6月3日(土)、紀尾井ホールで同志社混声合唱団〈東京〉の定期演奏会が開催された。前日の暴風雨から開催できるかどうかを心配し、それ以上に、合唱や演奏会の経験が乏しい私が代表で、本当に最後まで行けるのかどうかが心配だったが、当日はお昼前に雨が上がり、演奏会も委員の皆さんの奮闘で最後まで無事に運営することができた。感謝。



ステージに上がる直前、一番広い楽屋に集合し、最後の声出しをすることになっていた。「そん時、幹事長から一言お願いします。いいっすね?」と委員のIさんから言われていたから、さて、何を言えば良いのかと一週間考え続けたが、当日の朝、お祈りをすると決めた。



「神さま、指揮者の中村先生とピアニストの清水先生と相澤先生、それから47名の団員が集まりました。今日、ステージに上がりたいと願っておられたAさんは先日亡くなられ、「水のいのち」だけは歌いたいとおっしゃっていたBさんも闘病中で間に合わず、断念されました。又、Cさんは今朝5時に名古屋駅まで行かれましたが、新幹線が止まっていたため上京が叶いませんでした」



「人生は思い通りにはならない、だからこそ、ベストを尽くせ。そう、神さまから教えられたように思います。ですから、ベストを尽くすことを私たちはお約束します。神さま、その代わり、一つだけお願いがあります。これまで、中村先生からたくさんの注意を受けてきました。できれば、歌ってから「しまった!」と思い出すのではなく、歌う前に思い出させてください(笑) では、行って参ります」



失敗もあったが、演奏会後の打ち上げではみんな笑っていた。素敵な笑顔に囲まれ、幸せな夜になった。神さま、ありがとうございました。

朴 令鈴さんのピアノでバリトン大沼 徹さんがシューベルトの「美しき水車小屋の娘」を歌われた。これはシューベルトが作曲した三大歌曲集の一つとのこと。



20曲から成るこの歌曲集は、一人の若い粉職人が修行の旅に出るところから始まる。彼は水車小屋の美しい娘に出会って恋に落ち、その恋が実ったかと思いきやライバルの狩人が現れ、彼女を奪ってしまう。嫉妬に苦しみながらも彼女を思い続けるが、やがて耐えきれなくなって小川に身を投げる、という物語のようだ。

大沼さんはその青年を演じ、見知らぬ世界への好奇心、美しい娘と出会ったときの興奮、恋に落ち、彼女を得たときの喜び、ライバルが現れたときの嫉妬と焦り、そして彼女を奪われたときの喪失感を一人で見事に歌い分けられた。

鉛筆に例えると、合唱団で歌っている私はHB一本。これに対し、大沼さんの筆箱には6Bから9Hまで入っており、その上、色鉛筆や場合によっては絵の具まで繰り出せるということか。プロは凄いと思うが、ともかく私はHBの芯を折らないよう大事に使おうと思う。

同志社混声合唱団(東京)の定期演奏会が10日後に迫った。



案外、時間はどんどん過ぎるし、本番までの練習回数は着実に少なくなっていくものだ。それに気付いたので、今年の1月末から「瓦版」なるものを毎週発行して練習会場に張り出し、団員に本番までの日数と残された練習回数を伝えることにした。


それだけでは面白くないから、演奏会で歌う曲について書いたり、団員のおめでたいニュースを伝えたりしていたが、次第にネタが尽き始め、ついにはギリシャ神話の神様まで登場願うこととなった。


その瓦版も、残すところ5月27日(土)に発行する第17号のみとなった。良く続いたと思うが、先日の「皇居ラン」も団員に知ってもらおうと「号外」を発行した。参加した3人に演奏会で歌う曲に因んだ馬名を付け、顔写真入りで紹介した。


この号外を「面白いからください」と持ち帰った団員がおられるらしいから、編集長としては嬉しい限り。瓦版が団員の役に立ったのかどうかは疑わしいところだが、私は十分に楽しませてもらった。感謝。