著者は河合 薫さんという健康社会学者で、「人の働き方は環境がつくる」をテーマに学術研究、講演、執筆活動を行っておられる。その一環で、600人ものビジネスマンにインタビューされ、「上司と部下の最終決戦」、「デキる男は尻がイイ」等の著書があるようだ。

 

この本を手にとって直ぐに購入したのは、裏表紙の紹介に「駅やコンビニで暴言を吐く、上だけを見て仕事する、反論してこない人にだけ高圧的、相手の肩書き・学歴で態度が別人ーーこんな人(ジジイ)、気になりませんか?」とあったからだ。気にならないどころか、私も年齢からすれば立派なジジイだ。心配になって当然だろう。

 

 

読み始めて直ぐに「老害」のテストがあった。河合さんによれば、老害は40代から始まるらしい。皆さん、次の10項目に「◯」か「✖️」でお答え下さい。

 

①自分の若い頃と比べ、つい若い世代の仕事のやり方に口出ししてしまう。

②つい自分の体験談や自慢話をしてしまう。

③以前の人間関係を引きずり、昔の部下や後輩に命令口調で話してしまう。

④経験が豊富にあるので、若手にはできないことが自分にはできると思う。

⑤デジタル技術にうとく、エクセルやパワーポイントの資料作成を人に頼んでしまう。

⑥電話を取るのは若手の仕事だと思っている。電話に出ても相手の言葉にいらいらして横柄に話してしまう。

⑦定年後も働く理由について「家にいると妻や家族が嫌がるから」「健康のため」など周囲の士気が下がることを言ってしまう。

⑧冗談のつもりでも「給与が半分になったから、仕事も半分しかしない」など、やる気を疑われる発言をする。

⑨人の話を聞かなくなった、とよく言われる。

⑩「この仕事は自分に合わない」と与えられる仕事のより好みをする。

 

さて、「◯」はいくつありましたか。

6つ以上なら「立派な老害」、3つ以上なら「老害候補」とのこと。

 

私は⑤が「◯」だし、②の自慢話はしていないと思うが体験談は話すから、私も老害候補の入会説明書は渡されているようなものだ。気を付けようと思う。

以前、住まいの件でお世話になったM本さんと晩ご飯をご一緒した。3月にお目に掛かり、あまりにも聞き上手な方だと思ったので、「Listening Entertainer」、「Entertaining Listener」と勝手に名付けさせて頂いた方だ。 聞き上手 

 

昨夜もM本さんの笑顔につられ、すっかり良い気持ちになってべらべらと喋らせて頂いたのだが、M本さんから聞かされた「時間によって神楽坂通りの一方通行が逆転する」お話や、「3か月の愛娘を残し、神風特攻隊で戦死された植村大尉の遺書」のお話は大変興味深く、引き込まれるものだった。聞き上手は話し上手というが、M本さんとご一緒して本当にそうだと思った。

 

さて、英語で「聞き上手」は何というのかと調べてみたら、「first-class listener」とか「skilled listener」と出てきた。この辺りまでは想定内だったが、「seasoned listerer」と書かれていたのには驚いた。綴りはどう見ても季節の season だし、そもそも season に動詞があったのかなという疑問に突き当たった。そこで早速調べてみたら、「食べ物に風味を加える」、「乾燥させる」、「会話に色を添える」、「フライパンを油になじませる」等の意味を持つ動詞だと出て来るではないか。自分の不勉強を棚に上げ、大発見したような気分になった。

 

その中に、「人に経験を積ませる」、「仕事に習熟させる」という意味もあることも分かり、だから、seasoned になると、十分に経験を積んだ、という意味になるのだと分かった。ちなみに、「ベテラン女優」は「seasoned actress」だし、「seasoned drinker」は「飲み助」だ(笑) 聞き上手な方が話し上手だと後で分かるように、良く知っているつもりの英単語にも知られざる意味があるということか。

昨夜、夢を見た。ランパスと呼ばれるラグビーの練習をしていて、「前はもっと速く走れた気がする」と呟いていた。夢の割りには現実的な判断をしていて、目覚めてから苦笑してしまった。


歳は取りたくないと思う人が多いのか、年寄りを元気付ける素敵な言葉がいくつもある。

「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いがやって来る。」

アメリカの実業家、サミュエル・ウルマンという人の言葉。

「老年は山登りに似ている。登れば登るほど息切れするが、視野は広くなる。」

こちらはスウェーデンの映画監督、イングマール・ベイグマンの言葉。

いずれもその気にさせる説得力があるが、昨夜の夢を思い出すと、 理想に燃えていても老化は来るし、息切れしたら登山を止めたり下山する人が出てきても責められない。だから、私はこうあろうと思う。

「今日は必ず明日より一日若い。今年は来年より必ず一年若い。若いんだから甘えるな。」

ハイッ!!