今年も娘たちの家族と一緒に沖縄を訪れた。過去最多の総勢10名となったが、内4名は孫たちだ。普段は忘れがちだが、私もしっかり年齢を重ねている。

 

 
私は1955年の生まれで、平和な日本しか記憶にないが、沖縄で日米両軍が激しく戦い、多くの兵士と民間人が犠牲になったのは、私が生まれる僅か10年前のことだ。それを伝える映像や写真がモノクロであることから、ついつい遠い昔のように感じてしまうが、僅か10年前のことなのだ。
 
 
ところが先日、戦時中に撮影されたモノクロ写真がカラー化されたものを毎日新聞で見付けた。広島に原爆が投下される前後の日常風景の写真をカラー化するプロジェクトを記録した映画、「記憶の解凍」(庭田杏珠監督)の全国公開を伝える記事だったが、この写真を見て、子供たちもお母さんたちも私たちと同じように生きていた人たちだとより実感できたように思う。決して遠い過去の話でも、別の世界で起きた出来事でもないのだ。
 

そんな気持ちで東南植物楽園を訪問し、色鮮やかに咲いた花々を眺めていたら、戦時中は花を眺めたり活けたりする余裕などなかったろうから、平和な時代、平和な日本に生まれて来れて、本当に幸せなんだと思った。それを感謝しなければいけないし、子供や孫たちにも平和な時代、平和な日本を残さねばならないのだと思った。


最終日の朝は、長女の旦那さんの呼び掛けから、みんなでホテル近くの遊歩道や浜辺に散乱しているゴミ拾いをした。小一時間の作業でゴミ袋が二袋、いっぱいになった。平和な時代を過ごせる感謝の気持ちを少しは形にできたかなと思う。


締めは美しく咲いた蓮の花で。泥沼から栄養を得てスッと茎を伸ばし、美しい花を咲かせる蓮は、仏教では悟りや知恵の象徴と言われているようだ。世の中には不正があり、私の中には煩悩があるが、できるだけ美しく生きようと思う。悪友の皆さん、邪魔しないように(笑)


朴 令鈴さんから「チェンバロ・リサイタル」のご案内を頂いた。令鈴さんはピアニストだが、昨年12月には新国立劇場で上演されたオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」のオーケストラでチェンバロを演奏されているし、何年か前にはオペラシティの近江楽堂でもバイオリニストや歌手の方々とのコンサートでチェンバロを弾いておられる。しかし、チェンバロのみの演奏というのは初めてなので、どのようなコンサートになるのだろうかと興味津々で会場へと急いだ。


チェンバロの音色を聴いて不思議に思うのは、300年、400年前の時代にタイムスリップするかのような感覚になることだ。ピアノやバイオリンの演奏を聴いてもそういう感覚にはならないのだが、チェンバロの演奏を聴くと、ひょっとしたら私にも輪廻転生の過去があり、前世でチェンバロを聴いていたのかなという気持ちになる。



チェンバロには何故か、そういう歴史を感じさせる響きがある。そう言えば以前、チェンバロを弾くマリー・アントワネットを描いた絵を見たことがある。時代の波に翻弄され、決して思い通りにはならなかった短い人生だったと思うが、チェンバロの音色を楽しむひとときもあったのかなと思うと、少しは救われた気持ちになる。

そんなことを思いながら、令鈴さんのチェンバロを聴き始めたから、最初のイタリアの作曲家、ジョヴァンニ・ピッキの「チェンバロ用舞曲のタブラチュア集(1619)」から選ばれた2曲の演奏が始まるや否やタイプスリップしてしまい、ロミオとジュリエットが出て来そうな気配まで感じてしまった(笑) 次のイギリスの作曲家、ウィリアム・バードの「ネヴィル夫人の音楽帳(1591)」から2曲の演奏が始まると、今度は大きな屋敷の大広間でチェンバロの演奏を聴いている英国貴族のような気分になった(笑)


チェンバロは伊藤ハープシコード工房さんが制作、提供されたもので、響板には花や鳥が描かれ、見るだけで豊かな気持ちになれた。チェンバロはその後に出てきたピアノに比べると奏者も愛好者も少ないのかなと思うが、是非、残してほしい楽器だ。

日本代表vsフランス代表のゲームを観戦した。初めて訪れた国立競技場だったが、5万人を悠に超える観客が詰め掛けており、凄い熱気を感じた。



頂いた招待チケットはカテゴリー4南スタンドという、前半はフランスのゴールライン裏側にあった席だったから、日本代表の2つのトライを見ることができた。特に、自陣でフランスのキックをキャッチしたSO伊藤選手がカウンターアタックを仕掛け、CTBのライリー選手、WTBの石田選手とつないで奪い取ったトライは見事だった。


ただ、それ以外のアタックにはフランスの早くて厚いディフェンスをどのように突き破ろうとしているのか、日本代表の意図があまり感じられず、逆にフランスにはピンチやチャンスで見せる意思統一と集中力があり、チームとしての仕上がりの差が得点差(15-42)になったのかなと思う。


冷静に観戦するつもりだったが、日本代表のトライには歓声を上げ、フランスのトライにはコニャローと叫んでいた。喜怒哀楽は前頭葉を刺激し、脳の老化防止を防ぐ効用があるそうだから、又、機会があれば行こうと思う。