記録的な熱波がヨーロッパを襲っていて、フランス、ドイツ、イギリスでも気温が40℃を超えて、1,300人以上の死者が出ているそうです。かつては「夏でも涼しくて過ごしやすい」なんて言われていたヨーロッパで一体何が起きているのでしょうか?
一番の原因はやはり地球温暖化による影響です。これまでにないレベルの強烈な熱波が、毎年のようにヨーロッパを襲うようになってきました。先日もドイツの友人に連絡したところ、ここ数年6月からものすごく暑いと言っていました。
それならエアコンをつければいいのではと思いますが、実はヨーロッパの家庭のエアコン普及率は2割くらいしかありません。日本だと9割以上なので、ちょっと信じられない数字です。これにはいくつか理由があります。
ドイツのミュンヘンは、アメリカのミルウォーキー、日本の札幌とほぼ同じ緯度で、ビールの名産地として知られています。しかもミュンヘンはドイツでは南部の町ですので、フランクフルトや他の都市はもっと北に位置しています。フランスのパリもイギリスのロンドンももっと北に位置しています。つまり、夏でも涼しくクーラーはいらなかった地域なのです。
また、もともと冬が厳しい地域なので、家が熱を逃がさない構造(石造りやレンガ造り)になっています。そのため、一度40℃の熱がこもると、夜になっても部屋が全然冷えません。
さらに、ヨーロッパは歴史的な街並みを大事にするので、外壁にエアコンの室外機をポンと置くのが法律やルールでNGなことが多いのです。特にアパートではエアコンの室外機設置の許可を取るだけでも一苦労なのだそう。
それ以上に感じるのが、ヨーロッパ人の環境に対する意識の高さが、残念ながら自分で自分の首を絞める結果になっていると思います。日本ではSDGsの活動が声高に叫ばれていますが、フランスの友人にその話をすると「そんなのわざわざ宣言する必要ある?」と言われてしまいました。なので、昔ながらの人工的な風は体調を崩すという意識や、エコじゃないから使いたくないというエコ意識の高さがエアコンの設置を邪魔をしていました。
とはいえ、さすがに40℃を超えると「エアコンが嫌い」なんて言ってられません。これからはエアコンは贅沢品じゃなくて、命を守る道具として、一気に普及していくはずです。ただ、普通にエアコンを増やすと電気代増や環境破壊が問題になるので、いろいろな対策が取られています。
いまヨーロッパでは、環境に優しい「ヒートポンプ」というハイテクな暖房への切り替えが進んでいます。これは夏の冷房にも使える優れもので、環境対策のついでに冷房も出来る家が増えているのだそうです。また、建物の色を光を跳ね返す白にしたり、日よけをつけやすくルールを変えたり、街中に緑やミストを増やしたりもし始めています。
かつて旅行先として最高だった涼しいヨーロッパの夏は、もう過去のものになってしまいました。さらにインフレと円安ユーロ高も影響していているので、ヨーロッパ旅行はしばらくあきらめようかなと思います。




