さとう みつろう「笑えるスピリチュアル」KADOKAWA 2015 | 日々是本日

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bookudakoji の本ブログ

 今週末は久しぶりに、面白かった本の紹介である。

 

笑えるスピリチュアル

 

 さとうみつろう「笑えるスピリチュアル」は、みつろうさんがインターネットにアップしている記事の中から笑えて、気づけて、深く納得できる逸話をピックアップした本である。

 

 今更で申し訳ないのだが後で確認したら、さとうみつろうさんは Ameba の公式ブロガーで、この「インターネットにアップしている記事」とは下記のサイトにアップされた記事であった。

 

  さとうみつろうオフィシャルブログ「笑えるスピリチュアル」Powered by Ameba

 

本編の前の【この本の使い方】にはこう書いてある。

 18話のショートショートです。

 各話の最後に、その章で得た「気づき」が書いてあります。

 また、本書の最後に添付してあるイラストは、このブログのファンであるイラストレーターえもりあけみさんによる作品です。

 左脳でストーリーを読んだ後に、想像力を膨らませてイラストを見つめてみましょう。右脳でも理解できるようになります。

 イラストは絵はがきとしても利用できますので、本から切り取って部屋に飾ったり、

 または、あなたが好きな人に送るのもOKです。

 はがきを送るときは、その章の気づきを基にして、あなたなりのアドバイスを送る相手に伝えてみましょう。

 ショートショートなのですぐ読めて、終わりには気づきのまとめがあるのでポイントがわかり易い。

 

 巻末には使い方に書いてある通り、なかなか面白いイラストの絵葉書が18枚付いている。

 

 内容的には、気づきの観点の目新しさという点でのインパクトはあまりなかった。

 

 例えば、表紙の帯には「ひょっとして1パーセントの不幸を見つける天才になってない?」とある。

 

 自分のまわりには良い部分も悪い部分もあってそれをどう見るかは自分次第なので、実際には、1パーセントの不幸ばかり見ていることもある。

 

 この手の話は「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」では、1000枚の内の2枚の不揃いなレンガとして、第1話に書かれている。

 

 

 それではこの本の何が良かったかというと、とにかく「ポジティブで明るい」というところが群を抜いて良かった。

 

 気分が落ち込んだ時に気を付けたいのは、楽観的な見方を思い出せなくなっていること、更にポジティブなものを求めなくなってしまっていることに気づけないことである。

 

 つまり、気分が落ち込んだ時にそこから「ポジティブで明るい本」を探して買い求めようというのは敷居が高いし時間もかかるのである。

 

 だから、一度よんだ後は本棚のさりげなく見え隠れするあたりに備えて置きたい。

 

 そんな風に思う本であった。

 

 

---以下、ネタばれありの感想---

 

 

 この、とにかく「ポジティブで明るい」という点について、第4話「チオビタ・メソッド」を例に紹介する。

 

 それはチオビタドリンクの菅野美穂さんと平山浩行さんによるシリーズCM「プール篇」を観ていた時のことだった。

 

 みつろうさんはこのCMの内容を説明した後、プールサイドではしゃぐ2人が見つめ合ったところで、彼女がいきなり「チオ」と言う唐突感を指摘する。

 

これまでのストーリーなんか、全く無視しきった、あのセリフ。チオ。」p51

 

 これが物凄く唐突だと指摘する。

 

 みつろうさんは、なぜあそこで「チオ」なのかを考え続ける。

 

 そして、気づいてしまった。

 

「[チオ] それは、これまでの現実のストーリーを、完全に無視して、急に、一瞬で幸せになっちゃって良いんだぜと、あなたに教えてくれる、魔法の呪文。」p54

 

 つまり、

 

 あの菅野美穂さんが出演するCMですらこんな唐突な展開で良いというのに、

 

 一瞬一瞬が新しい現実である人生において、

 

 これまでの過去に縛られずに次の瞬間に幸せになったとして、

 

 どうして悪いことがあろうか!

 

 という訳である。

 

 そして、

 

今、不幸かもしれないけど、次の瞬間も不幸である必要はない。」p59

 

 というまとめで終わる。

 

 出来事を明るく語り、唐突感から気づきに至るポジティブさがここにある!

 

 

▼第4話の本文詳細は出典の下記記事を参照

 

 

▼チオビタドリンクのシリーズCM「プール篇」