第二部では映画音楽作品から「ポル・ウナ・カベサ」(映画「セント・オブ・ウーマン」より)と「サンライズ・サンセット」(映画「屋根の上のヴァイオリン弾き」より)、ギター独奏のために作曲された F. タレガの「アルハンブラの想い出」、ヴィエニアフスキの「モスクワの想い出」、サラサーテの「バスク奇想曲」を演奏された。

 

 
「アルハンブラの想い出」は、どうすればその音をそのタイミングで出せるんですか、と尋ねたくなる不思議な演奏だった。川畠さんの説明によると、元々は5弦あるギターの独奏用に作られた曲で、しかもトレモロ奏法というギターでも難しい曲を4弦しかないバイオリンで弾こうというのだから無理があるし、大変な技巧を要するとのことだったが、それは川畠さんの右手や左手の動きからも明らかで、演奏を聴くというより川畠さんの動きに目を奪われる展開となった。

 

第二部で最も感動したのは「ポル・ウナ・カベサ」だ。川畠さんが演奏を始められた瞬間、「ヴァイオリンが語り始めた!」と思った。映画「セント・オブ・ウーマン」を観ていたこともあるが、アル・パチーノが演じた盲目の軍人が目に浮かび、彼の壮絶な生きざまや正義感、怒りや悲しみ、厳しさや優しさがひしひしと伝わってくる演奏だった。

 
この「ヴァイオリンが語り始めた」という感覚は、アンコールで演奏されたマンシーニ作曲の映画「ひまわり」のテーマでも味わうこととなった。映画「ひまわり」の場面が思い出され、ソフィア・ローレンの寂しさや苛立ち、悲しみや喪失感がひしひしと伝わってきた。見事だった。

23回目を迎えたという「川畠成道グランドファミリーコンサート」のチケットを頂いた。川畠成道さんの演奏を聴くのは約10年振りだが、前回のコンサートで弾かれた「ポル・ウナ・カベサ」(映画「セント・オブ・ウーマン」より)に「胸が締め付けられた」と私はブログに書いている。今回もその曲を演奏されると知り、楽しみが増えた。

 

 

第一部で演奏されたのは、モーツァルトの「ヴァイオリン・ソナタ第27番ト長調」、クライスラーの「シンコペーション」、「愛の悲しみ」、「愛の喜び」、「前奏曲とアレグロ」だったが、事前に川畠さんが自ら記されたという解説を読んでいたので、興味深く聴くことができた。

 

例えば、「愛の悲しみ」は「絶望的な悲しみというよりは、どこかに救いや憧れを含んでいる」と解説されていたが、まさにその通りで、新しい人が必ず現れるから心配するな、という癒しや励ましがあったように思う。上手い解説だった。

 

又、川畠さんは「前奏曲とアレグロ」から受けるイメージを「大木が忽然と林立して風格と威厳をたたえた風景が想像され、その木々の間の斜面を水が躍るように動き回りって流れて行くように映る」と書いておられたが、私は山の頂上に立って悠然と回りの景色を眺め、その後、山道を駆け降りて行くと陽当たりの良い大草原に出た、というイメージを抱いた。人により感じ方が異なるようだが、それで良いのだろう。

 

(続く)

今朝の毎日新聞の第一面は「やりがい搾取さようなら」「会社を『逆面接』現実味」「就活生 待遇で選ぶ時代」という、私にとってはショッキングなタイトルで近未来の就職面接を描いた一分間のショートフィルムを紹介している。上田慎一郎監督の作品だ。



少子高齢化の加速で働き手の奪い合いが激化し、就活生が企業を選ぶ時代になった近未来を描いておられるそうだが、面接官の席にはラフな格好をした就活生が座り、企業からやって来た採用担当者が各々、自社で働くメリットを説明し、その説明も定時退社や有給休暇など待遇に関するものが就活生の心に響く、という内容のようだ。

待遇は働く上で大事な条件だし、私にも譲れない一線があったが、週休二日制としても、一日で最も美味しい時間帯(いろんなことが出来る、誘惑に満ちた時間帯)を仕事に割り当てるのだから、仕事との相性が良くないと実につまらない一日になってしまう。

又、私が生きてきた時代は女性に開かれた社会ではなかったし、AIも出現していなかったけれど、これからは女性や外国人やAIがライバルになる。そんなことを考えると、時間を忘れるほど相性の良い仕事の方が創意工夫も努力も無理なく出来るし、いろんなチャンスにも恵まれるように思う。

あり得ない話だが、月100万円の報酬で月曜から金曜まで、毎朝毎晩、納豆の試食をやれと言われても、私は迷わず断る。納豆好きの方、すみません!(笑)