名前は知っていても、どんな人生だったかは良く知らない。そういう歴史上の人物が私には何人もいるが、マリー・アントワネットもその一人だ。「フランス王ルイ16世のお妃で、フランス革命の最中に処刑された」・・・そんな一行にも満たない説明しかできない遠い存在だった。

 

しかし、マリー・アントワネット展をゆっくり観て回り、彼女や彼女の子供たちの肖像画、彼女が手にしたであろう食器や化粧道具、そして、処刑の日に彼女が履いていたとされる靴まで見て、その距離が縮まったように思う。生きた時代は違っても、彼女も私たちと同じ人間で、喜んだり悲しんだり、怒ったり嘆いたりしながら思い通りにならない人生を精一杯生きたのだと思う。

 

 

チェンバロを弾く嫁入り前のマリー・アントワネット。音楽が好きで、生まれ育ったウィーンではオペラ観賞もしていたとか。お転婆な一面もあり、ルイ16世と結婚してからは窮屈な宮廷での生活に反発し、乗馬で出掛けることも多かったとか。

 

 

最初の子供、マリー=テレーズ・シャルロット(左)とその3年後に誕生したルイ・ジョセフ王太子(右)。マリー=テレーズ・シャルロットはフランス革命を生き抜き、アングレーム公爵夫人となるが、ルイ・ジョセフ王太子は8才のときに病死してしまう。

 

幼い子供たちの肖像画を観ていると、マリー・アントワネットも一人の母で、ルイ・ジョセフ王太子を亡くしたときには深い悲しみに沈み、又、処刑台に向かうときには残して行くマリー=テレーズ・シャルロットたちのことを思い、さぞかし苦しくやるせない思いをしたことと思う。

 

 

宮殿で暮らし、最後は監獄で過ごした彼女だが、考えてみれば、どんなに華やかだったにしても宮殿で暮らす彼女に自由はなく、幽閉されていたようなものかなと思う。金銀財宝には無縁でも私たちにはどこにでも行ける自由がある。それを最後に思い出し、展示会を後にした。

トランプ次期米大統領がトヨタ自動車にメキシコ工場計画の撤回を要求したらしい。これをどう思うかと聞かれた日産自動車のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)の答えがクールで良かったように思う。

 

「私は『国境を閉ざす』とは聞いていない。」

 

「次期米大統領が言っているのは米国第一ということだ。我々にとってそれは問題ない。」

 

「(米国内での生産を増やすのかと聞かれ)次期政権で何が決まるかにかかっている。現状では北米自由貿易協定(NAFTA)3カ国(米、加、メキシコ)の枠組みが存在している。」

 

なるほど、国境を閉ざされたら成す術がないが、人、お金、モノ、情報の往来は可能なのだから慌てるな。それに、米大統領が米国第一と宣言するのは致し方ない。それより、その方針に沿えることを考えろ。又、いくら力のある米大統領でも、NAFTAのような国家間の協定を直ぐに、思い通りに改定することは無理なんだから、先ずは成り行きを見守ろう、という趣旨だろう。

 

不安は先走るし、増幅もする。そんな中、慌てず、現実をきちんと見て皆を呼び戻すことのできる人がリーダーとして相応しいのだろう。2015年に日産自動車がメキシコで生産した自動車台数は82万3000台で、同国で生産する日米独韓メーカーの中ではトップだとか。それを知る記者からの質問だったやも知れぬが、この堂々たる回答ぶりには記者も感心したのでは。

男子会を開催した。娘たちのお婿さんと作った会で、別名「お肉を食べに行く会」(笑) 娘たちは野菜・魚派なので、ときどき肉をガツンと食べたいという共通の願望からできた会だ。三女のお婿さんはパリにいるので、昨年に続き、長女の旦那さん、次女の旦那さん、私の三人で銀座梅林まで出掛けた。

 

 

昨年はヒレカツ定食、ロースカツ定食を頂いたが、隣の席から漂ってきた「カツ丼」の甘い香りと卵でとじられた豚カツの柔らかな色合いが忘れられず、今年は三人ともカツ丼を注文し、美味しく頂いた。ソースや辛子と頂く豚カツも美味しいが、卵でとじられた豚カツは衣に出汁がしみ込み、奥深い味わいがある。大満足。

 

締めくくりは帝国ホテルのラウンジでケーキとコーヒーのデザートセット。私はモンブランを頂いたが、後味スッキリの甘さで「お代わり!」と言いそうになった(笑) 男三人でケーキを食べている姿はどう見えるのかな、と今回も一瞬考えたが、男三人が酔いに任せて管を巻くよりはずっと良いだろう。それよりも、周りにお見合い中と思われるカップルが多くて驚いた。「女性が強くなったから、男性としては口説きにくいよね」と言ってお婿さんたちの賛同を得たが、「うちの妻も強いです。どんな育て方をされたのか、親の顔を見てみたいですよね」と言われなくて良かった。思っていても、相手が私だと言えないか(;^_^A