すかいうぉーかー -63ページ目

すかいうぉーかー

CRAZY=SPELL−BOUND




















沈みこむリヤ
後輪が路面にトルクを叩きつけ、短い下りの一瞬で車体と慣性が臨戦態勢に移行する




(よっと)




クンっとケツをアウトに振りだして、上体を伏せる


握ったレバーごと 前輪でアスファルトを擦り上げ
右に周りながら落ちるセンターラインに"徹す"場所をイメージして、直線を曲線に





加速





ブルっと来る
快感に一瞬だけ酔いながら、すぐに現れた左に向けて車体を立て


爪先と踝で車体を蹴りながら、切り返しとバンクを流れるように





左はコンクリート

右は谷間



全身を包む風と深緑の揺りかご




眼下に伸びる、山間のワインディングが
何処までも誘う











(やっぱり、イイな。この道)




アベレージスピードが絶妙だった

忙し過ぎず、飽きも来ない





1000ccを振り回すのにも充分な道幅は

引き絞った弓のような突っ込みからの加速で、アウトいっぱいな立ち上がりを"わざわざ"やりたくなる楽しさ




絶妙についたカント(傾斜)に後輪を乗せて
斜めになったまま、発射台からロケットのように全身を撃ち出すと


キュっと締まったスピードの奔流の中で、目にも鮮やかな緑が視界いっぱいに流れて行く






さぼる

長めの緩やかにうねる直線で




左の崖下に、棚田が広がったかと思うと
すぐに谷川に変わり

農家の並ぶ村は、すぐに遅咲きの桜のトンネルへ









車をパスする

きちんと距離を取って、抜き様にゆっくりと左手を上げ




"ありがとう"




