選んで読んでよかった恩田陸チョコレートコスモス
チョコレートコスモス
恩田陸
雑誌やウェブ日記で翻訳家の大森望が「傑作」と書いているので読んでみました。
結果、今まで読んだ恩田陸の中で一番面白いことが判明。
ひさしぶりに物語の余韻に浸って「もっともっと読んでいたい」と思った作品です。
大森望がいっているように、この作品は「ガラスの仮面」へのオマージュです。
特定の組織に属さず自分で資金を集め、気に入った作品を気に入ったスタッフで作り、質の高い作品を作り上げる伝説のプロデューサー。
演劇作家から始まり最近はTVの脚本家としての活動も多くなった中堅脚本家。
芸能一家に生まれ、自らの才能と人の才能も判断できる人気若手女優。
そして、演劇、というものを何も知らずに人まねを繰り返すことで演技力だけは突出した実力を持つ、大学生。
そして演劇関係者に噂が流れはじめる。
あの伝説のプロデューサーが奇妙なオーディションをやっているらしい、と。
しかもその脚本は、女優の二人芝居とだけ決まっているらしい。
そして、様々なところで活動していたアクの強い演劇人が、奇妙オーディションに次々と巻き込まれていくのです。
くー、実は「ガラスの仮面」は一度も読んだことはないのですが(まだ続いていることだけ知っています)、そんなこととは関係無しに引き込まれてしまいました。
演劇をやっている人の異常なテンションとややこしい性格が、小説として噛み砕かれてちょっと熱いくらいで楽しむことができます。
トリックやゴシックよりも、キャラとストーリーで読ませるあたりが私のストライクゾーンです。
この本を読んでも恩田陸を読みつづける気になりました。
必見です。
恩田陸
- 恩田 陸
- チョコレートコスモス
雑誌やウェブ日記で翻訳家の大森望が「傑作」と書いているので読んでみました。
結果、今まで読んだ恩田陸の中で一番面白いことが判明。
ひさしぶりに物語の余韻に浸って「もっともっと読んでいたい」と思った作品です。
大森望がいっているように、この作品は「ガラスの仮面」へのオマージュです。
特定の組織に属さず自分で資金を集め、気に入った作品を気に入ったスタッフで作り、質の高い作品を作り上げる伝説のプロデューサー。
演劇作家から始まり最近はTVの脚本家としての活動も多くなった中堅脚本家。
芸能一家に生まれ、自らの才能と人の才能も判断できる人気若手女優。
そして、演劇、というものを何も知らずに人まねを繰り返すことで演技力だけは突出した実力を持つ、大学生。
そして演劇関係者に噂が流れはじめる。
あの伝説のプロデューサーが奇妙なオーディションをやっているらしい、と。
しかもその脚本は、女優の二人芝居とだけ決まっているらしい。
そして、様々なところで活動していたアクの強い演劇人が、奇妙オーディションに次々と巻き込まれていくのです。
くー、実は「ガラスの仮面」は一度も読んだことはないのですが(まだ続いていることだけ知っています)、そんなこととは関係無しに引き込まれてしまいました。
演劇をやっている人の異常なテンションとややこしい性格が、小説として噛み砕かれてちょっと熱いくらいで楽しむことができます。
トリックやゴシックよりも、キャラとストーリーで読ませるあたりが私のストライクゾーンです。
この本を読んでも恩田陸を読みつづける気になりました。
必見です。
こんな夜更けに
- 渡辺 一史
- こんな夜更けにバナナかよ
非常に興味深い本でした。講談社ノンフィクション賞受賞作。
雑誌の雑文しか書いたことのない、ボランティア関わったこともないライターが編集者に勧められてのがきっかけ。
「進行性筋ジストロフィー」という病を患う鹿野靖明氏と彼を支えるボランティアの話です。
鹿野氏は、筋肉の働きがだんだん弱っていく「筋ジストロフィー」にかかっている患者としては日本ではじめて自宅療養を始めました 。
症状としては必ず誰かに看護されなければならない完全介護の状態で、その看護をボランティアでカバーしているのです。
で、ボランティアとの感動の話かといえばそうではありません。
多くのボランティアの現場がそうなのでしょうが、色々な問題が混在しています。
たとえば痰の吸引。
数時間おきの痰の吸引の必要があるのですが、鹿野氏はこれをボランティアにお願いしています。
