4年ぶりに人間ドックを受けた。埼京線板橋駅近くの病院だったので、帰りにふと思い立ち、池袋で降りてサンシャイン水族館へと向かった。


ヒトは大きさでいうなら身長150cm~200cm、体重50kg~100kgにだいたい収まり、肌の色も黒白黄色でほぼ片付くように思うが、魚の大きさ、形、色がこんなにも多様性に富んでいるとは想像できなかった。


陸の上では我が物顔の人間も、水の中ではダイビングスーツやマスク、酸素ボンベの助けを借りても、水を得た魚の中のようにはなれない。


何とまあ、美しい輝き。人間はいろんなものを作り出してきたけれど、生命だけは作り出せない。謙虚にならないと。


トカゲもいた。恐竜の面影を残しているし、地球上では私たち人間より大先輩だ。私たちは新参者なんだから、地球の環境を乱してはいけないと思う。


屋外に出たところで、ボク、ここから出たいんだけど、と目で訴えているかのようなペンギンとしばらく見つめ合った。


魚もトカゲもペンギンも、水族館の中にいれば安全で、食べるものには困らない。安全や食料との交換で自由と野性を失ったか。かく言う私は自由な身だが、彼らが私を見たとき、合格点をくれるほど私は自由を謳歌しているだろうか。最後にそれが気になった。
少し前のことになるが、同志社混声合唱団でご一緒しているソプラノのHさんから「ラ・ボエームのムゼッタをやるから観に来て」と言われた。知ったかぶりをして「いいっすね~、行きます」と答えたが、ストーリーも音楽も全く知らない。だから、当日は勉強のつもりで会場へと急いだ。


パンフレットには原語上演(字幕付)とあったので、先ずはあらすじを読むことにした。なるほど、詩人ロドルフォとお針子ミミの恋の物語で、画家でロドルフォの友人がマルチェッロ、その恋人がムゼッタか。それから、ボエームにはボヘミアン(放浪者)という意味もあり、これが転じてロドルフォやマルチェッロなど貧しくも自由に暮らす芸術家を指すようになったか・・。

大体のあらすじと登場人物が理解できたところで幕が開き、ロドルフォを始めとする4名の若い芸術家が登場、第1幕でロドルフォがミミと恋に落ちる。そして第2幕でいよいよHさん演ずるムゼッタが登場し、見事な歌を披露された。Hさんは私と同年代だと思うが、おきれいで身のこなしが若い。どう見ても25才だ。それに衝撃を受けて、私のラ・ボエーム初鑑賞は終わった。

その数日後、同志社混声合唱団の練習があり、Hさんに「身のこなしも歌もお上手。25才に見えましたよ」た伝えたら、「○○さん(鑑賞された合唱団仲間の一人)は18才だと言ってくださったわよ」と返され、次に何も言えなくなってしまった。「あそこまで来ると、歌唱力とか演技力といより、詐欺ですよね」と言いたかったんだけど(笑) Hさん、お疲れさまでした!
同志社大学ラグビー部の部員から新型コロナウイルスの感染者が出て、13日(日)から開幕となる大学選手権への出場を辞退することとなった。


その連絡をもらい、最初に頭に思い浮かんだのは、中尾主将の顔だ。この間の関西大学リーグ戦の順位決定戦で天理に負けた後、泣いていたと聞いたし、13日の帝京戦には自分もチームも持てる力を出し切る決意で臨もうとしていたに違いない。今頃、泣いているのかな、と想像する内に私までもらい泣きしてしまった。

4年生には気の毒な決定だが、社会に出ると、個人の努力を超える試練が待ち受けているし、ここは思う存分、落ち込んでもらい、その後、力強く立ち直って欲しいと思う。