わざわざ左に寄って減速し、ハザードを炊いてくれる人もいる



Gは張っているけど、心はシェスタでも楽しんでいるような
















「・・・ありゃ?」








長い直線の向こう


たくさんのバイクの気配




1台だけ

しっかりと着いてきてたカトーを振り返りると
フルフェイスが小さく前に傾ぐ
















減速し

左折































バイク乗りは



こういう時、何故か嬉しいもんである










Android携帯からの投稿















2~30台がスタート前の列を作る懐かしい光景を横目に
ピットの脇の階段を昇り、屋根の上のスタンドに出る


真新しいペンキの白い柵の向こうに、巨大なホームストレートが広がる




眩しいぐらいの陽光の下で

ソフトフォーカスの中に揺れる路面が、グランドスタンドへ渡る陸橋を潜り抜け
第一コーナーへと延びている





ゆっくりと

次々にコースインして行く、様々なマシン




コーナーを曲がって視界から消え
排気音が、回転上昇に伴って 派手に上がっていく





後を追うように視線を巡らせると


遥か先の斜面の上を、小さくなった姿が次々に駆け抜けていくのが見え

またしばらく消えて、一番手前に飛び出して来た



かなり緩やかな高速コーナー
少しだけ下っている


そのまま、アウトに飛んで 減速しながら左





また、消える

一瞬見えて・消えて






「そういう感じね」





頭の中で、何となくコースの全体像が分かる







筑波
菅生
富士
鈴鹿
もてぎ
TI
エビス
トミン
桶川


自分で走ったのから、友達のレースの観戦まで
結構色々観てるのだ



消えて、出てくる時間と音








ホームストレート

視線を向けた瞬間に、ドンピシャでマシンの影が飛び出して来た


















「・・・あ~あ (笑)」



金華ハム号が、とんでもないスピードでフッ飛んで行く

1台だけ明らかに違う音
周りが軽く唖然として、ハムさんに注目してるのが分かる




忙しくて随分乗れなかったみたいだから、嬉しいのは分かるが
あれじゃ、羊の群からドラゴンが飛び出して来たようなもんである






ウォーマー巻いたタイヤに不安が無いのだろう

トランスフォーマー並みに形が変わるぐらい、フロントをボトムさせて 1コーナーに殺到し
降り下ろした斧みたいに車体をバンクさせて、1コーナーへ消える


一通り通過するのを見届けると
階段を降りて、反対側へ



さっきの緩い下りカーブを、加速→減速→倒し込み と、一瞬でやって
ドーナツ盤の上をなぞるように、ハムさんが切り込む


CBR

10R

R6

次々にSSが突っ込んで行き

ニンジャやFZRやグースらが続く





「スゲーw」



ラインも速度も、見事にバラバラだ

しかも、皆さんそれぞれが結構なレベル


こんだけのチャンポン状態って、見た事が無かったので
車種によってこんなにも違うのかと 驚く



頭や自分の経験上 分かってはいたつもりだったが


グースや、現行のCBR250Rが 6Rを完全に越える速度で軽快に曲がって行くのを見ると、ちょっと感動である



特にグースは面白そうだ
軽く興味が湧く








2周



3周







「おっと・・・?」





出始めた周回遅れの間を、速いマシンが縫い始め
前走車のパスに、経験とスキルとマナーが絡み

段々と、本当の順位が付き始める



ずっと眺めているうちに、見えて来た





どうやら



猛獣はあと2~3匹は混じっているようだった




(続









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ニュース見て笑ってしまった

まあ、今更 大麻で捕まる方では無いよな












2019年なら電動バイク出来てそうだ

超電導は使われてないけど




12000回転の200馬力か




































































2012年の今見て見ると

市販のバイクで
200馬力

ギリギリ出てます(笑)



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カトーがXperiaを片手に、山道を先行

都心と違う 庭や軒先に余裕のある古い民家を眺めながら、それでもカーブとアップダウンの楽しめる山の中の街道を走る




ちょいと気温が低いかな

Tシャツに薄手の長袖のボタンシャツ1枚はヤバかったかも知れない












1時間も走ると、待ち合わせのローソンが見えた
トモさんはまだ来てない


とりあえず、腹ペコだった
パンと缶コーヒーを買い、駐車場に腰を下ろして 程なく淡いライトブルーメタリックのカワサキが滑り込んで来た






おはよっす












トモさん「切符切られちゃった」












早いよ(笑)







246で朝イチに
開店準備中だった、ネズミだったらしい

さすが、GWである








馬鹿話に軽く花を咲かせ、出発



道案内はトモさんだ











・・・寒いな








トンネルをいくつもくぐりながら、突然 右手に城壁のような デカいコンクリートの斜面が現れた






(コレか)





宮ヶ瀬ダム

名前は聞いていたが、正真正銘の初対面



リズミカルなカーブの連続

成る程、確かに走るのには楽しいBPMだ
優しく包むようなカーブのRと景観


近所に住んでたりしたら、暇さえあれば来てしまいそうな何かがある






チェックポイントのようにトンネルが現れ、潜る度に標高が上がり



















気温が下がる
















ガチガチと歯が鳴る


なんだか知んないが、嫌味のように"たまたま"あった気温計が「14℃」を指していた






俺は後半

長い直線が現れる度に タンクに虫のようにへばり着いて、ろくに前も見れなかった






前の日が異常に暑かった事と
寝起きで、全く天気予報を見なかった事




何よりも、完全に山を舐めていたという

初心者以下のミスである









だが









道がイイ





路面そのものは普通なのだが


直線
緩やかなカーブ
下り
ヘアピン



組み合わせがイイ

朝イチなのに、特にストレスを感じる事もなく
右に左にと、自然に動く体






なんだ?

この道は























そのまま入った山間のガソリンスタンド

下りの途中にあって、バイクを停める時に倒れないように気を使う
峠独特の感じで



目の前に広がるパノラマにぼんやりと視線を漂わせていると

給油が終わった俺に、トモさんが近付いて来た













「パツ、ここから道の駅"道志"まで、1
本道だから」












カトーとYが、ピクりと反応して 俺の方を見る
















・・・それ




















"そういう" 意味ですか?









(続


















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FJ1200

グース

Nチビ






ユニコーンのカタナに、ZZ-Rに、FZR400







もう、博覧会である

もちろん最新のSSや、アグスタやBMW RC8

いじくったMkⅡやニンジャも、12Rも ハヤブサも居る



こんだけごった煮だと、逆にもう排気量とかどうでも良くなる


でも"分かる"マシンばかり







公道で捕まるような事をやりに来たり、セッティングを出したり、みんなで楽しむ為だったり




ただタイムを詰めたり、目を三角にして走りたいなら 筑波でも行けばイイ訳で

そこまでは出来ない人・やりたくてもやれない人だって
こういう場所があれば、遊びに来たい







経験・技量・速度域にバラつきがあるなら
ココで遠慮すべきなのは、速い奴だと俺は思う



ピットでしつこく吹かしてるのが何人かいたけど
実は俺はアレが嫌いである



必要でやっているのも居るのかも知れないが
初心者やサーキットに不慣れな人間が、そういうので萎縮してるのを何回も見ている




大声で 自分がベテランである事を鼓舞したり

初心者のコース内での不手際を 笑いながら馬鹿にしたりも







お前が速いからなんなんだよ?

