根室訪問は北方四島を見るためかと訊ねられたが、実は違う。根室駅前にあるジャズ喫茶「サテンドール」の新しいマスターとママさんを訪ねるのが目的だった。

新しいマスターとママさん(根室市のHPから)

サテンドールは谷内田(やちだ)一哉さんが1978年に開店されたジャズ喫茶で、長らく日本最東端のジャズ喫茶としてジャズ文化の発信に努めてこられたとのこと。しかし、高齢を理由に引退を決意されたことから、同店の存続を望む根室市が後継者の発掘に乗り出したらしい。

後継者の募集には20名を超える応募があったとのことだが、その中から選ばれたのが写真の棚網 宏さん、享子さんご夫妻で、マスターの隣でニコニコ微笑んで居られる享子夫人と私は、実は丸紅時代一緒に働いていた同僚なのだ。そんなことから近況を訊ねるべく、根室まで足を伸ばした次第。

ご夫妻に連れて行って頂いた居酒屋で、応募に至った経緯や根室での新しい生活などいろんなお話を伺ったが、これまでの経験や人脈が生きるとは思えない転身なだけに、お二人の勇気と情熱に頭の下がる思いがした。翌日はお店に伺ったが、明るく接客されているご夫妻には、郷に入れば郷に従えという柔軟性、そして、住めば都という楽観性をお持ちなのだろうと思った。見習います!
H谷さん推奨の美味しいものシリーズ。


先ずは、吉山商店の「焙煎胡麻味噌ラーメン」。お昼に何が食べたいかと問われ、「ラーメン」と答えたら、「急ぎましょう。行列ができる前に」とH谷さん。しかし、お店に到着したら既に15人待ち、待つこと30分で席に案内されたが、待つだけのことはあった。コクのあるスープは元になる野菜やお肉やいろんなものからエキスが出て、うまい具合に混ざり合い、調和しているのだろう。カロリー取り過ぎになると分かりながらもスープをほとんど飲み干した。美味しかった。


その後、H谷さんが案内してくれたのは白い恋人パーク。銘菓、白い恋人を製造販売している石屋製菓が運営するアミューズメントパークで、薔薇を中心とする花々が咲き誇り、隣には同社がスポンサーになっているコンサドーレ札幌の練習グランドがあった。好天とH谷さんの「旨いっすよ」につられ、ソフトクリームを頂く。H谷さんのお奨め通りめちゃめちゃ美味しかった。


北海道3日目の夜は定山渓温泉に泊まり、4日目の最終日は小樽を訪れた。


小樽には歴史を感じさせる建物やガラス専門店、オルゴールのお店などが軒を並べるが、私がフラフラと引き込まれるのはいつもお菓子屋さんばかり(笑) ついには北菓楼というお店でコーヒー、ソフトクリーム、シュークリームのセットを頂くことになった。これで515円とはありがたい。


そして、いよいよ北海道最後の食事を取ることになった。小樽の運河沿いに建てられた倉庫を利用し、「炙り」を売りにしたお店があったのでそこに入る。迷った末、私はサーモンの炙り丼を注文した。脂の乗ったサーモンが炙られ、これにワサビ醤油が良く合って大変美味しかった。

(続く)
その夜は厚かましくもH谷さんのお宅に泊めて頂き、翌朝はH谷さんがチャチャッと作られたハム、チーズ、卵のトーストサンドを頂いた。隠し味がマスタードというお洒落な一品で、感激のあまり写真を取り忘れた。すみません!

しばし休憩の後、H谷さんの運転で支笏湖へと案内頂いた。樽前山という火山の噴火で出来たカルデラ湖で、周りを囲む樽前山も恵庭岳も今も噴煙を出している。その影響で、支笏湖は極寒の地にありながら不凍湖とのこと。恐るべし、自然の力。


湖面が静かで、空や山々を鏡のように映し出し、実に幻想的な眺めだった。


正面中央の台形に見える山が樽前山で、台形の真ん中から煙が出ている。写真にはないが、支笏湖を囲む恵庭岳はアイヌ語で頭の尖った山を意味するエ・エン・イワという言葉から名付けられたらしい。又、風不死岳という名前は同じくアイヌ語のフプ・ウシという、トド松の多い山なる言葉から来ているのだとか。やはり、この地もアイヌの人たちが生活を営んでいたのだ。


次にH谷さんが案内下さったのは大倉山ジャンプ競技場だ。札幌オリンピックの会場となった場所で、テレビでは何度か見ているが、目の前にその姿を見ると、あまりにも急な坂であることに驚いた。


更にリフトを利用してスタートラインまで上がったのだが、そこから見える光景は断崖絶壁に近く、思わず口から出た言葉は「俺、高梨沙羅さんを心から尊敬する」だった。1億円もらっても私はやりません。

(続く)