結婚しない若者が増えているそうだ。

前にも書いたように思うが、その最大の理由は、女性に経済力ができたからだと思っている。私が結婚した30年前は、女性に開かれた社会とは言えなかったし、女性が一人で生きて行くには希望よりも不安の方が大きい時代だったように思う。だから、多少乱暴な言い方だが、安定した暮らしを望むなら結婚せざるを得ないと思った女性が多かったのではないか。

しかし、今は全く状況が異なる。娘たちを見ていても、ちゃんと活躍の場が与えられているし、私の職場でも女性が重要な役割を担っている。へたな男より余程腹が据わっていて頼りになると思うことがしょっちゅうあるし、今後ますます女性の存在が大きくなり、その地位や意識も上がっていくように思う。そういう女性を口説くのは大変だと思う。

ところで、最近、女性を口説く能力と、ビジネスで取引先を口説く能力には相通ずるものがあるように感じる。私も仕事の上で時に取引先から口説かれることがあるのだが、警戒心を解いて心を開くかどうかは相手の情熱や誠意次第のように思う。アイディアそのものよりも、一緒に仕事をしたいと思わせるかどうかが大事で、これは男女の間でも同じように思うのだ。

因みに、口説くの語源はくどくど言うの「くどくど」や、その形容詞である「くどい」らしい。昔から口説くにはくどいくらい繰り返す情熱と誠意が必要だということだろう。この点に関しては、私にも多少の能力が備わっていたのだと思う。何と言っても、妻によれば、私の第一印象は「目付きの悪い怖い人」だったらしいから(笑)

花
昨日の朝、駅まで歩く途中でたくさんのつぼみに水滴を付けて風に揺れる可憐な花を見付けた。

アガパンサス

家に帰って花の名前を調べたら「アガパンサス」とのこと。ユリ科の花で、原産は南アフリカ。ギリシャ語で愛を意味する agape と花を意味する anthos が名前の由来につき、愛や恋にまつわる花言葉が多いとか。いくつかそういう花言葉が紹介されていたが、個人的には「恋の予感」がピッタリかと思った。

「恋の予感」と言えば、安全地帯が歌ったヒット曲でもあるが、その中に次のような歌詞が出てくる。
「なぜ なぜ あなたは 好きだと 言えないの」
この歌詞を、今朝「花子とアン」を見ていて思い出した。朝市がついに花子に愛を告白できずに終わってしまったからだ。

その場面を見たという勤務先の同僚から、「なぜ朝市はひとこと好きだと言えなかったんですか?」と尋ねられた。以前なら、朝市という男の優しさや謙虚さを答にしたかも知れないが、
今日はハッキリこう答えてしまった、「本気で好きではなかったからや」。

言葉も行動も、それが自分自身や相手の人生に大きく関わると分かっているときは、本気かどうかが問われるものだと思う。
フリードリヒ・ザイツはドイツ・ロマン派の作曲家でバイオリニストでもあったとのこと。そういう名前も存在も知らなかったが、このザイツが作曲したバイオリン協奏曲第5番第3楽章を先月から一所懸命練習している。私には難しい曲だが、バイオリンの初心者に幅広く使用されている練習曲なんだそうだ。では、これを作曲したしたザイツとは一体どういう人だったのか。

ウィキペディアによると、ザイツ(1848~1918)は6月12日の生まれだから、もし生きていれば、今日、166才の誕生日を迎えたことになる。それを知って「全く違う時代を生きた過去の人」だと思っていたら、かの大女優、マレーネ・ディートリッヒ(1901~1992)が若い頃にバイオリニストを目指し、このザイツに師事していたと書かれているではないか。マレーネ・ディートリッヒは父が好きだった女優で、テレビで放映されていた映画「ニュールンベルグ裁判」を父と一緒に観た記憶がある。それを思い出した途端、過去の人だったザイツのことを少しだけ身近に感じた。

ザイツ

ついでに、マレーネ・ディートリッヒのことを調べていたら、映画「ニュールンベルグ裁判」でウィリアム・シャトナーと共演していることが分かった。シャトナーはテレビ放映されていた頃の「スタートレック」でカーク船長を演じていた人だ。最近はテレビドラマ「ボストン・リーガル」でデニー・クレイン弁護士を軽妙に演じている。それを知ると、「カーク船長が共演したマレーネ・ディートリッヒのバイオリンの先生だったザイツ」というつながりで一気にザイツのことを生き生きと想像することができるようになった。不思議な感覚だが、ザイツと私の間に二人の人間が入っただけで100年という時空を超えたとでも言おうか。

ザイツはマレーネ・ディートリッヒが後に大女優になることを想像しただろうか。マレーネ・ディートリッヒも私と同じようにこの曲を練習したのだろうか。そして、私と同じところでミスを繰り返したのだろうか。そんなことを考えていたら、ザイツとは旧知の仲のような気もしてきたのだが、練習を始めると、やはり同じところでミスをした。想像は時空を超えられるが、技術はそういう訳にはいかないらしい。現実は厳しい(笑)