明石順平さんという弁護士が書かれた本で、アベノミクスに批判的な内容になっている。公表されている資料を元に分析されており、いくつか「ホンマかいな?」と気になる指摘が出てくるが、信憑性があるせいか、未来への不安を払拭できぬまま読み終えた。


その中でも最も気になったのは、リフレ派の経済学者でノーベル賞も受賞しているクルーグマン教授が2015年10月20日に自分のブログに書いていたという、日本の異次元の金融緩和に関する見方だ。

... the problem confronting monetary policy is harder than it seemed, because demand weakness looks like an essentially permanent condition.
(日本の)金融政策が直面している問題は見た目よりも困難だ。なぜなら、需要の弱さは本質的に永続的な状況のように見えるからだ。

要するに、異次元の金融緩和も需要が弱い状況では機能しないという見方だろう。確かに、需要を上回る供給があれば、売上は容易に伸びないし値上げもままならない。そう考えると、クルーグマン教授が永続的と見る人口の減少や、消費者も既に最低限必要なものは持っているという日本の豊かさが経済成長のブレーキになっているように思う。

問題は、そういう状況が日本だけではなく、欧米を含む先進国で広く見られることだろう。円もドルもユーロも経済成長を上回る規模で刷り続けられているのだとすると、いつか精算を求められるときが来るだろうし、それが子や孫の世代なら申し訳なく思う。
高校時代に運動部仲間で始めた忘年会がある。身体は頑強だが、頭の中は空っぽという謙遜から「ピーマン会」と命名され、それが50年近く続いている。

(去年のピーマン会)

そのピーマン会の仲間から昨日メールが入った。メンバーの一人が奥さんを亡くしたというのだ。みんな還暦を超えているし、ご両親が亡くなったなら、まだ順番だからという慰めがあるが、共に生きてきた奥さんが60そこそこで亡くなったと聞くと、どう受け止めれば良いのか分からない。しばし呆然としてしまった。

今朝になり、ともかくお通夜に行こうと決め、新幹線で京都まで行ってきた。奥さんを亡くした親友に「大丈夫か?」と声を掛け、棺の中で眠る奥さんに手を合わせたが、どう気持ちを整理して良いのか分からない。読経が始まり、焼香を済ませ、お坊様が「定命」という生まれるときに約束してきた各々の寿命について話されたのを聞いてもスッキリしない。

そんなまま、東京に戻る新幹線に飛び乗ったが、いずれ私にもそういう時が来るのだと気付いたら、急に気持ちが楽になった。正に遅かれ早かれ私にも定命の時が来る。これは特別なことではなく、みんなにやって来るものなのだ。だから大事なことは、生きているという実感を思う存分味わっておけということだろう。

結果から言うと「69対0の圧勝」となるが、実際にはそれ程の実力差はなく、いろんな局面で同志社が僅かな差で関学を抑えて活路を開いたり、逆に関学の判断ミスに救われたりという展開で、最後は自信を得た同志社が元気を無くした関学を相手に伸び伸びとプレーし、持てる力と技術を出し切ったゲームになったように思う。

 

 

ただ、このゲームには今思い出しても胸が熱くなるシーンがあり、それがこれからの同志社ラグビーへの大きな期待につながるように思う。まず、ゲーム開始早々、ひときわ小柄な同志社のフランカーが強烈なタックルを見舞ったシーンだ。私は思わず「ヨシッ!」と叫んだし、あのタックルが味方を鼓舞し、同志社をチャレンジャーにしたように思う。

 

2つ目は前半22分、関学大のキックを受けた同志社のカウンターアタックで、ボールを得たフッカーの選手が密集の中を真っ直ぐ突き抜けたシーンだ。周りにいた選手がそれに反応して厚みのあるフォローになったし、ディフェンス側の関学は明らかに後手に回った。こういうトライを見ると、真っ直ぐ走れる選手が多いチームは強いと言えるように思う。

 

3つ目は後半5分、同志社ボールのスクラムを10m以上押し込んだシーンだ。これは1人、2人のスタープレーヤーが居てできるものではなく、FW8人の気持ちが一つにならないとできないプレーだ。そうなるまでにどれ程の練習を重ねたのだろうと思い、涙が出てきた。

 

最後は後半25分、抜ければ関学のトライチャンスに結び付くと思われた関学選手の突進を同志社のウィングがバシッと音がするような凄まじいタックルで仕留めたシーンだ。タックルされた選手は何が起こったのか分からなかったのではないか。それ位、関学のチャンスを一瞬にして潰し、反撃の気力をも削ぐダメ押しのタックルになったように思う。

 

このゲームの前には、Bチーム同士の対戦があり、こちらも同志社が52対5で圧勝しているが、やはりキックオフ直後に同志社フランカーが鋭い出足で相手キックをチャージしたり、同志社CTBが前に出るタックルで味方を勢い付かせり、ゲーム開始早々に同志社を果敢に戦うチャレンジャーにしている。そういうAチームやBチームの戦い振りを見ると、「スタープレーヤーはいないが、チャレンジャーがたくさんいるチーム」と言えるのかも知れない。「横綱相撲を取る」と皮肉られる同志社とは一味違う。今後のゲームに注目しようと思う。