興味深く読ませて頂いた。ニセコとは、大量の外国人観光客が押し寄せている北海道・ニセコのことで、地元のタクシー運転手さんの言葉を借りると「外国だなっていう印象ですね。日本じゃないと思います」となる。
そんな書き出しから、日本そのものが外国人観光客に占拠され、ニセコのようになるぞという予言書又は警告書かと思ったが、読み進む内にそうではないことが分かった。
すなわち、ニセコは元々スキー愛好者には大人気だった「ジャパウ」と呼ばれる Japan Powder Snow が楽しめる場所で、これをPRするなら外国人富裕層客向けに絞ることを「選択」し、次に街ぐるみで様々なサービスを彼ら向けに「集中」することでリゾート地として大成功を収めたらしい。要は「選択と集中」をすることで、狙いを定めた消費者を引き寄せることが可能になるという趣旨らしい。
スターバックスの例も面白かった。「フラペチーノ」の導入で若い女性客を狙ったところ、これが当たったことからコーヒー好きのオジサンは敬遠するようになったらしいが、若い男性客も増えたことで客層が若返り、ちょっと背伸びしてでも行きたいというカフェになったとのこと。確かに、疲れ切ったようなオジサン客がいないから、私は正直入り辛い(笑)
びっくりドンキーの話も説得力があった。「ハンバーグ」に特化して素材にこだわり、冷凍ではなく生で配送するシステムまで作り、更には箸で食べられる厚さにすることで「ハンバーグ好きの日本人客」への選択と集中を行ったらしい。その結果、競合ファミリーレストランを支持する理由が「値段の安さ」にあるのに対し、びっくりドンキーの支持理由は「美味しいから」で、根強い固定客を獲得したとのこと。
丸亀製麺は「粉から手作り。材料は国産小麦、水、塩のみ」を強調し、それが見える動線を店内に施したことから、そういうコンセプトを重視する顧客を得て復活したとのこと。創業者の「全員がイイネと思うものを目指すと平均化して個性がなくなる」という言葉が紹介されていたが、日本は商品もサービスも、もっと言うと会社も個人も、個性をなくしてしまうとサバイバルできない時代になったのかなと思った。
