勇々自適。 -4ページ目

勇々自適。

役者・演出・プロデューサー、鈴木洋平が日々のよしなしごとを語っている様です。

昨年の下半期に入ってから、毎日の授業、レッスン、稽古、本番、打ち合わせ、執筆、観劇、プランニング、等々・・・一日の大半を半ば強制的に演劇に支配されている。毎日。

半ば強制的に、と言うのはそれらが全て仕事である為、時間制限もあり進捗義務もあり、自分の自由なタイミングで好きな様に、とはいかないところから来ている。

毎日、夜は23時過ぎには寝落ちし、朝は6時台には目覚める。
何とも健康的だ。
この時勢で絶えず仕事に恵まれている。毎日。
何とも有り難いことだ。有り難いことだ。


が、が、が。


僕は。
本当は、もっと自由な、生き方がしたいんだろうな。

自由な創作が。
自由な指導が。
自由な毎日が。


で。
その反動はいつか、暴発するのだろうか。


今年の仕事がある程度一区切りした後、僕が急に世界一周旅行に出掛けたりしてもびっくりしないで下さいね。

それか、ええ外車買うか。

それか、豪華ゲスト呼んで採算度外視の芝居打つか。


何しかね、稼いだお金を使う時間も全く無いのですよ。
ここ一週間程で、自分がオファー頂いてたもののスケジュール等が合わなくて出演が叶わなかった作品が幾つか情報解禁された。

それらの情報解禁が遅いので、まさかコロナ禍で上演自体がなくなってしまったのではないかとヤキモキしていたが、無事開幕の流れになっていて本当に良かった。
あとは本当に開幕の日を迎えるまで、何事もないことを祈るのみだ。


惜しむらくは、自分が出演出来ない代わりに他候補者を幾人か紹介させてもらっていたのだが、その全員がキャスト欄にいた訳ではないと言う点だ。

おそらくは僕と同じくスケジュール等の関係で出演出来なかったのだろうと思うが、現場として人気も箔も付く作品達であっただけに少し残念だった。

やはり、関西の俳優にとって、関東圏の作品は何かとハードルが高い。
自身のエリアであれば、数ヶ月に渡る現場だろうと、自分の別現場と平行でこなすことも出来る。

ただ、他エリアでの長期拘束は、別現場の調整を全てした上でないと成り立たない。
金銭的にも時間的にもリスクの高さがまるで違う。
ある程度それらに余裕があるか、周りの後ろ楯なくしては成り立ち得ないのだ。


かくいう僕も、金銭的な面で言えば関東圏だろうが海外作品だろうが何も厭わないのだが、どうしてもスケジュール調整が難しい場合が多い。

ともすれば1年前には年間のスケジュールが埋まってしまっているので、新たなオファーに関しては調整が難解である場合が多いのだ。

そして、それは僕と同等格の演劇人も同じであろう。



なので、キャスティング担当の皆様、良い人材の手配はなるべく早めに何卒何卒・・・


僕も自らキャスティング担当することが多くなって、実に染みています。

良い人材は、使う側、皆、狙うよ!!!
そりゃそうだ!!!
オファーは早い者勝ち!!!
一昨年、ゼロスのファイナル公演を終え、打ち上げを深夜で切り上げ、一人タクシーで帰路に付こうとした時のこと。

皆が見送ってくれた後、最後までお見送りに店の外まで来てくれたのは、ずっとお世話になっていた田中さんと里菜ちゃん、そして作演の高見さん、そして意外なことに戎ジン役の國藤君だった。

戎という男は、ゼロスのライバル、ザクスの変身前姿であり、僕が演じる片岡刑事とは少し噛み合わないながらも、ゼロスの為、正義の為、何よりヒーロー達を信じる全ての人達の為に闘うと言う点では、形は違えど、同じ志を持った仲間なのであった。

仲は決して良くないながらも、そんなお互いを陰では認めあっていたみたいな関係。


その日、打ち上げでの酔いもあったのだろうが、國藤君は帰り行く僕にこう言った。

「あんた、昔俺に言ったよな。自分は80点役者だって。確かにあんたはそう思ってるかもしれないけどよ・・・・俺にとっちゃ、あんたは800点役者なんだよ!!」


嬉しかったのと、同時に、うわ、この台詞、めちゃくちゃ戎っぽい!と思いながら「ありがとう、また一緒に闘おう」と返した。

國藤君は、板の下でも、作品が終わりを迎えた後でも、確かに戎ジンだったのだ。


ゼロスファイナルの数日後、作演の高見さんから別作品のご依頼を頂戴する。

そう。
来週に控えた『オーサカ・ヘヴン』だ。

何とそこに國藤君もゲストとして名前を連ねていた。

「また一緒に闘おう」の言葉は、いきなりすぐに叶ってしまった訳だ。


さて、今回の物語はどうなるか。
確かに、一緒に闘っている今作。

また800点を取れる様にがんばります。

https://dysmic.world/d-audition/


オーディション情報 | dysmicオーディション情報ページです。私たちdysmic Entertainment はエンターテイメントを通して、明るい社会、夢のある世界の実現を目指し、日々活動しています。リンクdysmic.world
5/21〜23、伊丹アイホールにて
シェイクスピアの名作の一つ
『真夏の夜の夢』
を上演することとなりました。

