参画しています。

 

宇宙産業は2040年に100兆円を超える巨大産業になると予測されています。そしてこれから加速度的に進化し、インターネットで経験したような大きなイノベーションが起きると考えられています。宇宙は今後間違いなく、地球にとって普通の経済圏となり、宇宙利用はより日常的で気軽なものとなってくると話していました。

 

現在当たり前に使っているインターネットですが、海外との通信には未だに海底ケーブルが利用されています。ところが身の回りはどうでしょうか。皆さん、Wi-Fiなど無線通信を多用していると思います。同様に将来的には、宇宙空間の衛星を利用したインターネット通信インフラが一般的になってくるとのことでした。すでにインターリンクなどがこの事業に参入していますよね。

 

そのような中、インターステラテクノロジズ社は国内民間単独開発のロケットとして初めての宇宙到達を達成した会社です。ロケットと言えばJAXAが種子島で打ち上げているものがイメージできますが、実は打ち上げコストが非常に高いのだそうです。それは、宇宙空間を使ったビジネスに大きな足かせとなってしまいます。なので安価な国産ロケットの製造は、国としても経済戦略として非常に重要な位置づけなのです。

 

アメリカでもNASAだけではなく、スペースX社やブルーオリジン社などの民間会社がどんどんとロケットを打ち上げています。しかもこれまでより低コストで。世界的に宇宙空間は大きなビジネスの場として注目されています。中国やインド、欧州などは国家が主体となって事業を進めているようです。

 

実は北海道はとても地理的に有利なのだそうです。土地が広いのはもちろんですが、中でも大樹町は南東が太平洋で開けているので、地球の自転など考慮するとロケットを打ち上げるのに大きなメリットなのだそうです。また、インターステラテクノロジズ社の次世代ロケットにはメタンガスを燃料として使うのだそうですが、それは家畜の糞尿からメタンを取り出して燃料にするのだそう。とてもエコなロケットですよね。

 

インターステラテクノロジズ社はロケットを製作していますが、実は輸送業なのだそうです。つまり、ヤマト運輸や佐川急便と同じなのだと。もちろん、運ぶものと目的地とその方法が全く異なりますが。しかしそう聞くと少しだけ身近に感じられますね。

 

今回は溶接学会の特別講演とのことで、溶接学会各社の技術が宇宙産業に何か役に立てないかとの話になりました。溶接はもちろんですが、金属積層技術(金属3Dプリンター)はとても注目されていて、諸外国では実用化されているのだそうです。個人的には「ろう付」で宇宙産業に関われたらいいなと思いました。

 

ロケットの切り離しのイラスト

 

親にとっては長い夏休みがやっと終わりました。子どもたちもやっと学校に行き始めて、来週からは給食も開始するとのことで、母親は子どものお昼ご飯の準備からやっと解放されると喜んでいます。

 

ところで夏休み中、子どもたちは猛暑のためあまり外で遊ばせることができませんでした。昨年からの危険な暑さで、完全に異常気象だと思いますが、これが当たり前になって行ってしまうのでしょうか。恐ろしいです。それでも時々近所の子どもたちと、家の倉庫で遊んでいたりしていました。実は家の倉庫はちゃんと冷房が効くようになっていますので、親としても安心です(電気代は不安ですが…)。

 

さて、自分の子どもは小学生が二人です。最近その子たちを見ていて、自分の子どもの頃とかなり違うなぁと思ったことがあります。それは夏休みや放課後の子ども同士での遊ぶ場です。

 

自分が子どもの頃は、学校から帰ってくるとランドセルを投げ捨て近所の公園に遊びに行きました。当時は団地に住んでいて、団地の中心に公園がありました。そこには必ず近所に住む子どもたちが集まっていて、野球やかくれんぼ、缶蹴りなどをしたものでした。そして夕飯時になると親が「早く帰って気なさーい!」と声をかけに来て、みんな解散したものでした。

 

ところが、自分の子どもたちはそうではありません。まず大きく異なるのは、近くに子供たちが集まれる公園がありません。今は都内の戸建てに住んでいて、近くに野球ができるような大きい公園がないのです。3年前まで埼玉県に住んでいたので感じるのですが、都内(都下の市ですが)では遊ぶ場所が圧倒的に少ないです。自転車も幹線道路が近く、交通量も多いのでちょっと危ないなと感じます。

 

そうなると誰かの家に行って遊ぶと言うことになるのでしょうが、実は自分の子どもたちが誰かの家で遊ぶことはほとんどありません。ある時ニュースで、最近の親は子どもを友達の家で遊ばせないと言っていました。思い当たる節があります。それは親同士が知り合いでもない限りは、なかなか心配で遊びに行かせられないと言うのです。

 

もし遊びに来たとしても、おやつも簡単にあげられないそうです。子どもにアレルギーがあったり、おやつをもらったら親がお返しに何かを渡したり、変な気遣いが必要だと言うのです。そんなに気を使う必要があるのかな?

