800点。 | 勇々自適。

勇々自適。

役者、鈴木洋平君が日々のよしなしごとを語っている様ですよ。

一昨年、ゼロスのファイナル公演を終え、打ち上げを深夜で切り上げ、一人タクシーで帰路に付こうとした時のこと。

皆が見送ってくれた後、最後までお見送りに店の外まで来てくれたのは、ずっとお世話になっていた田中さんと里菜ちゃん、そして作演の高見さん、そして意外なことに戎ジン役の國藤君だった。

戎という男は、ゼロスのライバル、ザクスの変身前姿であり、僕が演じる片岡刑事とは少し噛み合わないながらも、ゼロスの為、正義の為、何よりヒーロー達を信じる全ての人達の為に闘うと言う点では、形は違えど、同じ志を持った仲間なのであった。

仲は決して良くないながらも、そんなお互いを陰では認めあっていたみたいな関係。


その日、打ち上げでの酔いもあったのだろうが、國藤君は帰り行く僕にこう言った。

「あんた、昔俺に言ったよな。自分は80点役者だって。確かにあんたはそう思ってるかもしれないけどよ・・・・俺にとっちゃ、あんたは800点役者なんだよ!!」


嬉しかったのと、同時に、うわ、この台詞、めちゃくちゃ戎っぽい!と思いながら「ありがとう、また一緒に闘おう」と返した。

國藤君は、板の下でも、作品が終わりを迎えた後でも、確かに戎ジンだったのだ。


ゼロスファイナルの数日後、作演の高見さんから別作品のご依頼を頂戴する。

そう。
来週に控えた『オーサカ・ヘヴン』だ。

何とそこに國藤君もゲストとして名前を連ねていた。

「また一緒に闘おう」の言葉は、いきなりすぐに叶ってしまった訳だ。


さて、今回の物語はどうなるか。
確かに、一緒に闘っている今作。

また800点を取れる様にがんばります。