制作部のたけともです。
今週もやってきました!
のお時間です!
たけともが
の完成するまでの工程を解説を交えながら、ご紹介する企画です。
つ…、ついにやってきましたデコマス完成の時!
三ヶ月間続いたスク水制作記は今回で最終回ですッ!
今までの記事がこちら。
1回目 素体制作編(前編)
2回目 素体制作編(後編)
3回目 ポージング編
4回目 ボディバランス修正編
5回目 ビーチボール制作編
6回目 ディティール追加編
7回目 ディレクション会&表面処理編
8回目 安藝さん監修編
9回目 デコマス作成編(前編)
まだ読んでないという方は是非ッ!
さて前回は、「調色」が完了し、
肌色
スク水の色
ビーチボールの色
以上の三色を作りました。
そして今回は最後の作業「デコマス塗装 」を行います。
グッスマの場合、ねんどろいどのデコマス塗装は
イベント展示、リリース撮影用に使うデコマスと、
工場で量産する際の見本として使うデコマス、
2つのデコマスを作る必要があります。
さっそくデコマス塗装開始!と行きたいところですが、
塗装前に下準備が必要です。
まずはキャスト磨き!
パーティングラインを消し、キャストの中に入ったゴミ取り出し、
最後にクレンザーで磨いてキャストをピカピカにします!
(キャスト磨きについて詳しくは以前の記事新卒 制作部研修をチェック!)
キャスト磨き完了!
ん~見事な純白。
塗装しやすいようにキャストに持ち手を付けます。
持ち手を付けたら、
洗浄液にドボンして、油と埃を洗い流します。
キャストの表面に油が付いたまま塗装すると、塗料剥離の原因になり、
埃が付いたまま塗装すると、フィギュアのクオリティを著しく損ねます。
キャストを洗い終わったら、
お次は下地塗装です。
プライマーという透明塗料をキャストに満遍なく塗装します。
これにより上塗りする塗料の食いつきがよくなり塗料剥離を防止することが出来ます。
表面がつやつやになるまで塗装します。
プライマーは塗料剥離を防ぐだけでなく…
細かいキズですりガラスのようになった透明キャストにプライマーを塗装すれば…
まるで水晶のような透き通った透明にッ!
個人的には水信玄餅という和菓子を思い出します。ハラヘッタ…。
すぺてのキャストをつやつやにすれば…下地塗装完了です!
さあさあ、塗装の下準備はすべて完了しました。
いよいよデコマス塗装の開始です。
まずはビーチボールから塗装します。
ビーチボールの色はクリア塗料をベースに調色したので、
何度も塗り重ねて色の濃さを調整する必要があります。
ビーチボールは形が単純なのでとくに塗りむらもなく無事塗装完了。
お次は肌色です。
肌色もビーチボールの色と同じく、クリア塗料をベースに調色されているので、
なんども塗り重ねて濃さを調節します。
胴体・両腕・両足、全パーツを同じ濃さにしなければいけないので、
常に他のパーツ見比べて塗装する必要があります。
肌色塗装で一番の難所が指の間の塗装です。
指の間にピンポイントで塗料を入れるのが難しく、手の甲ばかりが濃くなってしまう事態…、
色むらが出来てしまった時点で即やり直しです。
塗装を失敗したパーツは剥離剤で塗料を落とし、下地塗装からやり直します。
なんども失敗しながら思考錯誤した結果…
肌色塗装完了!
指の間もしっかり塗装でき、全てのパーツを均等な濃さにすることが出来ました。
最後はスク水の塗装です。
肌色部分はスク水の色が付かないように、
マスキングしてから塗装します。
スク水の塗装はとくに問題なく完了しました。
クリア塗料ベースじゃないので色の濃さに気を使う必要が少ないのが主な理由かと。
色が付くと完全にスク水です!そうじゃないと困るんですが、かなりスク水です!
ボディラインがより強調され、
原型制作時にこだわった、へそ周りや腰周りが非常にセクシーに見えます。
塗装をするときに毎度思うことですが、
色の力って本当に偉大です。
というわけで、
無事全てのパーツの塗装が完了しました!
最後につや消しスプレーを噴いて、組み立てれば…
デコマス塗装完了!
デコマス塗装時は常にテンションがあがりっぱなしでした。灰色だった原型が自分の手により、鮮やかに染まっていくのを見ると、
なんだか命を吹きこんでいるかのような気分になります。
う~ん、感動です!
さてさて、デコマスはまだ完成したわけではありません。
最後にデコマス監修でOKを貰う必要があります。
原型完成時に監修があったように、(第8回参照)
デコマス完成時も監修があります。
アキさんにデコマスをチェックしてもらい
グッスマの商品としてだしてもよいクオリティなのか見てもらいます。
最後は一発OKでビシッと決めますよ!(フラグ)
いざデコマス監修へ
たけとも:監修よろしくお願いします!
アキさん:うんうん、……。
たけとも:(ドキドキ…、毎度緊張してしまう…。)
アキさん:スク水の色が少し濃すぎかな、すこし重たく感じるね。
もうちょっと明るめにしてみよう!
たけとも:はい!もうすこし色味を調整してみます!
一発OKとはならずッ!
めげずにすぐさまスク水の色を修正します。
修正した結果がこちら、
修正前に比べ修正後はずいぶん軽くなったように感じます。
元のスク水色に白色塗料を数滴入れただけですが、ここまで変わるとは…、
調色は奥が深い…。
再度監修に挑戦!
たけとも:再度、監修よろしくお願いします!
アキさん:うんうん…。
たけとも:(うおお!いっけえぇぇー!!)
アキさん:うん、いいんじゃない…、OK!
たけとも:ありがとうございます!
やりましたー!
OKサインいただきました!!
ということはついに、ついに…、
デコマス完成です。
ちなみにデコマスOKが貰えたのはワンフェス5日前でした、
内心、冷汗だらだらでした。
間に合って良かった…、ほんとよかった…。
長く続けてきたスク水制作記ですが、
無事デコマスを完成させることが出来ました。
読んで頂けた方にフィギュア制作の裏側を知って頂いて、
フィギュアがより身近に感じていただけたら、嬉しいかぎりです。
スク水制作記は今回で最終回ですが、
きせかえ水着の商品開発は現在進行形で進んでおります。
これからもきせかえ水着の情報はどしどしお伝えしていきたいと思いますのでお楽しみにッ!
というわけで今回はここまで!
お楽しみに!
☆本日の一枚☆
無事ワンフェスに展示できました!
制作部たけとも