たとえば鹿野氏のわがまま。
これは、鹿野氏の「障害者でも自由に気ままに生きる権利は当然ある」という信念に基づくものでもあり、また鹿野氏の個性でもあるのですが、現場にいるボランティア、またそれをみているライターにとっても複雑なものでした。
タイトルとなっている印象的な場面を引用したいと思います。
ある日の深夜、病室の簡易ベッドで眠っていた国吉は、鹿野の振る鈴の音で起こされた。
「なに?」と聞くと、「腹が減ったからバナナ食う」と鹿野がいう。
「こんな夜中にバナナかよ」と国吉は内心ひどく腹を立てた。
しかし、口には出さない。バナナの皮をむき、無言で鹿野の口に押し込んだ。
二人の間には、言い知れぬ緊張感が漂っていた。
もういいだろう。寝かせてくれ。
そんな態度を全身にみなぎらせて、ベッドにもぐりこもうとする国吉に向って、鹿野がいった。
「国ちゃん、もう一本」
なにぃー!という驚きとともに、そこで鹿野に対する怒りは急速に冷えていったという。
身の回りのことから生死に関わることまで、それをすべてボランティアで支えていくというのは、本人にとっても、ボランティアにとっても精神的、肉体的に厳しいものです。
さらに日本人には「他人にかける迷惑は最小限にすべき」という常識があります。
しかし鹿野氏の生死にかかわり、わがままさえもボランティアで手伝おうとする人々。
なぜそこまでボランティアをする必要があるのか。
古いタイプのボランティアから新人類的なボランティアまで、それぞれ「やりがい」「なんとなく」「ふつうのこと」「くされ縁」「家族と一緒」と表現し、ボランティアを迷いながら続けます。
しかしそれが一体何か、というのにライターは悩みます。
ボランティアから離れ、鹿野氏が影響を受けた人、トラウマとなった最初の療養所、病気の歴史まで、詳しく調べます。
しかし、やっぱりそれはなにかわかるようでわかりません。
強烈な鹿野氏、鹿野氏を取り巻く色々なボランティア、それを見つめるライター。
この本の特異性として鹿野氏の「自宅療養」「わがまま」のため、ボランティアをする人もされる人もライターも、善意から一歩踏み込んだ形でなんらかの答えを強制されます。
また、その答えとは関係なく鹿野氏の日常は続いています。
個人的にボランティアについては色々思うところがあるのですが、ボランティアに対する1つの答えが見つけられたような作品でした。
読めと言われて読んで腹を立てた話
- アレックス・ロビラ
- Good Luck
「うん十万人が感動」という売り文句から短編小説かと思い違い。
さらに人生教訓本かと思いましたがビジネス教訓ものでした。
要約してしまいますと、「幸運は準備をした人のもとで芽を出す」というものです。
最近はやりのこういった短編小説風教訓ものは、目から鱗、というよりは、たしかにそうだけどさぁ、というものが多いですね(と思う)。
もちろん成功の秘訣は誰でも知っていて、それをどう実践するかが問題、といってしまえばそうなんですが。
まぁ、「チーズはどこへ消えた」よりは読後感はよかったです。
「チーズ」は、社長が社員に「時代が変わったんだから何も考えずにどんどん動いて自分で目標を見つけてがんがん働け」という本で、非常にばかにされた気分になりました。
あの本が売れたのは、会社単位で教本として買っていたからではないでしょうか。
今だ怒り収まらず、つい勢いで書いてしまいました。
- スペンサー ジョンソン, Spencer Johnson, 門田 美鈴
- チーズはどこへ消えた?
恩田陸の読みどころ
麦の海に沈む果実
小説以外
恩田陸
「麦の海に沈む果実」(以下、「麦」)を読んで違和感に戸惑い、さて書評をどう書いたものかと思っていると「小説以外」という本をみつけたので、読んでみることにしました。
この本は、エッセイが苦手(自分のことを書かなければいけないのが理由)な恩田陸が、本にまつわるあとがきやエッセイなら、ということで書いていたものを10年分(94-05)ほど集めたものです。
ここに「麦」のもう1つのあとがきが「私のゴシック・ロマン」として出ています。
「・・・おお、そうか。子供の頃から愛していた念願のゴシック・ロマンを、自分の小説でやればよいではないか!
