お取引先主催のシガーパーティに招待された。


葉巻にも、用意されたお酒やおつまみにも大人の雰囲気が漂う。私が子供の頃には、立ち入ることのできない大人の世界があった。最近はその境界線がぼやけているが、子供の為にも、大人の世界をきちんと作り、守るべきだと思う。

さて、私にとっては初めてのシガーパーティで、少なからず興奮したが、煙草と違い、葉巻はじっくり時間を掛けて味わうものらしく、吹かしている内に肩の力が抜け、心に余裕が生まれ、口調までゆっくりになった。映画でマフィアの親分が葉巻をくゆらせたりしているが、そういう余裕を醸し出せるのが葉巻なのだろう。

そんなことを考えていたら、正にマフィアの親分みたいな人が出てきた。凄みのある迫力、サングラスで隠した深慮遠謀、お聞かせできないのが残念だがドスの効いた声、演歌を歌わせるとプロも舌を巻いて退散する実力派のF川さんだ。


私も真似てみたが、とてもとても太刀打ちできない。「わっぱり私の純情無垢が出ますよね。F川さんと私を足して2で割ると、絶妙のチョイ悪になるのでは?」と言ったら叱られた。怖かった(笑)


勤務先の人事制度が改められ、それに伴う人事考課はどうあるべきか、どのように準備し、取り掛かるべきか、注意すべき点は何か、等々、基本的な仕組みと運用方法、心構えなどを学ぶ研修があった。

講師の先生から次々に課題が与えられ、それを5~6人ずつ振り分けられた複数のチームで討議し、回答案を提示する。最初は仕事が気になって消極的だったメンバーも、他のチームから出てくる異なる意見やハッとさせられる指摘に刺激を受けたのか、最後は真面目に積極的に取り組むようになった。

最後の課題は「この二人の社員を評価して下さい」というもので、それぞれの資格や業務内容、仕事振りにつき説明があった。早速、我がチームでも討議に入ったか、意見がバラバラでまとまらない。やむ無く折衷案で回答したが、面白いことに他のチームでも意見がバラバラでまとまらなかったらしい。

その結果を受け、講師の先生は前に立つとこうおっしゃった。これが忘れられない一言になった。

「皆さんから評価を受けた彼らの気持ちになって下さい。資格が明らかで、求められる能力も仕事振りも同じ情報を皆さんに与えました。しかし、評価する上司により自分の評価が異なることを知ったら、彼らはどう思うでしょう。この人事制度を信じて頑張ろうと思ってくれるでしょうか」・・その通りだ。

必要なのは機械的に評価することではなく、彼らの業務や目的について共有の認識が持てるまで話し込み、同じゴールを目指して進み続けることなんだろう。これまで私は上司に恵まれてきた。今度は私がそうならないと。


慶應義塾大学ワグネル・ソサイェティ男声合唱団のOB有志が、若くて才能のある音楽家たちに演奏の機会を与えようと、ランチタイムを利用したコンサートを毎週催しておられるとか。粋な計らいだ。そのランチタイムコンサートが300回を迎えたとのことで、それを記念するコンサートが渋谷区のさくらホールで開かれた。


記念コンサートにはランチタイムコンサートに出演経験のあるピアニスト、バイオリニスト、チェリスト、テノール歌手と様々な顔ぶれが揃い、まるでコース料理のメインディッシュを少しずつ味見させてもらうような、そんな贅沢なひとときを過ごさせて頂いた。

毎度のことだが、ピアノ演奏には弾き手や曲によって同じピアノなのに音色が変わるのが不思議、テノール歌手にはどこからあんなに力強い声が出てくるのかが不思議、と感心する。しかし、バイオリン演奏になると感心だけは済まなくて、あぁ、ああいう風に弾ければ良いのにという羨望や嫉妬が入る(笑) そして、最後には弾き手が僕でごめんね、と私のバイオリンに申し訳なくなる(笑) そこで、バイオリンへの約束。

プロの腕前にはなれないけれど、せめて、毎日心を込めて弾かせて頂きます。