「艱難汝を玉にす」の艱難を意味する ”adversity” を調べていたら、もう一つ、この単語を使ったことわざが出てきた。

"Adversity comes with instruction in its hand"

インストラクションには指図や指示、取扱説明書という意味があるから、「困難はその手に対処法を携えてやって来る」、平たく言えば「何とかなるから心配するな」ということらしい。根拠もないのに何を無責任な、とも思うが、妙に安心感を与えることわざのようにも思う。

ただ、「何とかなるから心配するな」という同じ言葉でも、言う人によって安心感がずい分違ってくるようにも思う。例えば、今にも倒れそうな青白い顔をしたお医者さんから「あなたの病を治すから心配するな」と言われても患者としては安心できないだろう(笑)

そう考えると、いいオトナになったのなら「あの人がいれば何とかなるから大丈夫」と思われるような人にならなくてはいけないのかなと思う。間違っても、「あの人はその手に問題を携えてやって来る」などと言われてはならない。はい、これ、自分に言い聞かせてます(笑)

桜
(代々木公園の桜)
先日の日曜日、用事があって新宿伊勢丹まで出掛けた。どこが不景気なのかと思えてくるほど混んでいて、正直、びっくりした。しかも、店内を行き交うのはお洒落でお金持ちそうな人たちばかりだ。さすが東京!さすが伊勢丹! 最初は商品よりそういう人たちの方に目を奪われた(笑)

以前は区分けされた各々の売り場を専門業者に割り当て、その専門業者が商品と人を揃えてショップの運営を行うという図式だったように思うが、伊勢丹はその運営方法を刷新し、フロアやブロック毎に商品構成の方針やコンセプトを決め、ターゲットにしたい顧客層を明確に打ち出したように思う。だから、多少高額でもお洒落で高品質、しかも未だ日本には馴染みの薄いブランドや商品が大好きという人にとっては、ただそこにいるだけでワクワクする空間になっていたように思う。

その後、別の百貨店にも足を伸ばしたが、日曜日にも拘らず、お客さんが見るからに少ないというフロアがあった。これは、多分、他の百貨店に顧客を奪われているというよりは、洋服だったらZARAやGAP、家庭用品だったらフランフラン、家具だったらIKEA、というような大型専門店との競合が激しくなっているのが理由だろう。同業者以外にも強力なライバルが現れたのだから、百貨店が戸惑ったのも無理はない。

子供の頃は、百貨店に連れて行ってもらえるのが楽しみだった。日常の生活より少し贅沢なライフスタイル、そして、ちょっと手の届かない憧れの商品を展示していたのが百貨店で、一歩足を踏み入れただけでワクワクしたのを思い出す。その後、私たちは豊かになり、一通りモノを揃えてしまったから、今やちょっとやそっとのことではワクワクしなくなってしまった。百貨店はどうすれば良いのだろう・・・と百貨店勤務でもないのに考え込んでしまった。

私に答を出せる訳がないが、新宿伊勢丹の人だかりを見る限り、誰をお客さんにするのかという明確なターゲットがないと、結局、誰もお客さんになってくれない厳しい時代なのかなと思う。であれば、この際、分かりやすいターゲットの絞り込みはどうか。1階は75歳以上のフロアとし、ファッション、お化粧、健康、旅行、バリアフリー、介護、相続・・・というテーマで商品と専門家を揃える。2階は体重100kg以上のフロアとし、どんなオケージョンでも快適に過ごせるための商品やノウハウを提供する。売る側も商品やサービスを絞り込め、案外、効率が良いかも(^O^)/

代々木公園の桜
(代々木公園の桜が咲いていた)

お取引先に行く道すがら、今にもはち切れそうな花のつぼみを見付けた。時期からして桜なのだろうが、昨年春に咲いたあとは容赦のない直射日光に照り付けられ、その後、冬を迎えてからは冷たい寒風に吹きさらされて来た訳だ。それを思うと、文句ひとつ言わず着々と花の準備をしてきた桜は本当に偉いと思う。

桜のつぼみ

そんな、今にもはち切れそうなつぼみを見ていたら、亡くなった父が「艱難汝を玉にす」ということわざを教えてくれたのを思い出した。困難が人を立派にするという意味だったと思うが、意外なことに、これは英語のことわざを邦訳したものだと分かった。では、元々の英語では何といっているかだが・・・

"Adversity makes a man wise, not rich."

だとする資料が出てきた。"not rich" だから「金持ちにはしない」と言っていることになるのだろうか。「玉にするなら、ついでにお金持ちにもしてくれ」と私など言いたくなるところだが、そんなことは望まず、ただひたすら困難に立ち向かい、それを克服しようとする人だから「玉」になれるのだろう。

父上、遅まきながら「艱難汝を玉にす」の意味が分かったような気がします。ちょっと手遅れかも知れませんが、頑張ります('-^*)/