かくて、私は『麦の海に沈む果実』を書いた。隔絶された寄宿学校。そこに編入してきた美少女。なぞめいた美少年達。怪しい校長。パーティとお茶会。不吉な伝説。そして殺人事件。わはははは、どうだ!こんなところ絶対存在しないけど、これが私のゴシック・ロマンだぞ!」
これを読みながら、思い出したのは、全然ジャンルは違いますが「家畜人ヤプー」を書いた沼正三のコメントです(ちなみに未完読)。
「私はたとえてみればガラスの美しさにほれてガラスで家を作ったのに、それを批評家が「耐震性がない」「住み心地が悪い」といっても私にはなんともいいようがりません」と確かそんな趣旨のことをいっていました(もしくは私がずっとそう勘違いしています)。
つまり私にはゴシック・ロマンを感じる部分がなかったため、「麦」という小説の成り立ちがよく分かっていなかったのですね。
えぇ、そんなトリックでいいのか、とか、殺人事件がおきて警察は、とか考えていたらだめですよね。
大掛かりな舞台装置もちゃんとゴシックとして楽しまないと・・・。
読みどころが分かればわかれば「3月は深き紅の淵を」も機会があれば読めると思います。
しかし「小説以外」も結構面白かったです。
なれないエッセイにエンターテインメント系作家のサービス精神を発揮して、色々なことが分かりました。
はじめは会社員をしながら作品を書いていたようで、会社にも現行の催促の連絡があったりしたそうです。
それから一番の楽しみはやっぱり読書で、しかもできるだけ我を忘れて読める本がいいようです。
作品に通じるものがありますね。
まぁ、なんにせよ、「小説以外」のおかげで恩田陸の読みどころがわかりました。
そうかぁ、ゴチック・ロマンかぁ。
小説以外
恩田陸
- 恩田 陸
- 麦の海に沈む果実
- 恩田 陸
- 小説以外
「麦の海に沈む果実」(以下、「麦」)を読んで違和感に戸惑い、さて書評をどう書いたものかと思っていると「小説以外」という本をみつけたので、読んでみることにしました。
この本は、エッセイが苦手(自分のことを書かなければいけないのが理由)な恩田陸が、本にまつわるあとがきやエッセイなら、ということで書いていたものを10年分(94-05)ほど集めたものです。
ここに「麦」のもう1つのあとがきが「私のゴシック・ロマン」として出ています。
「・・・おお、そうか。子供の頃から愛していた念願のゴシック・ロマンを、自分の小説でやればよいではないか!
かくて、私は『麦の海に沈む果実』を書いた。隔絶された寄宿学校。そこに編入してきた美少女。なぞめいた美少年達。怪しい校長。パーティとお茶会。不吉な伝説。そして殺人事件。わはははは、どうだ!こんなところ絶対存在しないけど、これが私のゴシック・ロマンだぞ!」
これを読みながら、思い出したのは、全然ジャンルは違いますが「家畜人ヤプー」を書いた沼正三のコメントです(ちなみに未完読)。
「私はたとえてみればガラスの美しさにほれてガラスで家を作ったのに、それを批評家が「耐震性がない」「住み心地が悪い」といっても私にはなんともいいようがりません」と確かそんな趣旨のことをいっていました(もしくは私がずっとそう勘違いしています)。
つまり私にはゴシック・ロマンを感じる部分がなかったため、「麦」という小説の成り立ちがよく分かっていなかったのですね。
えぇ、そんなトリックでいいのか、とか、殺人事件がおきて警察は、とか考えていたらだめですよね。
大掛かりな舞台装置もちゃんとゴシックとして楽しまないと・・・。
読みどころが分かればわかれば「3月は深き紅の淵を」も機会があれば読めると思います。
しかし「小説以外」も結構面白かったです。
なれないエッセイにエンターテインメント系作家のサービス精神を発揮して、色々なことが分かりました。
はじめは会社員をしながら作品を書いていたようで、会社にも現行の催促の連絡があったりしたそうです。
それから一番の楽しみはやっぱり読書で、しかもできるだけ我を忘れて読める本がいいようです。
作品に通じるものがありますね。
まぁ、なんにせよ、「小説以外」のおかげで恩田陸の読みどころがわかりました。
そうかぁ、ゴチック・ロマンかぁ。
- 沼 正三
- 家畜人ヤプー〈第1巻〉
若い頃の日記なんて
- 大槻 ケンヂ
- オーケンののほほん日記
大槻ケンヂ
正直なところ、大槻ケンヂのことは、ほとんどしりませんでした。
なかなか面白い発言をする筋肉少女帯のリーダーというくらい。
しかし最近、「グミ・チョコレート・パイン」がなかなかいい、という話を聞いて、では、ということで手身近にあったこの本を読んでみました。
92ー95年、20台代後半の日記で、あとがきには「はずかしい」とかいてありましたが、そりゃ、そうですね。
この日記の読みどころの一つとして、後半、大槻ケンヂが本当に精神病を病んでしまうので、緊張感があります。
しかしミュージシャンという職についていて、よい曲ができない、というのは逃げ場がなくて相当つらそうだなあ、そりゃ病んだりもするな、とつくづく思いました。