最初から全部上手に出来たのか?






モタードのお祭り「OVER-ALL」
1年目は本当にお祭りで、車庫から出して来ただけのCRMに
黒いビニテでゼッケン番号書いた 普通のお父さんが、出てたり

一般ユーザーが、敷居の高さを感じずに
モタードと言うものを体験出来て
みんなで盛り上がれるような、素晴らしいイベントだった



だが、3年目ぐらいには

スタートラインで俺の前に並んだ、ベテランだかmoto1レーサーだか分からない奴等が同じように
初心者の危なさや不手際を 笑いながら馬鹿にする始末





自己責任で怪我


速い奴の邪魔






イイじゃないか
誰だってバイクで遊びたいんだ



主催者側の都合とかも分かるし

無知が罪になる事は当然ある



でも
そういう機会がなくて、本当のバイクの楽しさに触れる事が出来る人が
全体の何%になるんだよ




自分がステージ上がって行ったから、これから上がってみたい人はどうでもイイのか と







ココを造った人が、どういう考えだったのかは分からないけど


今のこの空気が、壊されないで欲しい








ピットは、モニターもエアも無くて
電源が2口だけ


ハムさんのGSX-Rを下ろし
ウォーマーを巻いて、コンセントを刺す





ハムさん「券(走行券)買って来るよ」






強い日射し
20℃以上ありそうなピーカンの下

Tシャツ1枚になって、ピットの中の日陰から 目の前のホームストレートを眺める




色々と、シンプルな造りだ
エスケープやグラベルもそうだが、その代わりに単管で組まれたグランドスタンドまである

コース幅も筑波と変わらず、リッタークラスでも ちゃんと走れそうだ



サーキット独特の空気を、ちゃんと持っている







(まあ、JSBやれるか? つったら、むりだろうけどな)







見れる範囲を歩いて周り、ピットに戻ると

ハムさんがツナギに着替え、GSX-Rのエンジンに火が入っていた











(・・・おっ










空気が軽く締まっていた





久し振りに


































魅せてもらおうかな




(続




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スマホ持っていくか、SIMカード差し換えてガラケーにするか

寝惚けた頭でウダウダやっている内に
実は今日はGWだと気付く















「悪い汗 遅れる」







朝っぱらから不本意に全開

平和な休日の、家族連れの車内の空気を凍らせながら
気まずい空気を振り払って、悪魔のようなスピードで中央道を走り抜ける




10分ほど遅れて飛び込んだ石川P.Aで

うどんでもたいらげたらしいYが、くわえた楊枝を上下に動かしながらスマホを眺めていた














・・・なあ、コレ お前のK5(GSX-R1000)?



Y「そうでっせ」























うん

申し訳ないが、これ以上の写真が載せられない
一行たりとも説明が書けない



都内でコレ見たら、99.8% Yだと分かってしまうからだ








すっげぇな コレ(汗)


Y「チャイナ製だとかで、ヤフオクで5
万円でした」






そりゃあ、俺でも入札するわ

本当に、後先考えないで載せたいぐらいに格好いいのだが

コレはマジでちょっと




最近、チャイナ製のこの手のカウルはチラホラ聞くが、案外馬鹿に出来ないもんである










カトーに俺が遅刻した旨を伝え
八王子出口まで来てもらう事にする




インターを降りて、少し曲がった先の16号への合流ギリギリでバイクを停め

カトーを待ちながら Yと下らない話で盛り上がる



元・moto1ライダーのKくんと、茂原の走行会に行き

6~7年放置していた、爪も刺さらないタイヤのフサベルで
コースイン2秒で視界から消え去ったのを見て、タイヤを換えたらしい汗


























カトー 遅くね?




