十連休の最大の効用は「引退後の生活を疑似体験できた」ことかなと思う。連休中にやりたいことをリストアップし、それを実行に移したから、退屈したり怠慢になることはなかったが、もし、明日からの仕事がないとすると、きっと時間をもて余したに違いない。それを実感できる十連休になった。

三つの合唱団に入れてもらい、バイオリンを教わり、いくつかの勉強会に参加させてもらっているから、自分を忙しい身だと思ってきたが、現役ビジネスマンだからそう感じるだけで、引退したら途端に時間が余り、何より好奇心を満たすネタの不足に悩むように思う。仕事はそれほど刺激に富み、興味深いものなのだ。


さて、どうしたものかと思うが、何か自分のペースで研究できるものを探すのはどうだろう。上皇は永年ハゼを研究されてきたらしいし、天皇は水に関する問題を研究されているとか。そういう興味の対象が見付かれば、自由にできる時間が待ち遠しくなるだろう。真面目に探してみよう。
連休中に必ずやるぞと決めていた窓ガラスと網戸の水洗い、そしてベランダの掃除。二日間に分けて無事完遂した。きれいになったベランダに佇み、自分へのご褒美に葉巻を取り出した。


昨年11月のバイオリン発表会を終えたら吸おうと思っていたが、思ったようには上手く弾けなかったので「お預け」にした葉巻だ。しかし、昨日と今日の大掃除は思った通りの出来だから、晴れて火を付けた次第。


英語の表現に "Close but no cigar" というのがあると知った。直訳すると「近い、しかし、葉巻は無しだ」となるが、「惜しい、もうちょっとだ」という意味なんだそうだ。アメリカのカーニバルの力比べで賞品に葉巻が出たことに由来するとか。なるほど、バイオリン発表会の後は吸い辛かった訳だ。

さて、次に葉巻を吸うのはいつで、どんな時だろう。
土曜日の朝はバイオリンのレッスンに出掛ける。レッスン終了後、先生から「7年目を迎えましたね」と笑顔で言われ、新しいお月謝袋を手渡された。初めて先生のところに伺ったのがゴールデンウィーク中の一日だったことは覚えていたが、それが6年前とは・・・。


最初のレッスンでは、先生から「一緒に弾いてみましょう」と言われ、ドキドキしながら何か簡単な曲を弾いたのを覚えている。43年振りのバイオリンで、上手く弾ける訳などなかったが、あれが壁を越えた瞬間だったのだと今でも思う。もし、先生から長々と説明を受けていたら、私はどこかで尻込みしたかも知れない。

想像と現実の間には壁があり、それを越えるのが怖かったり億劫だったりするが、壁のこちら側も向こう側も現実の世界だし、興味があるなら越えてみる、で良いように思う。そういう壁には必ず非常口があり、そこを開ければ戻って来れるし。お料理教室、ヨガ教室、スカイダイビング・・等ではその非常口を使わせて頂きました(笑)