日本テレビの「笑点」が60周年を迎えたとのこと。父が好きだった番組で、自然に私も見るようになった。人気の大喜利、初代司会は立川談志さんだったようだが、私の記憶にある司会は「てんぷくリオ」の三波伸介さんで、以後、五代目三遊亭円楽さん、桂歌丸さん、春風亭昇太さんが司会の大喜利を楽しく見てきた。



なぜ「笑点」はこんなに長く続いたのか・・・そう質問された春風亭昇太さんが「番組が進化しなかったからでは。視聴率が下がったときにもテコ入れなどせず、いつもと変わらぬ雰囲気を届けようとして、いつしかガラパゴス諸島みたいに他の地域には見られない不思議な生き物が残ったのかな」と答えられたらしい。上手い答えだ。座布団一枚!(笑)



確かに「笑点」は見る人を和やかな気持ちにさせる番組だが、大喜利の成功は、①シナリオのない緊張感、②さまざまな「お題」に挑戦して笑いを取る出演者のプロ意識、③ライバル同士ながらチームプレーに徹するサービス精神、があってのことで、更には、④これらが薄れたときには出演者の交代で活を入れてきたからかなと思う。

会社など組織の継続にも当てはまる条件ではないかなと、大喜利を見ながらいつも思う。

15年ほど前に買った本で、年に一度、私が行う本の処分を逃れてきた一冊。著者は晴山陽一さん。タイトル通り、ニヤリとする名言が多く、たまに開いてはニヤリとしている。



5年単位で見ると、ニヤリとする名言が異なるのは私の変化(成長であって欲しいが)、又は社会の変化に依るのだと思うが、次の名言は毎回、私に対する注意だと受け止めている。

「ハンマーの使い方が上手な人は、あらゆるものを釘に見立ててしまうものだ。」(アブラハム・マズロー/心理学者)

自分を基準に物事や対人関係を考え、何度失敗したことか。さて、久しぶりにこの本を開き、次の名言に初めて感銘を受けた。多分、AIの進化を実感したからだろう。


「本当に危険なのは、コンピュータが人間と同じように考え始めることではなく、人間がコンピュータと同じように考え始めることである。(シドニー・J・ハリス/ジャーナリスト)


そして、以前は「ハハハ・・」で済ませていた名言だが、今回、深く読んだのが次のアメリカに関する名言の数々。


「アメリカがなし得る最善の行為は自国を理解すること。最悪の行為は他国を勝手に理解すること。」(カルロス・フエンテス/作家)


「アメリカでは、昔から外国人の不法入国が頭痛の種だった。ウソだと思ったら、インディアンに聞いてみろ。」(ロバート・オーベン/ギャグ作家)


「二か国語を話せるのはバイリンガル、三か国語を話せるのはトライリンガル、一か国語しか話せないのはアメリカ人。」(英語のジョーク)


こうして話題にされるのは力のある国だから。その力を使うときには十分注意して欲しいと思う。

何ともおぞましいタイトルだが、米国発の世界金融危機(2007年~2010年)を予言したことから「Dr. Doom(破滅博士)」と呼ばれることとなった米国ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ名誉教授の著書。「積み上がる債務」、「通貨暴落と金融の不安定化」、「大スタグフレーション」、「人工知能」、「米中新冷戦」など10項目の脅威を取り上げ、各々に詳細な説明と説得力のある予測をされている。



2022年11月に刊行された単行本に「あとがき」を加え、本年2月に発行された文庫本のようだが、読み進む内に、「2024年以降に米国に誕生する可能性のある共和党政権がイラン核合意再建交渉を拒否したら、最終的に戦争になる可能性は否定できない。イスラエルからすれば、核武装したイランは自国の存続を直接脅かす存在」という文章が出て来た。さすがにドキッとしたが、確かに予知能力を感じさせる博士だ。

 

本のテーマは「経済」だが、最後は「気候変動」について書いておられる。その中で、予測ではなく現在進行形の脅威について触れておられるので、いくつか紹介したい。

 

「地球はいまや年間1.2兆トンの氷を失っており、ペースは一段と加速しそうだ。氷が溶けて海水になれば、多くの陸地が浸食される。」


「世界を見渡すと、最も多くの人口が沿岸部に住んでいるのは中国である。海面上昇が起きたら、1億3000万人の家が水没し、移住を迫られることになる。インドでは5500万人だ。又、バングラデシュでは4100万人がほぼ海抜ゼロメートルの土地に住んでいる。」


「シベリアで溶解した永久凍土を調べたところ、炭疽菌の急増が認められた。凍土に閉じ込められていた天然痘ウィルスの近縁種が活動を始める可能性もある。」

 

経済も大事だが、生命あっての経済だと思う。子や孫に安全で美しい地球を残さねば申し訳ない。