Y「家、近いんすよね」






もう、20分は待っている







Yが電話をかけるのを横目に、煙草に火を点ける



まさか、奴に限って 事故なんて事はないと思うが











Y「あ、もしもし?」
































コラーむかっ
















Y「え? もう、着いてる?汗






ほんのわずかな


側壁の曲がり








3歩前に出て右を向いた俺の視界の奥で

カトーが携帯を耳に当てて、Yからの電話を受けていた






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さっ 寒い


(↑昨日暑かったから、服の選択間違えた)


















追い剥ぎするか(をい





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俺「いいんだ コレで」








ハムさん「そう いいんだよ コレで」











全長2.4km


タイムは、筑波の10秒増しぐらい(1分10~20秒ぐらい)






レースの開催がほとんどなく、日曜日に練習走行が出来て、予約制度も無し


普通の社会人の事を何も考えてない、筑波のクソ制度から考えたら 夢のような話である






姉崎 袖ヶ浦で降りて30分も走ると、山の中に いきなり作り付けのフェンスの門が現れ







・・・ねえ、コレ現場で使ってる 工事用のフェンスだよね


ハムさん「そう言われれば、そうだね汗



しかも、よく見れば
コンクリートの壁は、そこら辺の民家でも使われているような「万年塀」である









だが、ある意味では面白い
近隣(つっても、民家なんかほとんど無いが)への騒音問題がどうなっているか知らないが

レースやらないんだから、色々とうるさい"安全基準"みたいなのも そんなに考えなくて良いのだろう




アレコレと金かけなきゃならなくて、作れないぐらいなら
遊ぶ側の責任で、最低限の設備投資で"場所"を作ってくれる方が良いに決まっている








日本人のつまらない体質のせいで先細りするバイク業界にあって

こういう事をする人が、まだ東京近郊にも居たってのが なんとなく嬉しかった




それでも真新しい舗装路を走って、サーキットの外周を半分ほど周り
コンクリートのトンネルを潜ると














































「・・・ははっ♪」






広い

綺麗

そして、シンプルに最低限






だだっ広い駐車場と、鉄骨造りのピットの列


車が2~30台
バイクが4~50



だが、ピットが空いている
13時からの走行に、12時に着いて







信じられなかった
東京から100kmも走らないで












そして




























ハムさんのGSX-Rは、アンダーカウルすら、オイル受けの付いたレースカウルじゃない
ノーマルなのだ




(続



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「やっぱ、混んでんなぁ」




詰まり気味の4号線

右へ左へと、車列を縫いながら
新宿のカーブをスパッとバンクし

久々の霞ヶ関トンネルへ飛び込むと、分岐を左へ




5号からの合流
箱崎の分岐

どんなに年月が経っても、流れが澱む箇所は変わってない







7号

錦糸町を通過し、本当に何年ぶりか分からない光景に 少し心をときめかせながら
2~3個あった筈のオービスの事を考え、すぐにフルフェイスの中で苦笑する




(今は、ハチロクじゃないんだ)




鉄鋼団地でパトカーに追い回されたのも、行徳のマンモス団地に不法投棄された車を漁りに行ったのも

もう、一昔前の話だ






混んでると言っても、流れてはいた

100~190ぐらいのペースで、幕張まで駆け抜け
すぐに、目的の武石の出口が見えた





Googleマップを頼りに、6kmほど

坂を下った先の信号で、懐かしい顔が手を振っていた







ご無沙汰っす~


「パツ! 久し振り」







トリケラトプスみたいな、金華ハムさんが 優しい顔で立っていた


つっても、恐竜は恐竜だ
キーコすら捩じ伏せる 俺の腕力をもってしても、この人にだけは腕相撲は全く叶わない


なんつーか、フレームから構造が違う感じだ
多分この人は油圧で動いてると思う




若い頃は、警官投げ飛ばしたりしてたらしいしな







「俺、このR1は初めて見るよ」


そうだっけ?



本当に心から繋がった仲間みたいな仲って、何年会わなくても まるで昨日の事のように感じる事がある気がする


よくよく考えてみれば、この人とバイクで会う事自体4~5年ぶりだった



K7のGSX-Rが、黒いハイエースに積まれていた

そうだ、俺もこのGSX-Rは 初めて見るのだ

筑波で表彰台争いをしょっちゅうやってた頃、俺が応援に行った時のハムさんのマシンは確かK3だったのだ




ヨシムラの2本出しのフルエキ
だが、ウインカーやヘッドライトはノーマルのまま








「じゃあ、行くか」



助手席に乗ると、ハイエースが 今俺が来た道を戻り 京葉道へ









袖ヶ浦なの?


「そう、山の中だよ」


















袖ヶ浦 フォレストスピードウェイ







俺がサーキットに行くのは

実に6年ぶりになるのだった




(続











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