田村麻子さんが海外デビュー20周年を記念するリサイタルを催された。国立音大の声楽科、東京芸大大学院で学ばれた後、米国マネス音楽院に進まれ首席で卒業、世界的なコンクールで上位入選を果たし、欧米各地の歌劇場では主役を張り、米国メジャーリーグの試合では外国人として初めて国歌斉唱までされている。


そんなご経歴から、順風満帆の人生を送って来られたものと思っていたが、実際にはさまざまなご苦労があったらしい。それが分かったのは、第一部で田村さんの人生に大きな意味や転機を与えることになった7曲の歌を披露され、それぞれの歌に込められた思いや、その後の人生に及ぼした影響などを話されたからだ。

例えば、ブダペストで開かれていたコンクールの本選前夜に、大好きだったお祖父さまが亡くなられたという連絡を受け、お祖父さまが好きだったという「浜辺の歌」を歌い、一人、お祖父さまのことを偲ばれる。そして、翌日の本選に臨まれるが、実に不思議なことが起こり、カッチーニの「アヴェマリア」を自分の理想通りに歌っている歌手がいると聞き惚れていたら、何とそれは自分の歌声だったのだとか。ステージでは時にそういう不思議なことが起こるらしい。

コンクールでは聴衆のスタンディングオベーションを受け、又、審査員からは高い評価を獲得されるが、アジア人であるが故に全く仕事が来ないという辛い思いをされている。しかし、それをきっかけに、西洋音楽から日本やアジア音楽にも目を向けるようになり、結果として新しい境地を切り開いておられるから立派だ。

どの歌も素晴らしかったが、「浜辺の歌」、「アヴェマリア」、そして黄自作曲「メイグイサンユアン(バラの三つの願い)」に胸の締め付けられる思いがした。

(続く)
2週間前の誕生日に「おめでとう」というお祝いのメッセージをfacebookを通じ、多くの方から頂いた。これまでお会いしたことのない方からも  頂いているから、改めてIT技術の進歩が世界をどんどん狭く便利にしていることを実感した。


一方では、今年も手書きのお手紙やカードをいくつか頂いた。香織ちゃんからのお便りもその中の一つで、見慣れた香織ちゃんの文字と心温まるメッセージに今年もしっかり癒して頂いた。

先日、受けたセミナーで「高齢者ほど、同じ情報であってもデジタル画面より紙媒体から得た時の方が強い刺激を受け、脳の温度が熱くなる」という話を聞いた。例えば、Eコマースの買い物カゴに洋服を入れたままにしている女性に、その洋服を着たモデルの写真を葉書にして送ったら直ぐに注文に至るということが実際にあるらしい。

それが何となく分かる私も高齢者なのだろうが、私のデスクには官製葉書がいつも何枚かしまわれており、メールで事足りるお礼でも、できるだけ葉書に手書きのメッセージを入れ、郵送するようにしている。その方が感謝の気持ちが伝わるに違いないという自己満足だが、相手の方には「万一、私が有名人になったら、その葉書、高く売れますから」と言ってある(笑)

時事ドットコムのニュースから。

 

「2020年公開予定の英人気スパイ映画『007』シリーズ最新作で、黒人女優のラシャーナ・リンチさんがコードネーム『007』のスパイを演じることが明らかになった。英メディアが15日までに一斉に報じた。主人公ジェームズ・ボンドはこれまで通り男性俳優ダニエル・クレイグさんが演じるが、最新作ではボンドがスパイを退任し、『007』が黒人女性に引き継がれる設定になるという。」


(この方がラシャーナ・リンチさん)

 これには驚いた。これまで「007」といえばジェームズ・ボンドで、物語上の性格や人柄が変わることはあっても、演じてきたのは一貫して白人男性だったから、「007」が女性に引き継がれ、それを黒人が演じるとなるとさまざまな意見や反応がありそうだ。


思い切った路線変更だが、私は久し振りに映画館に足を運んでみようと思ったし、そういう関心を喚起するという意味では既に成功を収め始めているように思う。ただ、私が言うまでもなく、このシリーズが続くかどうかは25作目となる次回作が面白いかどうかにかかっている。


最近、つくづく思うのは、消費者の選択肢が増えたということだ。限られた時間とお金を何に、どのように使うか、まるで考える暇を奪おうとするかのようにさまざまな情報が押し寄せる。その結果、満足しなかったモノやサービスには簡単にイエローカードが出されるようになったと思う。ホンモノしか残れない厳しい時代だ。


お取引先とこの話をしていたら、「ダニエル・クレイグの後はこれという俳優がいないかなと思ってました」とのこと。すかさず「私が出演を断りましたからね」とでも言えば良かったのだが、柄にもなく遠慮してしまった。以上、Borneo 007(笑)