その夜は厚かましくもH谷さんのお宅に泊めて頂き、翌朝はH谷さんがチャチャッと作られたハム、チーズ、卵のトーストサンドを頂いた。隠し味がマスタードというお洒落な一品で、感激のあまり写真を取り忘れた。すみません!

しばし休憩の後、H谷さんの運転で支笏湖へと案内頂いた。樽前山という火山の噴火で出来たカルデラ湖で、周りを囲む樽前山も恵庭岳も今も噴煙を出している。その影響で、支笏湖は極寒の地にありながら不凍湖とのこと。恐るべし、自然の力。


湖面が静かで、空や山々を鏡のように映し出し、実に幻想的な眺めだった。


正面中央の台形に見える山が樽前山で、台形の真ん中から煙が出ている。写真にはないが、支笏湖を囲む恵庭岳はアイヌ語で頭の尖った山を意味するエ・エン・イワという言葉から名付けられたらしい。又、風不死岳という名前は同じくアイヌ語のフプ・ウシという、トド松の多い山なる言葉から来ているのだとか。やはり、この地もアイヌの人たちが生活を営んでいたのだ。


次にH谷さんが案内下さったのは大倉山ジャンプ競技場だ。札幌オリンピックの会場となった場所で、テレビでは何度か見ているが、目の前にその姿を見ると、あまりにも急な坂であることに驚いた。


更にリフトを利用してスタートラインまで上がったのだが、そこから見える光景は断崖絶壁に近く、思わず口から出た言葉は「俺、高梨沙羅さんを心から尊敬する」だった。1億円もらっても私はやりません。

(続く)
中標津空港から新千歳空港に飛び、同志社と丸紅ラグビー部で後輩だったK原君と合流、一緒に札幌へと向かった。札幌には私たち二人が仕事でお世話になったMS社のH谷さんが居られる。3人とも東京勤務だった頃は定期的に食事する仲だったが、K原君は京都に、H谷さんは札幌に帰省され、これが2年半振りの再会となった。

さて、H谷さんが「美味しい」とおっしゃったものはいつも安くて美味しかったので、札幌でもどこで何を食べるかはH谷さんにお任せすることにした。これが正解で、次々に美味しいものと出会えた。


H谷さん推薦の居酒屋に入り、先ずは乾杯。その後、料理を注文したが、オジサン3人だと不足しがちな野菜を食べようと、サラダをお願いしたら、「了解、では、ラーメンサラダね」と聞き慣れない名前が出てきた。そして待つこと10分、出てきたラーメンサラダは胡麻マヨネーズのドレッシングに歯応えのある麺が良く合っていて、大変美味しかった。感謝。


次に歓声が湧いたのは貝の三種盛り。アワビ、つぶ貝、ほっき貝はどれも新鮮でコリコリした食感だが、噛めば噛むほど甘味があり、正に海の幸を頂いているという気分になった。感謝。


圧巻は「ほっけ」で、箸先を入れると身から脂がにじみ出てくるほど脂が乗っており、3人で身をつつき、ほじくり出し、ほっけを文字通り骨と皮だけにした。美味しかった。感謝。

(続く)
そんな思いを抱いたまま根室に一泊し、翌朝は雨ではあったが傘をさし、いつも通り朝のウォーキングに出掛けた。途中、道案内のボードがあったので、何気なくそれを覗いて驚いた。ロシア語の表示があったからだ。


更に行くと、道路標識にもロシア語が使われていた。その理由を訊ねたら、ロシア漁船がウニ漁のあと根室港に立ち寄り、そのついでに買い物をして帰るとのこと。タクシーの運転手さんに聞いたら、「人懐っこくて明るい人が多いですよ。良いお客さんです」とのこと。


そんな話を聞くと、領土問題は棚上げとし、50年後に議論を再開する前提で先ずは往来を増やし、文化交流や共生を図るという試行錯誤はどうか。白黒はっきりつけようとすれば戦争になるし、それで被害を受けるのは家族を守ろうとする双方の善人だ。白黒ではなく、濃淡のあるグレーで治めるのが大人の道では。