第二部はプッチーニ作曲のオペラ「蝶々夫人」の第2幕と第3幕から、いくつかの場面がオペラ形式で演じられた。 多分、田村さんは何度も蝶々夫人を演じておられるのだろう、他の登場人物が領事のシャープレスと女中のスズキだけというダイジェスト版なのに、圧巻の歌唱力と表現力で感動的なステージにされた。
恥ずかしながら、私は「蝶々夫人」を一度も鑑賞したことがなく、物語も良く知らなかったので、ピンカートンが長崎に戻ってきたと知って大喜びし、その後、真実を知って深い悲しみに沈む蝶々夫人に心から同情した。特に、幼い息子を思って歌う「可愛い坊や」は聴いていてやるせなくなるほど悲しい思いが詰まっていたように思う。
話は少し戻るが、第2幕に蝶々夫人とスズキが二重唱するシーンがあり、柔らかくて温かなスズキの歌声に驚いた。私の隣に居られた整形外科医のT先生に「あの方も上手いですね」と話したら、T先生も「大柄ではないのに素晴らしい歌唱力です」と感心されていた。それを田村麻子さんのお母さまに話したら、「当たり前やん、あの方(永井和子さん)は麻子の先生や」と教えて頂いた。なるほど、温かな響きは教え子を思われてのことだったのかも。
さて、最後は武士の娘らしく、潔い最期を自ら選択してしまう蝶々夫人だが、今の時代にこのオペラが作られたなら、逃げるピンカートンに対し、私は一人でも立派に息子を育ててみせるわよ、という筋書きになったかも。そうお取引先に話したら、「ボルさん、ちょっと逞しい女性を多く見すぎかも・・」と言われた。はい、職場でも家庭でも混声合唱団でも・・間違いありません(笑)