出口治明さんが今に伝わる名言の数々を紹介されている本だが、出口さんご自身も「名言」を記しておられる。
「国語」で考えるな。「算数」で考えろ。
一つの例として「増税論議」を挙げておられる。2019年度の収支予算だから少し古い数字になるが、構造そのものは今も大きく変わっていないからそのまま紹介する。税収は約62兆円、歳出は約99兆円、不足する37兆円は国債、すなわち借金で穴埋めされることになっている。厳しい財政事情と言わざるを得ない。
これに対し、景気が良くなれば税収は増えると主張するエコノミストがいるが、税収62兆円の内、法人税は約13兆円なので、仮に倍になって13兆円増えたとしても、不足する37兆円を穴埋めするには及ばない。だから、好景気に伴い法人税が増えるというのは国語で考えれば正しいが、算数で考えれば問題の解決にはならないということか。
又、支出99兆円の内、無駄なものを削減しようという対策は国語で考えれば正しい。しかし、削ることの困難な過去の借金返済である「国債費」と地方への補助金である「地方交付税交付金」の合計約39兆円を差し引くと税収の残りは約23兆円になってしまう。これに対し、国民の生活や医療に欠かせない社会保障費だけで約34兆円あるのだから、「算数」で考えれば、増税反対と言うだけでは解決しないということだろう。
国語ではなく算数で考え、物事を正しく理解して対策を考える・・・素晴らしい名言だと思う。