ぴあで連載していたので、基本はあくまで明るくサブカルです。
このころは未確認飛行物体周辺に凝っていたみたいですね。
あくまで、「宇宙人をみた」という人は面白い、というスタンスなのでぎりぎりセーフなんですが、でもだんだんと境界が分からなくなってくるのがこの手の話なので、そのボーダーラインの綱渡り感に、10年も前の日記なのに心配してしまいます。
ついつい「後もう一歩そっちに踏み出したら帰って来れなくなっちゃうよ」と声をかけたくなってしまう。
ほかにも芸能活動の周辺の些細なこと(バンド内で遅刻が罰金制とか)を知ることができ、日記らしく日々のこまごましたことを楽しむことができました。
しかしどーもこの日記を書く原動力は「読んだ面白い本を紹介したい(ほとんどが宇宙人関連でしたが)」ということにあり、そこの気持ちはよく分かりました。
他の作品も読んでみようと思います。
ちなみに絵は蛭子さんです。
オーケンの書いている文によくあってます。
大人も遊んでいいですか
- 野田知佑
今日も友だちがやってきた
今日も友だちがやってきた
野田知佑
野田さんが吉野川で川の学校をやっているという話は前から知っていましたが、その学校の「川ガキ養成講座」が、この本ではメインの話です。
野田さんが校長になって、時間があるときでいいので、ということで集まったメンバーが立松和平、C.W.ニコル、夢枕獏、椎名誠、藤門弘、辰野勇、林政明(いずれもノーギャラ)。
この面子で年5回、2泊3日のキャンプをするのです。
学校で何か特別なことをするわけではありません。
ミミズで魚を釣ったり、川に潜って魚を手づかみしたり、夜にテナガエビをとりにいったり、捕った魚を観察したり、自分で料理したりと、思う存分川と遊ぶ訳です。
だれも「~しちゃいけない」とはいいません。
そして後ろには遊びのプロ達が控えているのです。
そりゃ、川遊びが大好きになりますよ。
ちきしょうー、こんな風にあそびてぇー。
そして「川ガキ」となった卒業生がさらに頼もしくなって遊びにきたりして。
いい循環だぁ。
もちろんいつも通りの日々の話もあります。
今は徳島にいて、田舎生活の日常や、預かった拒食症の女の子の話、ユーコン川に落語家を連れていった話、などを読んで考えさせられたり、憧れてみたり。
うーん、やっぱりこの10年ぐらいで個人的には一番読んでいてわくわくして面白いエッセイストですね。
文庫本色々
- 坪内 祐三
- 文庫本を狙え!
現代小説とミステリとホラーを読まないという、特殊な書評家。
まだ読んでいなくて面白そうなのを列記しました。
amazonでないものも結構ありますねぇ。
●「大都会隠居術」荒俣宏
アンソロジーとして優れている。永井荷風、谷崎潤一郎、内田百閒、宇野浩二などの短編を紹介。
- 荒俣 宏
- 大都会隠居術
●「性商伝」いその・えいたろう
「性を科学するAVの巨匠」「歌舞伎町に君臨するホスト王」「元祖ピンクサロンの創始者」などを紹介。
- いその えいたろう
- 性商伝
●「海峡を越えたホームラン」関川夏央
優秀なノンフィクション作家とのこと
●「日日雑記 」武田百合子
時代がかったユーモアがいい。
- 武田 百合子
- 日日雑記
●「カポーティ短編集」トルーマン・カポーティ
現代小説とミステリーを読まない坪内氏が現代小説を読みたくなったときに読むそうです。
●「学校では教えない文章術」篠沢秀夫
クイズダービーで有名な篠沢教授は実は切れ者で、フランス文学関係で良著が多いとのこと
●「のほほん雑記帳(のおと) 」大槻ケンヂ
名文で、素直で味のある文章。読んでみたいと思ってました。
- 大槻 ケンヂ
- のほほん雑記帳(のおと)
●「私の岩波物語」山本夏彦
本文に「自分が直接あるいは間接に経験したことについて限って述べ」と面白そう
- 山本 夏彦
- 私の岩波物語
●「ギッシング短編集」ジョージ・ギッシング
本好きの人にオススメとのこと
- トマス ハーディ, ジョン ゴールズワージー, ヒュー ウォルポール, ジョージ ギッシング, サマセット モーム, 平戸 喜文, William Somerset Maugham
- イギリス名作短編集
●「捕中網の円光 標本商ル・ムールトとその時代」奥本大三郎
伝記文学のなかでも、興味のない分野だけれども面白かったそうです
●「抹香町/路傍」川崎長太郎
日本のブコウスキー。つげ義春好きの人にはオススメ
- 川崎 長太郎
- 抹香町 路傍
●「日本すみずみ紀行」川本三郎
牛窓、城端、粟島、甑島など日本の「昔し町」紀行
- 川本 三郎
- 日本すみずみ紀行
●「書物」森銃三、柴田宵曲
谷沢永一も「愛書家の座右に欠かせぬ好著」とオススメ
- 森 銑三, 柴田 宵曲
- 書物
●「食味歳時記」獅子文六
食べ物エッセイで吉田健一「私の食物記」子母沢寛「味覚快楽」壇一雄「美味放浪」、「魯山人味道」などとともに好著
