クリミア半島が騒がしい。

日本からは遠く離れているし、あまり縁のない場所だと思っていたのだが、その南端に「ヤルタ」があると知った。ヤルタは第2次世界大戦後の秩序を取り決めるべく、米・英・ソ連の首脳が集まり、いわゆる「ヤルタ協定」を結んだ場所だ。この協定の中で、千島列島のソ連への引き渡しが取り決められたというから、クリミア半島は、実は日本にとって縁というか因縁の深い場所だったのだ。ただ、当時の日本人にとっては、ヤルタはあまりに遠く、まさかその後の日本に大きく影響するヤルタ協定が結ばれていることなど知る由もなかったに違いない。

ヤルタ会談
(ヤルタ会談)

さて、今回のロシアのウクライナへの軍事介入だが、どうしても地理的に遠い分、生々しく現地の状況を想像することができない。しかし、安部首相がプーチン大統領との信頼関係を最優先する外交方針で臨んでおられたことは記憶に新しいし、そのプーチン大統領が欧米からも中国からも非難され、孤立しつつあることは紛れもない事実のように思える。安部首相にとっては頭の痛い日々が続きそうだ。

まさかとは思うが、50年後の日本で、ブログにこういうことを書く人が出てこないことを祈る。

「当時の日本人にとっては、クリミア半島はあまりに遠く、まさかその後の日本に大きく影響する軍事介入になりつつあることなど知る由もなかったに違いない」((((((ノ゚⊿゚)ノ
言い方は悪いが、足腰が弱り、頭も呆け始め、肉体労働も頭脳労働も不得手になってしまったが(貿易収支の赤字)、稼いだお金(貿易黒字)で買っておいたアパート(国債や株式)からの家賃収入(配当や金利)があるという「大家さん」みたいな国だろうか。

そういう意味では、「日本を取り戻す」というよりは「新しい日本を考える」方が現実的のようにも思うし、今後も少子高齢化が進むのであれば、「大家さん国家」という呼び方や概念こそ相応しいのではないかと私は勝手に思っていた。又、この概念なら、円高の方が海外に資産を求めたり、必要なものを輸入する場合にはメリットがあるし、無条件に円安の方が良いとも言い切れなくなってくる。

そこに飛び込んできたのが「老楽国家論」という浜先生の本のタイトルだったので、大いに期待して読み始めた訳だ。そして最初に戻るが、出だしは相性が良かったと思う。ところが、日本の指針を模索すべく、イギリスやフランス、スイス、ルクセンブルク、ベルギー、そしてデンマークという歴史的にも文化的にも、そして地理学的にもややこしいヨーロッパの中で逞しく生き抜いている国々が出てくる辺りから私には少々分かり辛くなってしまった。

多分、私には少子高齢化が進む所得収支が黒字の国としては日本が先頭を走っているという気持ちがあり、だからこそ「日本にはこれだけの資産が海外にあり、年間、これだけの家賃(配当、金利などの所得)が入ってくる。よって、このようなライフスタイルを推奨すれば、少子高齢化が進む環境でも心配無用!」みたいな具体的提言や主張が欲しかったのだと思う。う~ん、この際、自分で調べてみようかな(^O^)/
浜 矩子先生は同志社大学大学院の教授だ。校友会の会合で何度かお話を伺う機会があったが、物怖じせずに自分の意見や考え方をハッキリおっしゃる方で非常に潔い印象を与える。最近はアベノミクスに対する手厳しい批判が目立つが、私もアベノミクスには多少の疑問があり、「老楽(おいらく)国家論」というタイトルに惹かれ、購入した。

浜矩子先生

出だしは相性が良かった。22ページから23ページの記述。

「高度成長期の日本経済は勢いに満ちていた。(中略)今の日本に、あの頃の勢いは無い。だが、あの頃、山頂だと思っていたレベルをはるかに上回る高みにおいて、蓄えの豊富さを満喫している。(中略)かつては『低ストック・高フロー』の経済だった日本経済が、いまや『高ストック・低フロー』の経済になっている」。

そして、浜先生は安部首相の「日本を取り戻す」というスローガンへの危惧を表明されているのだが、この点に関しては浜先生の主張が正しいように思う。私が子供の頃は、日本は加工貿易で成り立つ貿易立国だと教えられた。すなわち、日本は鉄鉱石や綿花という原材料を輸入し、それらを元に製造した鉄鋼、機械、自動車、衣料等を輸出して幅広い産業に活気と仕事を与え、経済の復興と成長を実現していたように思う。

しかし、そうして稼いだ貿易黒字が米国を始めとする貿易相手国からは叩かれ、国内においてはバブル経済を引き起こす。そのバブル経済も崩壊することで日本は長い低迷の時代に入っていくのだが、貧しい国に逆戻りしたのかというとそうではなく、全く新しい局面を迎えたというのが正しい見方なのだと思う。例えば所得収支の黒字だ。いつの間にか、日本は貿易赤字を埋めてなお余りある所得収支の黒字を得られるようになっていた。

(続く)