25回目を迎えたという佐藤しのぶさんの「母の日に贈るコンサート」を聴きに行った。第1部はシューマン作曲の「女の愛と生涯」という8曲からなる歌曲を歌われたが、恋に落ちた一人の女性が愛し愛される喜びに目覚め、やがて身ごもり、しかし、最愛の夫が亡くなるという悲しい結末を迎える物語だった。その落差の表現が見事で、最後は主人公のことを思い、ドキドキしてしまった。


第2部はN響から名誉コンサートマスターの堀正文さん始め6名の奏者が登場され、佐藤しのぶさんとの共演もあれば、バイオリンやクラリネットの演奏もありという、さまざまな音楽を楽しめる贅沢で刺激に富む時間になった。演奏と演奏の間の佐藤しのぶさんのお話もユーモアたっぷりで観客席に笑いが起こり、とても和やかな空気に包まれた。

そんな中、佐藤しのぶさんが歌われた「約束」には、亡くなった母のことが思い出され、涙が出た。死の床にありながら幼い息子の将来を案じて涙を目にためる母親が出てくるが、その歌詞のところで亡くなった母のことを思い出した。最後の入院をしていた母は半ば意識も朦朧としていたのか、私が見舞うとベッドから起き上がろうとし、「お腹が空いてるやろ?何か作るわ」と言ったのだ。それを聞いた私は何とか泣き出すのを我慢し、「お母ちゃん、食べてきた。大丈夫や」と返すのがやっとだった。

母というのは本当に有り難い存在だ。それを佐藤しのぶさんが思い出させてくれた。感謝。
年半振りにネギワンタンの会が開かれた。元々は同じ勤務先で働いていた同僚が集まり、食事やカラオケを楽しんでいた会だが、退職や転職が相次ぎ、集まる回数がめっきり減った。しかし、会えば会ったで直ぐに賑やかな会話が始まり、昨夜も大いに笑わせてもらった。ちなみに、「ネギワンタン」は会場で良く使うお店の名物料理だ。

この会には何度か助けられている。中途採用で入社してきた私がポツンと孤立していると見るや直ぐに声を掛け、仕事上のつながりもないのに歓迎会を開いてくれた。又、母の葬儀を京都で済ませ、数日振りに出社したら、お昼休みに会議室に来いと言う。何事かと思ったら、会議テーブルの上にケーキが準備されており、誕生日を迎えたばかりの私のためにハッピーバースデーを歌ってくれた。

そんな会も結成から二十数年を経て、これまでになかった発言を耳にすることが増えた。今回いちばん印象に残ったのはA子さんの言葉だ。50才を迎えたというA子さんはファッション業界で仕事をしながらも、調理の仕事をずっとしたかったとのこと。一日中、調理場にいても私は大丈夫、というA子さんは「ずっとそう思ってきたのに50になっちゃった。今、始めなければ夢で終わることを実感してるの。」


年を重ねるから気付くことがあり、始められることもあるのだろう。A子さん、がんばれー!
毎月、さまざまな展示会があり、繰り返し来るようになった。展示会に来ると、その業界や市場の活力や将来性を肌で感じることができる。出展者や来場者が多ければ、それだけ多くの人を養っているということだ。これは手っ取り早く得られる確かな情報だろう。


もう一つ、展示会期間中に行われる「講演」を聞くと、その市場や業界で話題になっている商品やサービス、企業を知ることができて便利だ。今週はE-コマースやクラウド、AIに関する講演をいくつか聞いたが、広告事業を始めることになったという楽天のお話が大変興味深かった。

楽天には楽天カード、楽天Edy、楽天ポイントカード、楽天ペイなど消費者の購買に関する情報を獲得できる手段がいくつもあるとのこと。その購買データに基づく広告なら、消費者にとっては邪魔にならず、タイミングが良ければ次の購買に結び付くものになるだろう。

楽天は「消費者の個別化」という表現を使っていたが、これからは個人々々が狙われる時代になる。実際、今、私に起こっている現象を言うと、たまたまインターネットで調べたシュークリームの写真と宣伝がパソコンを開く度に出てくる。騙されまいぞ、と心していたのだが、昨夜、立ち寄ったコンビニでシュークリームを買ってしまった(笑) 感心していないで反省しよう。