- 獅子 文六
- 食味歳時記
●「新編 炉辺山話」岡茂雄
「本屋風情」とともに好著。へたな学者よりも学識のある著者の山話。
- 岡 茂雄
- 新編 炉辺山話
●「摘録 劉生日記」岸田劉生/酒井忠康編
永井荷風「断腸亭日記」を筆頭にしたオモシロ日記のベスト5の1つ
- 岸田 劉生, 酒井 忠康
- 摘録劉生日記
●「日本ぶらりぶらり」山下清
じつは文章家とのこと。
- 山下 清
- 日本ぶらりぶらり
●「明治の人物誌」星新一
星製薬の創始者星一の息子としての明治人物誌はオモシロそう。
●「読書談義」谷沢永一/渡辺昇一
坪内は若い頃谷沢のファンだったそうです。他にも「読書人の園遊」「紙つぶて」「読書人の壷内」などがオススメ。
- 渡部 昇一, 谷沢 永一
- 読書談義
●「古本探偵の冒険」横田順彌
興味ある特定の事件や固有名詞を頼りに知識を広げていく、オタクとは違った知識への情熱が見所
- 横田 順弥
- 古本探偵の冒険
●「かっこいいスキヤキ」泉昌之
泉晴紀が絵、久住昌之が原作の漫画です。みうらじゅん、パフィー絶賛のガロ系のおもしろい漫画だそうです。
- 泉 昌之
- かっこいいスキヤキ
●「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ
世界の作家で現役で優れた作家の10人をえらべば、そのうちの一人に入ってくる作家。
- ミラン クンデラ, Milan Kundera, 千野 栄一
- 存在の耐えられない軽さ
●「知の自由人たち」山口昌男
「縦型社会にからめとられず、ヨコへヨコへと~ネットワークを形成していく形成していく人」今の話ではなく、昔の人が出ているところが魅力
- 山口 昌男
- 知の自由人たち
●「賢者の誘惑」呉智英
都立大教授とのめちゃめちゃな対話が必笑。
- 呉 智英
- 賢者の誘惑
●「爆笑問題の日本原論」爆笑問題
小林信彦が爆笑問題のなかでも、この本が飛びぬけて面白い、と解説。
- 爆笑問題
- 爆笑問題の日本原論
●闘う哲学者のウィーン愛憎」中島義道
「2,3年学問に没入することが必要かと思われた」といってウィーンへ留学するがそこでの苦労話。
●「読書中毒」小林信彦
評論集。トマス・ハリスからバルザックまで。「大海の小魚」とはどんな小説のパターンなんでしょうか。
- 小林 信彦
- 読書中毒―ブックレシピ61
旅先の決め方
- トマス パケナム, Thomas Pakenham, 飯泉 恵美子
- 地球のすばらしい樹木たち―巨樹・奇樹・神木
旅先って決めるの難しくないですか。
どこに行っても楽しめるけど、どこに行こうか悩んでしまう。
そこで私がよくやるのは、些細でも行って見たい場所やしたいこと設定して、そこを基準に旅行を作っていく方法です。
そして、今あたためているのが「樹を見る旅」です。
で、もってこいがこの「地球のすばらしい樹木たち」
作者が「いいなぁ」と思える世界中の木に会いに行く本です。
この本を読んでいると猛烈に旅行に行きたくなります。
世界中の「いい木」に会いに行く旅です。
まず、カルフォニアのレッドウッド。
鬱蒼とした森の中に樹高112mの世界最大の高さを誇っています。
ビルだと25階とか27階とか。
そんな森に行って見たい。
同じくカルフォルニアの世界最大の木、ジャイアントセコイア「シャーマン将軍」。
その容積1559.2立方メートル。
推定重量1358トン。
これはもう遺跡級ですね。
まもやカルフォルニアの世界最高齢のブリッスルコーン・パイン(松の1種)。
その樹齢は4600年を超えるそうです。
地層のような樹皮。時間を歪め捻じ曲がったような枝。
荒廃した瓦礫地帯に立つ姿は時間の狂気を表しているようにも見えます。
世界最高齢、というと縄文杉を思い出しますが、縄文杉はあくまで推測で
こちらは、実際に木に穴をあけて(米国人は無茶します)調べたようで、実測に近く、
公式にはこちらが最高齢ということになっています。
日本からはもちろん、縄文杉。
で、熱海と武雄の楠。霧島の杉。
そして、東京善福寺のイチョウ。
そして憧れのバオバブ。
作者も「バオバブの木だけで本を作る誘惑に打ち勝たなければいけなかった」というほど。
もう、星の王子様もビックリです。
恋するバオバブとか。
ダンスするバオバブとか。
神秘的でユーモラスで。
あぁ、マダカスカル。
ほかにも、
ニュージーランドの巨木、カウリ。
白い樹皮に浮き出る文様が魅力的。
フランスの生きたまま礼拝堂になったオークの巨木。
そのままファンタジーの城か守護神にになりそうな、アメリカのレッドシーダー。
目次では
「巨人」「小人」「長寿者」「夢語り」「滅びゆく樹木たち」
と神話のような構成で、西欧人風の凝ったつくりです。
大判の本ですが、これも一冊手元に置いておきたい本です。
ノンフィクション作家のモザイク
ノンフィクションを書く!