それに伴って、出演者募集オーディションを開始致します。

動けて、喋れて、おもろくて、個性ある、それでいて演劇熱の高い、芝居を楽しめ、音楽を楽しめ、身体の躍動を楽しめ、それをお客様に伝播出来る方々、ご応募お待ちしております。

それら全てが出来なくても、死ぬ程芝居したい奴も。芝居してなきゃ死んでしまう奴も。


ぶっちゃけ、上記にそぐわない方は残念ながら要りません。
よほど出れば数百人呼べるみたいな人じゃなければ、たぶん僕がオーディションでふるい落とすことでしょう。


そもそもこのお話の発端は、以前にカンパニーで上演した同作がおもんなさ過ぎて社長がメンバー総替えでやりたいと言う打診から始まり、それを最初に受けた僕の恩師が、自分には出来ないけど、僕になら、と言うことで頂いたお仕事なのです。

で、自分が演出するなら選ぶはずもないシェイクスピア作品をやることになり、昨年の下半期は寸暇を惜しんで勉強の毎日でした。

なんせ、世界を代表するかの有名演出家達が挑んだ作品ですし、その二、三作を観ても高尚ではあっても面白さを見出だせなかった僕です。

いや、シェイクスピア面白いか?
ブランドに酔ってるだけちゃう?
みたいな。

さぁどこに勝算を持っていくかと、様々な分野の夏夢を観あさりました。
原作、演劇、ミュージカル、オペラ、バレエ、朗読、ボイスドラマ、漫画、アニメ、小説、よく分からん考察web、etc.

僕が面白みを見出だせたのは、演劇とは違うジャンルのあれやこれでした。
でも、これらの切り口達を上手く組み合わせて行くと、少しは面白いと言える作品に仕上がるかなと。

うん。シェイクスピア、面白い。かな。
流石っす、演劇の大先輩。みたいな。


さて、その後は関わる布陣。
限られた予算の中では、出来ることも限られるし、呼べる人間も限られる。

演劇キャリア20年以上の人間が声掛けするには恥ずかしい様な薄謝で、自分の信用のみで集まって下さるキャスト・スタッフ陣。

オーディションメンバーにしたら何とノルマ付き。
今のご時世に。

稽古期間は2ヶ月。
今のご時世に。

恥ずかしいけれど、今の僕の信用ではこれが限界なので、これで突き進みますが、これだけは一つ約束すると、この作品に出ることを選んでくれて絶対に後悔はさせませんよ、と言うこと。


僕は役者の手売りに頼るポンコツプロデューサーにも、非効率な稽古期間の長さに頼ったポンコツ演出家にもなりたくないし、ならせたくない。
そんなマイナス感情はすぐに僕の演劇戦闘力で拭ってみせるから、少しだけ少しだけ力を貸して下さい。

