バイオリンを習い始め、13年目を迎えた。お月謝袋の右下にある「No.13」は「13年目」を表しているそうだから、丸12年、習い続けてきたことになる。



12年もあると、生まれたばかりの赤ん坊は立って歩けるようになるし、文字や言葉を覚えて本を読んだり感想文を書いたりもできるようになる。子供は12年の間にものすごい進化(成長)を遂げるわけだ。

それと比較すると、私の57才から69才までの12年間は、出来たことが出来なくなるか、又は、出来るにしても時間が掛かるようになるという退化(老化)が多かったように思う。

そんな中、バイオリンだけは、12年前の習い始めより今の方が上手くなっているだろうから、これは老化に対する意義のある抵抗だったと言えるだろう。今以上に上手くなるのは難しいとしても、もう少し続けようと思う。

丸紅勤務時代に大変お世話になったお取引先のインド人が亡くなられた。当時の私は商社マンとしては駆け出しで、知識も経験もない上に英語もろくに話せない若造だったが、出張でお邪魔すると朝から晩まで私に付き添い、いろんなことを教えてくださった。



いつしか「インドの父」と呼ぶようになったが、今も印象に残っている言葉がある。「カースト制度」について質問したときの答えだ。「あれは職業制度でもある。両親の仕事を子供が引き継ぐことで、プロフェッショナリズムが脈々と継承される一面もある。生まれながらにして職業や人生が決まるのは不公平だと思うだろうが、それを受け容れることで、平穏な人生を過ごせる人もいる。実際、思うような職業に就けなくて落胆、憤慨し、自殺するのは大学を出た青年だ」。



又、大通りに座り込んでいる貧しい人たちを指して、「君は彼らを気の毒に思うかも知れないが、彼らは仮に政変があっても生きていけるが、私は全てを失う可能性がある。だから毎日、何ができるかを考え、働いているんだ」。


インドと日本ではあまりにも環境が異なるし、当時はストンと落ちるほどの理解ができなかったが、その後、私にも守るべきものが少しはできて、インドの父が悩んでいたことが少しは分かるようになった。今頃、天国で「遅い!」と笑っているかな。

合掌。

私の記事に「いいね!」をくださる親切な方はほぼ決まっているが、先日、恐らくは初めて「いいね!」をくださった方がいた。珍しいこともあるものだと、その方のブログを訪ねたら、「稼げる人の常識、稼げない人の常識」という本を出しておられることが分かったので、早速、購入して読ませて頂いた。



国内でホテル12軒、雑貨制作販売の会社など8社を経営し、バリ島では不動産事業、ヴィラ開発を行い、更には不動産や株式、太陽光発電にも投資している・・との紹介に、成功を絵に描いたような方かと思っていたら、一度は共同経営者に裏切られて会社を追われ、一度はご友人の保証人になったばかりに数億円の借金まで背負い・・という大変なご苦労を2度までされていたことが分かった。

 

そんな方が「稼げる人」と「稼げない人」の分かれ道を45の状況ごとに説明されていたので、スーッと無理なく頭に入って来る言葉がいくつもあった。「運は"運が良さそうなやつ"にしか寄ってこない」、「世の中で形のあるもので一番大事なものはお金」、「稼ぐ人は交遊関係が狭くとも、人間関係の貯金になるようなものを持っている」、「上手くいかない時に相手のせいにしていては成功しない」、等々。


しかし、最も印象に残ったのは「今置かれている状況を"ゼロ"として考えることにしている」という著者の姿勢だ。私はもうすぐ長く勤務した会社を離れるが、一年間は同じ仕事をしてはいけないことになっている。未だ働きたいと思っている私ではあるが、これまで培ってきた知識やノウハウ、人脈は使えないということだ。その状況を「ゼロ」として受け入れ、リセットできるかどうか。それを考えさせられた。