インタビュー 藤吉雅春
新鋭のノンフィクション作家に「ノンフィクションを書く理由」あたりをインタビューをしたもの。
おかしな人がやっぱり多いようです。
中村智志「ダンボールハウスで見る夢」で講談社ノンフィクション賞を受賞。朝日新聞社員。
この本は、いわゆる人権モノではなく、個性豊かなホームレスの人々のそれぞれの物語を、普段の日常とあわせながらかきあげた本のようです。
ホームレスの方々からそれぞれの人の物語を聞けた理由として、本人は自覚がないようですが、たとえば残飯でできた夕食を出されてなにも思わずそのまま食べた(本人いわく「胃腸は丈夫から」みたいな感じでそのことには気負いはなし)あたり、 この作家のボーダレス感が現れています。
野村進「フィリピン新人民軍従軍記」でデビュー。「コリアン世界の旅」で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞ダブル受賞。
野村進の作品は何冊か読んでいますが、自分なりのこだわりを小さくとも固持するところ、エンターテイメント性を理解しているところが好感がもて、いまのところはずれはありません。
本書のなかでは、大杉栄の「自らその事実の中に身を投じて見よ」というあたりを引用しているあたりや、「自分の世界観をつくってみたい」というあたりに、野村進の方向性に納得がいきました。膨大な労力と社会正義以外の原動力はなにかな、と思っていたので。気になる作品としては「天才達」「アジア定住」「アジア 新しい物語」かな。
金子達仁「叫び」「断層」の記事でミズノ・スポーツライター賞受賞
サッカー関連ではいちばん有名なライターでしょうか。
かわいそうに 金子達仁の回答で「想像力でビンゴの質問をする」とかいわれたらインタビューイもあせるよねぇ。あせっているようでした。でも「取材を終えて」で本書のライターが「金子さんは自意識が強くて、そこが一流選手とあうのかも」と書いてありましたが、そこはなるほどと思いました。
インタビュー内容は他の本にも掲載されている内容なので、その辺の意識のなさはノンフィクション作家としてはどうかと思います。
井田真木子「プロレス少女伝説」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。「小蓮の恋人-新日本人としての残留孤児二世」で講談社ノンフィクション賞受賞。
今回読んだ中で一番の変人に思えました。ライター修行の話で、同じテーマについてボツになっては、「同じテーマで今回書いた内容を使わずに書く」ことを5回も編集者に強要され理由を尋ねると「いっても分からないだろうから」と。
自分のことを「頭が悪いので」となんども言っている割には、取材方法も考えられており(あの「うるせぇ」しかいわない神取忍にしゃべることを練習させるところから取材を始めたりしている)、頭はいいけどヘンな方向に向いていて、行動は常に暴走気味。
ちょっと怖いけど興味深い。気になります。
小林紀晴「アジアンジャパニーズ」でデビュー、話題となる。「DAYS ASIA」で日本写真会新人賞受賞。
はじめから「僕はノンフィクション作家ではなくてカメラマン」とのこと。
そういえばそうだ。
写真を発表したくて、それに文章をつけて本にした、といっています。
だから写真が主で文章が従。
あの奇妙な平板だけど味の文章は、写真の説明でしかないんだ、と納得。
今の若者の妙な生の希薄さをそのまま取り出せる稀有な作家ですが、文章ではなく写真で勝負しているからかなと理解できました。
加賀孝英 政治関係のスクープ記事が多い。「笹川一族の崩壊」で雑誌ジャーナリズム賞スクープ賞を受賞。
のっけから「91年に羽田沖に墜落した全日空機は爆破された」とスパイ小説並。米軍情報部のエージェントと知り合い話を聞いて調べていくうちに、海上自衛隊やアマチュア無線家から発表と違う証拠が次々とでて、「マッハの恐怖」を書いた柳田邦男も絶句。
東芝のココム違反のスクープでは取材中に盗聴や尾行をされ、香港滞在中には「気をつけろ」とホテルに電話がかかってくる。
笹川一族のスクープでは、取材中「命はくれぐれも気をつけてください」「ホームは一人で歩かないように」という留守電がパンクするまで入れられる。そしてある朝警察から「これから船舶振興協会の前事務局長を逮捕する。キミにだけは先にいっておこうと思ってね。キミのおかげでここまでできた、ありがとう」との電話があり、編集部でTV確認して、編集部を出た後緊張感が緩んで号泣。
いやぁ、ほんとにこんな世界があるんですね。
江口まゆみ 「タイ・ラオス・ベトナム酒紀行!」で話題に。
「酔っぱライター」として自分のまだ飲んだことのない酒を求めて世界辺境まで取材。どんな紛争地や犯罪地帯でも「酒を探しにきました」といってどんどん奥地までいく。それはじつは文化人類学者からも「空白地帯」いわれているようなところで学術的にも貴重な取材だったりもするような内容。しかし一番興味を覚えたのは、危なくないのですか、という質問に「相手の顔を見て判断」との回答。小さな頃から引越しが多く、自分の敵味方を判断する力が養われたのかも、と語っています。うーんなんかすごい。
