ラムネ | 東京ブレイズ二代目社長のつぶやきブログ

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世間ではあまり知られていない「ろう付」を生業に、日本の科学技術の下支えに本気で取り組んでいる、中小企業の2代目社長が日頃思った中小企業経営やろう付技術と業界、その他さまざまなことについてつぶやきます。

夏になるとスイカやかき氷、そして自分の世代は屋台で売られていたラムネが風物詩でした。しかし、最近はラムネを見かけることが少なくなりましたし、そもそもラムネ自体についても知らないことばかりでした。

 

ラムネの歴史を紐解くと、ラムネが日本にやってきたのは何と江戸時代の様です。時は幕末(1853年・嘉永6年)、アメリカのペリー提督率いる黒船が浦賀に来航。ペリーは艦上での交渉時、江戸幕府の役人に「ラムネ」(炭酸レモネード)を振舞ったとされています。当時のラムネ瓶はコルク栓を使用していたので、栓が乾かないようにするために寝かせておく必要がありました。また、底が尖った形をしており「キュウリ型瓶」と呼ばれ、コルク栓がガス圧で飛び出さないように針金で縛っていました。「ラムネ」という名称は、このレモネードがなまったものと言われています。

 

このラムネ、実はちゃんと定義があり、昭和34年7月1日に農林省農林経済局長名にて「玉ラムネびんに詰められた炭酸ガス入り飲料」をいうとあります。さらに昭和53年3月27日特許庁審査第一部商標課長名にて、商標法施行規則第29類中の「ラムネ」とあるのは、「甘味、香料などを加えた水に炭酸ガスをとかし、びんにつめ、ガラス玉にて密栓することを特徴とする炭酸飲料の一種」として取扱っているとあります。

 

しかし今はありとあらゆる炭酸飲料水があり、ラムネもなかなか見かけなくなってしまいましたね。しかもラムネ自体大手飲料水企業が作ることができないのだそうです。わが国には「分野調整法」という法律があります。これは大企業と中小企業が共存共栄していくために定められた法律です。ラムネ・シャンメリー・びん詰コーヒー飲料・びん詰クリームソーダ・ポリエチレン詰清涼飲料(いわゆるチューチュー)・焼酎割り用飲料の6種類は中小企業特有の商品と規定されています。

 

ラムネの特徴として、ラムネは他の清涼飲料と違い「ビー玉」が栓の役割をしています。現在のように王冠・スクリューキャップのない時代には、もともとコルクで栓をしていました。その後、イギリスのコッドという人がビー玉で栓をする方法を考えました。「コッド瓶」です。1888年にその「コッド瓶」の特許が切れた際に、大阪の徳永玉吉という人が日本で始めてビー玉を使い栓をするラムネ瓶を作ったと言われています。ビー玉が栓の役割を果たす仕組みは、製造段階でビー玉が真中に落ちた状態の時に、原液と炭酸を入れ、その後すばやく瓶を逆さまにすると、ラムネ液に含まれる炭酸ガスの圧力でビー玉が口部に圧着され栓となります。

 

ところでこのビー玉、なぜビー玉と呼ぶか知っていますか?その昔、大阪でラムネの栓に利用できるビー玉を「ええ玉=(良品の玉)」と言ってました。「ええ玉」は「A玉=(A級の玉)」となり、反対に、基準外のビー玉を「B玉=(B級の玉)=ビー玉」と呼ぶようになりました。商売上手な大阪商人はラムネの栓には利用できない「B玉」も子供のおもちゃの「ビー玉」として販売を始めました。とホンマかいなという話です。別の説では、ポルトガル語でガラスを意味する「ビードロ」がなまり、「ビードロの玉」すなわち「ビー玉」となった説もあります。

 

ラムネだけでこんなに盛り上がってしまいました。今はあまり見かけなくなったラムネですが、たまにお祭りの縁日などで見かけます。その時には買ってなつかしい味を楽しみたいと思います。