例年、その年の干支に因んだことわざを賀状に使わせてもらっている。2002年は「馬の耳に念仏」にすんなり決まったが、今年は迷った挙句「意馬心猿」に決めた。それまで知らなかった言葉だが、煩悩に惑わされ、暴れ馬や騒々しい猿のように落ち着かない様子を表す言葉とのこと。それを目標にするのはおかしいので、「脱・意馬心猿」とし、干支に扮した私が座禅を組む様子を描いた。

賀状
(今年の賀状)

2002年賀状
(2002年の賀状)

十年一昔というが、12年前は娘たちもまだ学生で、親としての責任があるから、自分のことを考える余裕などなかったように思う。だから、どこかに「まるで馬車馬やな」みたいな意識があり、それが賀状に出たのだろう。当時は喫煙を咎められていたが、堂々と居直っている(笑)

しかし、娘たちも無事社会人になり、最近は自分のことを省みる余裕ができた。好きに生きられる余裕とも言い換えられるだろう。面白いもので、自由に感じる一方で緊張感がある。多分、初めて手にする自由への期待、一方で選択に対する責任、そして未知の世界への緊張感が混在しているのだろう。

今年の賀状を作成したときには気付かなかったが、今こうして見返してみると、やはり新年を迎えるに当たり、そのときの意識が出てくるのかなと思う。
友人からジョークが届いた。宗教をネタにしたジョークだから、深いところまでは分からないが、登場するのはカトリックの神父とユダヤ教のラビ(指導者)で、最後に存在感を見せ付けるのはラビだから、ユダヤ人を揶揄するジョークなのかも知れない。

A priest says to his friend, the rabbi, that he has a perfect way of eating for free in restaurants.
"I go in at well past 9 o’clock in the evening, eat several courses slowly, linger over coffee, port and a cigar. Come 2 o'clock, as they are clearing everything away, I just keep sitting there until eventually a waiter comes up and asks me to pay. Then
I say: 'I've already paid your colleague who has left.' Because I am a man of the cloth, they take my word for it, and I leave."

神父が友人のラビに、レストランでタダ飯が食べられる完璧な方法を知っているんだ、と話す。
「夜の9時をとうに過ぎてからレストランに入るんだ。で、いくつかの料理をゆっくり食べ、コーヒーや食後酒や葉巻で時間を稼ぎ、午前2時になって彼らが片付け始めても座ったままでいるんだ。やがてウェイターが来て、お金を払ってくれと言ったら、こう切り返すんだ、「先に帰ったあなたの同僚に払いましたよ」。何といっても私は聖職者だから、彼らは私の言ったことを信じる。そして私は店を出る。」

The rabbi is impressed, and says: "Let's try it together this evening."
So the priest books them into a restaurant and come 2 o’clock they are both still quietly sitting there after a very full meal. Sure enough, a waiter comes over and asks them to pay.
The priest just says: "I've already paid your colleague who has left."
And the rabbi adds: "And we are still waiting for the change!"

ラビは話を聞いて感心し、こう言う、「今夜一緒に試してみたい」。
そこで、神父はレストランを予約し、二人はたらふく食べた後、午前2時になっても席に座ったままでいた。案の定、ウェイターがやって来てお金を払ってくれと言う。
そこで神父が答える、「先に帰ったあなたの同僚に払いましたよ」。
そこに、ラビがこう付け足す、「で、私たちはお釣りを待っているんだけど」

(参りました!)
恐竜が絶滅したのは6600万年前、巨大隕石がユカタン半島を直撃したことが原因だと言われている。火山灰や塵が地球を厚く覆って光を遮り、長い冬が続く間に植物が枯れ果て、草食恐竜が倒れ、そして肉食恐竜も姿を消したらしい。地球の覇者だった恐竜も、環境の変化には勝てなかったということか。

最近は隕石の心配こそないが、世の中の変化が激し過ぎるのか、ついこの間までヒットしていた商品や隆盛を誇っていた企業が、気付くと市場から消えたり力を落としたりしている。隕石なら目にも見え、耳にも聞こえるが、最近の変化は見えないところで育まれ、予期せぬ場所から出てくるような感じがする。

こういう時代は「何もしないことが一番危ない」のかなと思う。新しく始めることが成功するかどうかは分からないが、そういうチャレンジをしている人にしか変化を肌で感じることはできないように思うのだ。頭で考えたこと、遠くから眺めながら思い付いたこと、過去の経験から導き出したこと・・そういうことが全部外れる世の中なんだと思う。

ただ、新しいことを始めるには勇気がいる。そこで、デスクの上にこんなものを置いている。

変化

「何かを始める時に 必ず必要なものは 金でも時間でもなく 情熱だ」
友達の詩人、ロックさんの言葉だが、全くその通りだ。逆に、始めたくない時に必ず出てくるのが言い訳だろう。かのウォルト・ディズニーさんもこうおっしゃっている。
「物事を始めるには、話をやめて行動を開始することだ」