小学生の徒競走は「ヨーイ、ドン」で走り出すが、この映画にも「ヨーイ、ドン」があり、ある場面で私は泣く準備に入り、その後の別の場面で泣き始めた。詳しく話すとネタばれになってしまうが、これはアーサー、マリオンという長年連れ添った夫婦の物語で、原題は "Song for Marion" だから「マリオンのための歌」になる。
そして、アーサーがマリオンのために歌う場面で目から涙が溢れ出た。「ヨーイ、ドン」の「ドン」だ。ビリー・ジョエルの「Lullaby (Goodnight My Angel)」という曲だが、歌詞の内容とか歌の上手い下手の問題ではなく、アーサーには有無を言わさぬ力強さと、人々を包み込む優しさがあった。それが舞台に立っているアーサーから伝わってきたのだ。これこそ、マリオンが愛していたアーサーの色だったのか。そして、Lullaby(子守唄)の優しい歌詞や心に染み入るようなアーサーの声が心を揺さぶり、更に涙が溢れ出る・・・。