世の中の全てのエンターテインメントに感謝と敬意を持って、よき作品を目指します。


そんな感じの劇作が動き始めました。
たくさんのご応募、お待ちしております。

各現場、現場で様々な連絡をしている今月。

特に僕のオーバーワーク回避の為の仕事振りや、各種出演オファー連絡が多いのですが、このやり取りだけで確実に俳優の質が分かる。

レスの早さや、確認事項の細やかさ、スケジュール相談のエクスキューズの出し方、条件面の交渉、断り方等・・俳優の力量とその的確さは間違いなく比例する。

それで行くと、やはり兄さん姉さん方。
そして、商業経験の多い俳優陣は流石だ。

そりゃ芝居も上手い訳だ。
人間が出来てるから。    
とてもとても為になるお言葉を頂戴した。

社会人としての常識。
そして、仕事を広げる為の謝辞と礼節の大切さ。

とてもとても、為になった。

思えば、僕はこの役者生活20数年、お礼のメールの類など一回たりともしたことがなかった。


それは横着ということより、言葉より、行動と結果で評価して欲しいという思いがあったからだろう。


詰まるところ、言葉や数字や文字には嘘やべんちゃらを込めれても、心と行動には込められないと考えているからだ。

僕は、感謝や恩や敬意を、指一本で打てる文章に込めることが出来ないし、べんちゃらや愛想を振ることも出来ない。


ただ出来るのは、感謝や恩や敬意を、最大限自分の芸に還元して放出することのみだ。

これからもたぶんそのスタイルは変わらないだろう。
もし、僕の謝辞が伝わらないというのであれば、それは僕の芸がそれまでだったんだろう。


それで失う仕事ならば致し方ない。


僕はこれからも自分の想いは行動で示してゆくよ。
昨夜、久しぶりに末満さんから電話を頂いて、ほんの20分程だか喋った。

仕事の話でもあったが、後半は他愛もない話で。

残念ながらお話頂いた件はスケジュールの関係で見送ることとなったが、商業舞台でがっつり仕事されてる末満さんの手札の中にまだ自分が組み込まれていることが何より嬉しかった。


僕が劇団を辞めた後の最初の舞台が『TRUMP』の初演であり、あれがきっかけとなり、末満さんの作品を初めとして、様々な作品に携わるきっかけを作って頂いたことに間違いはない。

いわゆる恩人と言う訳だ。

それからいくつかの作品に呼んで頂いたが、まだこちらが頂くばかりで、きちんとした恩返しが出来ていない。


僕は芝居しか能の無い漢なので、芝居でしか恩返し出来ないのですよ。


次の機会には必ず、返したい。
一つでも二つでも。必ず。


今回のお話は、僕が受けれない代わりに、僕が紹介した仲間達が叶えてくれることだろう。

僕はまず、自分の仕事を全うする。
それは末満さんだけじゃない、僕にとっての全ての恩人達への恩返しに繋がるのだ。

今月から、週のレッスン数が計11コマとなり、受け持つ生徒総数が180人程となった。

90分×11コマ。
週6日。

塾講や家庭教経験者ならお分かりだろうが、講師業と言うものは、拘束時間だけ仕事をしている訳ではない。

その前後には授業計画、課題の作成、結果報告、生徒の採点・・等の業務がのし掛かる。


で、夕方からは役者業に専念すべく稽古場へと繰り出す。
台本を読み込むのは移動中。
現時点で抱えてる作品は大きく4つ。

他の空き時間はインプットの為に観劇や映画の視聴。

深夜に帰宅し、晩酌。
が、長くもたず寝落ち。


そんな日を2週間程続けると人はどうなるか・・


答えは簡単。


眠いよ!!!!!!!!!!!!

毎日。

眠いよ!!!!!!!!!!!!!!!


でも少なくとも年内はずっとこれだから、がんばるよ。
コロナ禍の自粛期間のしわ寄せが如く、様々な現場やお仕事のお声掛けを頂く。

本当に有難いことだ。

が。
やはり身体は一つなので、まぁまぁな数のお話をお断りさせて頂いた今年下半期。

それも致命的な日程とか、本番被りとかじゃない。
普通のリハ日でも遅刻しそうな案件なら断ってきたのだ。
普通の人間なら、後出しNGしてでも受けるであろう仕事でもだ。

それくらい僕はスケジュール合わせを重要視し、直近の現場に合わせる。

普通の人はそれはしない。
都合の良い、割の良い、名の知れた仕事の話が来たら、それを優先する。

僕はそれをしない。
目の前の作品をひたすら最優先する。
ひたすら物語を愛する。
実に非営利的だ。


でも、不思議なことに、僕には仕事の依頼は尽きない。
断った現場からも再度依頼が来る。


分かりますか?


この業界は信用商売。


日本のことわざにもある
「損して得とれ」
それそのままなのですよ。

先月分の振込を確認すると、自分の出演料等の総額は¥100000程だったのに対し、講師料等で振り込まれた金額の総額が¥120000程だった。

講師としての賃金が、俳優としての賃金を上回る日がこうもあっさりと来てしまったのだ。
今秋からは更に大口の指導先が始まるのだから、その差は更に増えるのかもしれない。

賃金単体で見ればそりゃ出演料の方が額は大きい。

が、問題は時給換算の差だ。

出演料には全稽古の拘束料とその交通費等が含まれての額。
一方、講師料は1コマ60〜90分程に対しての額。

ざっくり見積もっても出演料は時給¥1000。
講師料は時給¥10000。

これは、本当に、いかがなもんなんだろう、と思う。

もちろん、僕は講師業としても全魂を注いでやる。
よくある退役軍人の老後の小遣い稼ぎみたいな授業は絶対にしない。
それを考えたらこの時給は妥当とも言える。


が、出演に関しては魂だけではない。
命を注いでいる。
人生をかけている。

そしてそれは。

きっと多くの俳優がそうしている。


もっと評価されていいと思うんだ。
目に見える形で。