同級生から「昭和で数えると今日は昭和99年9月9日やで」というメールが来た。ホンマかいな、と一瞬疑ったが、我々は昭和30年生まれで今年69才になるから、確かに昭和99年になる。


(同級生と。前列右端が私。高校3年生)

「俺が最年長やから俺が払う」と言うと「おっ、昭和の男!」と笑われ、「マイカーやないと運転し辛い」と言うと「もう今は平成も終わって令和ですよ」と言われ、「看護婦さん」や「女優」と言おうものなら「それ、昭和の死語です」と叱られる。

我々は奇跡と言われた戦後の経済復興と共に成長し、バブル・エコノミーもその崩壊も体験させてもらった。「Japan as No.1」という本が話題になり、日本人ビジネスマンがエコノミック・アニマルと揶揄された時代も知っている。それがどうしたと言われそうだが、私たちも変化の時代を生きてきたのだから、変化して良いこと、変化しなくて良いことを静かに話せる昭和の男を目指そうと思う。

外資系のホテルが運営している会員制ツーリズムの組織への入会を勧められた。説明を聞くだけでプレゼントがもらえるし、聞き流せば済む話だと考えて説明会に出たのだが、紹介される宿泊施設の写真や具体的な数字を伴う説明に次第に引き込まれ、最後はメモまで取り始めていた。



簡単に説明すると、その外資系ホテルが自ら運営しているコンドミニアムの「一週間オーナー」になると毎年一定のポイントがもらえ、そのポイントの範囲内で同社が自ら運営しているコンドミニアムやホテル、更には提携しているホテルや旅館、コンドミニアムなど世界中に散らばる1万を超える宿泊施設を使えるのだという。


オーナーになると、後は年間管理費だけの負担になるので、高価な部屋のオーナーになればなるほど(投資金額が大きいほど)、割安で宿泊できることが分かったし、更にはオーナーになった物件に希少価値があれば高く売れる可能性があることから、「高価な物件から売れ始めているんですよ」という説明にも納得がいった。


最終的には入会を見合わせたが、説明を聞く内に、日本にも帝国ホテルのような立派なホテルがあるのに、なぜ、こういう仕組みを作れなかったのだろうと気になった。多分、日本の歴史の中では、国境を越えて余暇を楽しめる時代が来るとは想像もできなかっただろうし、逆に、国境を越えてアメリカにやって来たご先祖様を持つアメリカ人には市場を大きく見ることのできる遺伝子があるのだろう。


日本はますます人口が減少し、いろんな市場が縮小していくのだから、遅まきながら、私たちも市場を大きく見ないといけないのかなと思う。

同志社混声合唱団(東京)でご一緒していた今●さん(Bass)は豊かな声量をお持ちで、隣で歌っていると自分まで良い声で歌っているかのような錯覚に陥った。その今●さんが「今度、フィガロの結婚でバルトロ役を演じます」と一枚のチラシをくださった。



「それはスゴイ!」とコンサートに行く約束をしたが、実は「フィガロの結婚」を観たことがないので、バルトロがどのような人物なのか、フィガロ以外にどんな登場人物があるのか、そもそもどんな物語なのかを知らないから、にわか勉強をした上での鑑賞となった。


休憩時間を入れて3時間半という大作で、台詞や歌詞の日本語訳を読むのに忙しい思いもしたが、楽しく愉快なステージで、何度か笑わされた。中でも今●さんは合唱団では全くお見せにならなかったお茶目な演技で観客を湧かせ、良く通る力強い声で語っては歌い、実にかっこ良かった。還暦を超えておられるが、生涯現役で挑戦を続ける心意気を感じさせてもらった。

(バルトロ・イマ●)