永沢光雄 「AV女優」が1篇1篇が長編小説級、と立花隆に絶賛され、話題に。
大学中退、演劇活動後、なし崩し的にフリーライターに。ライターの世界の世知辛さを実感しているので「ノンフィクションなんてないよ」といっています。インタビューを読んでも、特記することはありませんが、この本は前から気になっていました。
吉田司 水俣病のルポ「下下戦記」が水俣支援団体から「厄災の書」といわれつつも大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
学生運動、政治活動で徹底的に非人間的な行為を行った結果、政治活動を離れても自分が普通の生活を送ることを許せなくなってします。そういった立場から数々の現場で「よい人」ではない視点で取材、発表。取材先では必ず嫌われるとのこと。
こういう人も必要かなと思う反面、政治活動でやっていることも、その後のひねくれた生活も、理解できません。
こんなひともいるんだなぁ、と思いました。
吉田 司
こうしてノンフィクション作家のインタビューを読んでいる、金銭的に恵まれている人なんでほとんどいなさそう。
それはもう、完全に好きでやっているか、それしか生きる道がないか、といった感じです。
やらせ全盛の今の時代にノンフィクションというのは完全にういてしまっているような感じもしますが、まだまだ深耕できる分野と思っています。
ノンフィクション作家さん、もっと楽しい作品を、どんどん出してください。
インタビュー 藤吉雅春
新鋭のノンフィクション作家に「ノンフィクションを書く理由」あたりをインタビューをしたもの。
おかしな人がやっぱり多いようです。
中村智志「ダンボールハウスで見る夢」で講談社ノンフィクション賞を受賞。朝日新聞社員。
この本は、いわゆる人権モノではなく、個性豊かなホームレスの人々のそれぞれの物語を、普段の日常とあわせながらかきあげた本のようです。
ホームレスの方々からそれぞれの人の物語を聞けた理由として、本人は自覚がないようですが、たとえば残飯でできた夕食を出されてなにも思わずそのまま食べた(本人いわく「胃腸は丈夫から」みたいな感じでそのことには気負いはなし)あたり、 この作家のボーダレス感が現れています。
- 中村 智志, 〓 昭
- 段ボールハウスで見る夢―新宿ホームレス物語
野村進「フィリピン新人民軍従軍記」でデビュー。「コリアン世界の旅」で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞ダブル受賞。
野村進の作品は何冊か読んでいますが、自分なりのこだわりを小さくとも固持するところ、エンターテイメント性を理解しているところが好感がもて、いまのところはずれはありません。
本書のなかでは、大杉栄の「自らその事実の中に身を投じて見よ」というあたりを引用しているあたりや、「自分の世界観をつくってみたい」というあたりに、野村進の方向性に納得がいきました。膨大な労力と社会正義以外の原動力はなにかな、と思っていたので。気になる作品としては「天才達」「アジア定住」「アジア 新しい物語」かな。
- 野村 進
- コリアン世界の旅
- 野村 進, 井上 和博
- アジア定住―11ヵ国18人の日本人
- 野村 進
- アジア 新しい物語
金子達仁「叫び」「断層」の記事でミズノ・スポーツライター賞受賞
サッカー関連ではいちばん有名なライターでしょうか。
かわいそうに 金子達仁の回答で「想像力でビンゴの質問をする」とかいわれたらインタビューイもあせるよねぇ。あせっているようでした。でも「取材を終えて」で本書のライターが「金子さんは自意識が強くて、そこが一流選手とあうのかも」と書いてありましたが、そこはなるほどと思いました。
インタビュー内容は他の本にも掲載されている内容なので、その辺の意識のなさはノンフィクション作家としてはどうかと思います。
井田真木子「プロレス少女伝説」で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。「小蓮の恋人-新日本人としての残留孤児二世」で講談社ノンフィクション賞受賞。
今回読んだ中で一番の変人に思えました。ライター修行の話で、同じテーマについてボツになっては、「同じテーマで今回書いた内容を使わずに書く」ことを5回も編集者に強要され理由を尋ねると「いっても分からないだろうから」と。
自分のことを「頭が悪いので」となんども言っている割には、取材方法も考えられており(あの「うるせぇ」しかいわない神取忍にしゃべることを練習させるところから取材を始めたりしている)、頭はいいけどヘンな方向に向いていて、行動は常に暴走気味。