 

ニュースでも、ある子どもの親が友達の家で遊んでおやつをもらったと話したら、すぐにその親に連絡して「ごめんなさい、もう二度と遊びに行かせません」と謝ったと言うのです。これは極端な例でしょうが、実際にありそうだなとも思ってしまいました。

 

もちろんすべてがこのような感じではないと思いますが、子どもたちも気軽に友達の家に遊びに行けない時代なのかなと思ってしまいました。

 

 

前回の続きになります。

 

IMDは、「世界デジタル競争力ランキング」も作成しています。2023年11月に公表された2023年の結果を見ると、世界の64カ国・地域の中で1位がアメリカ、2位がオランダ、3位がシンガポールとなっています。韓国が6位、台湾が9位、香港が10位で、日本は32位になります。2022年調査から3つ順位を落としており、こちらも過去最低を更新しました。世界競争力ランキングよりはやや順位が上になりますが、決して良い結果ではないですよね。

 

このランキングは3つのファクターによって評価されています。「知識」(日本は28位)、「技術」(日本は32位)、「将来への準備」(日本は32位)でした。日本の評点がとくに低いのは、「知識」のうちの「人材」(日本は49位)、「技術」のうちの「規制のフレームワーク」(50位)、「将来への準備」の中の「ビジネスの機敏性」(56位)でした。これらの項目のいずれにおいても、日本の順位は時系列的に見て低下しています。

 

IMDは、「世界人材ランキング」も作成しています。2023年9月に公表された2023年の結果を見ると、世界64カ国・地域の中で、1位がスイス、2位がルクセンブルク、3位がアイスランドなどとなっていました。以下、ヨーロッパの人口が比較的少ない国が続きます。アジアでは、シンガポールが8位でした。そして、香港が16位、台湾が20位、マレーシアが33位、韓国が34位、中国が41位となっています。一方で日本は43位でした。これまで見てきたIMD世界ランキングの中で最低です。2019年には35位だったので、ここでも日本は劣化していることになります。

 

このランキングの評価は、つぎの3つの項目によってなされています。第1は「人材投資と開発」(日本は36位)。これは、教育に対する公的支出、教師の数、雇用訓練、女性労働者比率、健康のインフラストラクチャーなどです。第2は、「アピール」(魅力)」(日本は23位)。これは、生活費、頭脳流出、生活の質、外国の熟練専門家、個人所得税などにあたります。第3は「準備」(日本は58位)で、これは労働力の成長率、専門家、金融の技術、国際的経験、シニアマネージャーの能力、初・中教育、理系の人材、大学での教育、経営の教育、語学の能力などです。

 

日本が特に低いのは、「国際的な経験」(64位)、「シニアマネージャーの能力」(62位)、「語学の能力」(60位)だ。「国際的な経験」では、文字どおり世界最低です。国際経験の面で日本人に問題があるとは、これまでもしばしば指摘されてきたことですが、このように「世界最低」という数字を突きつけられると、改めて愕然としてしまいます。

 

そして、このことがビジネスの機敏性などに影響与えていることは疑いがないでしょう。つまり世界が大きく変化していることを、日本の経営者は肌で感じられず、そのため必要な対応をしていないのです。日本が、IT革命、世界的水平分業の進展、製造業のファブレス化といった大きな変化に対応できなかったのは、そうした変化を身の回りの出来事として直接に感じることができなかったからでしょう。

 

結果的にここ数十年で日本には国際的な経験を持った、国際的な視点を持って変化に迅速に対応できる経営者が少ない、またそれはそのような人材育成を怠ってきてしまってきたのではないでしょうか。語学やデジタル化に関してもそうです。

 

日本はバブル経済破綻後、失われた30年を過ごしてきてしまいました。その間にあらゆる成長機会が失われ、既存のビジネスを守ることで経済が停滞してしまったと思います。日本の経済が強かった時代を牽引してきた高齢の経営者が居座ってしまったため、若い経営者がなかなか成長できなかったのかも知れません。

 

さらに国レベルでの教育も世界標準とはかけ離れガラパゴス化してきてしまったのではないでしょうか。さらに自国の若者に対する教育支援より他国からの留学生に国の予算を使っています。そして最近では円安の影響もあり日本人の留学生が激減してしまっています。韓国と比べても1/4ですが、人口当たりでみるとさらに少ないです。なぜここに国がお金を使わないのでしょう?

 

今回の結果を見て思ったのは、国の成長も企業の成長にもやはり人材育成が最も重要だと言うことです。しかし日本は、日本の企業は人材育成に時間とお金をかけられなくなってきてしまった。一見すると無駄なことに時間とお金をかけて来なかった。これが今ボディーブローのようにいろいろな側面に影響してきて、その結果がこれらのランキングに如実に表れているのではないでしょうか。

 

これらの問題を解決することは決して簡単ではありません。時間もかかります。しかし、日本衰退を食い止めるためのカギがここにあることを、国も企業の経営者も認識すべきで、今すぐ何か対応しないといけないと思うのです。もう、待ったなしです。ガンバレ、日本!

 

「がんばれ日本!」のイラスト文字