ロマン・ポランスキー監督、「おとなのけんか」を観た。


ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、ジョン・C・ライリー、クリストフ・ヴァルツという演技派が出演し、子供の喧嘩に巻き込まれた夫婦二組を演じる。


ボルネオ7番のブログ-おとなのけんか


登場するのは殆んどこの4名のみ。舞台もマンションの一室のまま。以前、「8人の女たち」というフランス映画を観たが、どうやら密室(閉鎖された空間)は登場人物の性格や悩み、生き様を見事にあぶり出すものらしい。


あらすじはこうだ。二人の少年が喧嘩し、片方がもう一方を怪我させてしまう。二組の夫婦はその息子同士の喧嘩を円満に解決させようと集まるのだが、共に過ごす時間が長引くにつれ、4人それぞれの考え方や生き方、人生観の違いが明らかになってくる。


面白いのは、夫婦対夫婦という対立軸だったものが、決着のつかない閉塞感から男性陣対女性陣という予期せぬ対立軸にシフトしたり、やっぱりそれでも解決できなくて、結局、4人ともバラバラのことを言い始めるというところだろう。


大人というものは、突き詰めれば自分が一番大切で、決して異なる考え方や人生観を持った相手を受け容れることがない。そういう頑固で狭量な大人が僅かに残った知性で何とか格好をつけている。それをユーモアたっぷりに描いた映画かなと思う。


ラストシーンは一服の清涼剤になっている。

爽やかに反省したい方は必見かも。

プロ野球界では、先発投手が6、7回を3点以内に抑えれば「仕事をした」と言われるものらしい。しかし、なるほど、落合元監督はそう考えるのか、と大きく頷くことになった一節。


ボルネオ7番のブログ-落合元監督


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スポーツ紙を読むと、3失点で完投しながら打線が2点しか奪えなかった、つまり「2対3」で負けた試合で、その投手がこうコメントしているのを目にするはずだ。

「負けたのは悔しいですが、自分の仕事はできたと思っています。次も頑張ります」

私はその記事にポツリとつぶやく。

「先発投手が黒星を喫したら、仕事をしたことにはならないだろうに」

そもそも、チームスポーツで「仕事をした」と答えるのは、チームが勝ったときだけである。


そうか、落合さんは打線が2点しか取れないのなら、なぜ失点を0点か、せめて1点に抑えないのかと投手に言いたい訳だ。これを読んで、「そら、落合さん、嫌われますよ」と言いたくなった(笑)


ラグビーの試合でも、「負けはしたが負けた気がしないゲーム」というのがあった。これはFWに多い感覚だと思うが、セットプレー、特にスクラムで圧勝し、FW戦を優位に戦っていると負けた気がしない。そういうとき、FWとしては、「お前らは良く頑張った。ご苦労さん」と監督やコーチから言われたいものだと思う。


ところが、ノーサイドの笛がなってロッカールームに引き揚げたところ、監督から、「お前ら、味方が点を取れへんのに、なんで敵にボールを出させたんや。スクラムを押せたのなら敵ボールを全部取ってマイボールにせんかい。ラック、モールも全部ターンオーバーせなアカンやろ」と叱られるようなものだ。これではアタマに来るだろう(笑)


落合さんというのは、なかなかユニークな考え方をされるようだ。

引続き読んでみる。

テリー伊藤さんが書いた「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」を一気に読んだ。不思議なもので、落合元監督への関心が高まったまま本屋に行ったら、いきなりこの本が目に入ってきた。人間は何かに興味を持つと、視力や視野が変わるのかも知れない。


ボルネオ7番のブログ-采配



そのままカフェで読み始めたのだが、落合元監督の言葉は打球に例えると「ライナー」だろう。緩やかな放物線を描くこともなく、地面に当たってイレギュラーにバウンドすることもなく、一直線に胸に突き刺さる。


例えば、孤独に勝つ強さを持つにはどうすれば良いか。

落合元監督はこう答える。


「向上心より野心を抱け」


どんなライバルも蹴落とし、何がなんでもレギュラーポジションを取ってやるという気持になるには向上心では間に合わない、野心が必要だ、と説く。その通りかと思う。向上心という響きには真面目な努力とそれを認める指導者の存在を感じるが、野心は一人で抱き、一人で大きくしたり、尖らせたりするものだろう。


もう一つ。人間の成長に必要な「心技体」の順番に落合元監督は異を唱える。彼が正しいと思う順番はこうなる。


「体技心」


これは直感で正しいと思った。スポーツで最初に求められるものは体力だろう。しかし、体力だけで勝負できるスポーツなど一つもなく、野球なら走攻守それぞれに求められる技術があり、それらが通用して初めて勝負に臨む心の準備が整うのだと思う。何となくだが、心から始まる心技体は日本的、体から始まる体技心は米国的だと思う。


これは面白い読書になりそうだ。