ちょっと怖いけど興味深い。気になります。
- 井田 真木子
- 小蓮(シャオリェン)の恋人―新日本人としての残留孤児二世
小林紀晴「アジアンジャパニーズ」でデビュー、話題となる。「DAYS ASIA」で日本写真会新人賞受賞。
はじめから「僕はノンフィクション作家ではなくてカメラマン」とのこと。
そういえばそうだ。
写真を発表したくて、それに文章をつけて本にした、といっています。
だから写真が主で文章が従。
あの奇妙な平板だけど味の文章は、写真の説明でしかないんだ、と納得。
今の若者の妙な生の希薄さをそのまま取り出せる稀有な作家ですが、文章ではなく写真で勝負しているからかなと理解できました。
加賀孝英 政治関係のスクープ記事が多い。「笹川一族の崩壊」で雑誌ジャーナリズム賞スクープ賞を受賞。
のっけから「91年に羽田沖に墜落した全日空機は爆破された」とスパイ小説並。米軍情報部のエージェントと知り合い話を聞いて調べていくうちに、海上自衛隊やアマチュア無線家から発表と違う証拠が次々とでて、「マッハの恐怖」を書いた柳田邦男も絶句。
東芝のココム違反のスクープでは取材中に盗聴や尾行をされ、香港滞在中には「気をつけろ」とホテルに電話がかかってくる。
笹川一族のスクープでは、取材中「命はくれぐれも気をつけてください」「ホームは一人で歩かないように」という留守電がパンクするまで入れられる。そしてある朝警察から「これから船舶振興協会の前事務局長を逮捕する。キミにだけは先にいっておこうと思ってね。キミのおかげでここまでできた、ありがとう」との電話があり、編集部でTV確認して、編集部を出た後緊張感が緩んで号泣。
いやぁ、ほんとにこんな世界があるんですね。
江口まゆみ 「タイ・ラオス・ベトナム酒紀行!」で話題に。
「酔っぱライター」として自分のまだ飲んだことのない酒を求めて世界辺境まで取材。どんな紛争地や犯罪地帯でも「酒を探しにきました」といってどんどん奥地までいく。それはじつは文化人類学者からも「空白地帯」いわれているようなところで学術的にも貴重な取材だったりもするような内容。しかし一番興味を覚えたのは、危なくないのですか、という質問に「相手の顔を見て判断」との回答。小さな頃から引越しが多く、自分の敵味方を判断する力が養われたのかも、と語っています。うーんなんかすごい。
- 江口 まゆみ, 小の もとこ
- タイ・ラオス・ベトナム酒紀行!
永沢光雄 「AV女優」が1篇1篇が長編小説級、と立花隆に絶賛され、話題に。
大学中退、演劇活動後、なし崩し的にフリーライターに。ライターの世界の世知辛さを実感しているので「ノンフィクションなんてないよ」といっています。インタビューを読んでも、特記することはありませんが、この本は前から気になっていました。
- 永沢 光雄
- AV女優
吉田司 水俣病のルポ「下下戦記」が水俣支援団体から「厄災の書」といわれつつも大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
学生運動、政治活動で徹底的に非人間的な行為を行った結果、政治活動を離れても自分が普通の生活を送ることを許せなくなってします。そういった立場から数々の現場で「よい人」ではない視点で取材、発表。取材先では必ず嫌われるとのこと。
こういう人も必要かなと思う反面、政治活動でやっていることも、その後のひねくれた生活も、理解できません。
こんなひともいるんだなぁ、と思いました。
吉田 司
こうしてノンフィクション作家のインタビューを読んでいる、金銭的に恵まれている人なんでほとんどいなさそう。
それはもう、完全に好きでやっているか、それしか生きる道がないか、といった感じです。
やらせ全盛の今の時代にノンフィクションというのは完全にういてしまっているような感じもしますが、まだまだ深耕できる分野と思っています。
ノンフィクション作家さん、もっと楽しい作品を、どんどん出してください。
安定感ありますね、よしもとばなな「みずうみ」
- よしもと ばなな
- みずうみ
地方の有力者の息子とバーのママとの間にできた私生児が主人公。
ゆがんでいるなりに幸せだった家族も、主人公は人間関係の息が詰まるような地方を抜け出し都会へ向う。
一人暮らしをしているときに、家の窓から見える青年が、なぜか気になり始める。
しかしその青年も実はなんだか暗い過去を持っているようで・・・
最近書きそうで書いていなかった、人間の暗い面が組織化した集団の行動、というのを少し書き込んだ作品かな、と思っています。
北とかオウムとか、そういったもののイメージ。
やっぱり恋愛をとおして書いているのですが、よしもとばななの生き方に対する真剣さと、諸要素(恋愛の力、オカルト的なもののありよう、とか)のバランスのよさに、ついつい読んでしまいます。
で、相変わらずの安定力に脱帽。
重要作品、というわけではありませんが、十分水準に達している作品でした。
