ジュネーブ半径500Mな毎日 -53ページ目

フランス語講座 「ありがとう」とポンと手を打って「しもぶくれ」とカフェで言ってみよう


私がお世話になっている方で、

「この人本当に語学の才能がある!」

という人がいらっしゃいます。



日本語、仏語、英語のトライリンガルで

努力を努力と思わないタイプの努力家なので自力でスイスの大学に入り、卒業しちゃうし。

素が良いので、あまり頑張ったという自覚なくとも結果がついてくる

いわゆる、ふと気がついたら競争に勝ってここにいるけど

あまり競争した意識もないのよねーみたいな羨ましいタイプ

きれいなのにガッツもあって、男の人だってついて行きたくなるようなタイプかと思えば

もちろん女性らしい一面も。





そんな彼女にフランス語を教えてもらうと面白いのです。

フランス語に堪能なのですが、杓子定規な文法学習じゃないので面白い

彼女に教わったフランス語、その1




「ありがとう」とポンと手を売って、「しもぶくれ」と店員さんに言う



こんなことが脳内で起こります




「ありがとう」 ポン!  「しもぶくれ」

        ↓

あんがとーでポン! しもぶくれ

        ↓

Un gâteau des pommes, S'il vous plaît

        ↓

りんごのお菓子をひとつ、お願いします






になるからあら不思議



シルブプレ を しもぶくれ と言って相手に通じさせるあたり、すごい語学のセンスを感じます。

耳が良いんだな~。

本書いて売れば良いのに・・・・・・。



photo:03


そんなわけで、今日は空き時間に仏語の勉強をしようと思ってカフェに入ったところ、

このカフェの主人の独断で集めた書籍が並んで販売されていて、

なんだか面白くて

こうなるとタイトルを読むのだけで忙しくなっちゃって、、、、、、

脱線する才能だけは、ほんと、あるんだよなー。





エスカラードで配るスープは、豚肉入り?豚肉なし?


エスカラードで、子供達が寒い中、仮装し、歌を歌いながら行進した後、

おいしいスープが振る舞われます。



うちの子が通う公立学校では「野菜スープ」なのですが、

となりの学校の人に聞くとなんと

「豚肉入りスープ」



「野菜スープ」

があったそうです。

これはもちろんイスラム教徒への配慮なのです。



私たちの公立学校では、イスラム教徒への配慮は一切なく、持ちよりパーティーをする時でも、豚肉料理を作ってくる人はたくさんいるし、イスラム教徒は、豚肉じゃないかどうか毎回聞きながらピザを切り分けてもらったり、パスタをつまんだりしている感じでした。だから、うちの学校では、豚肉を食べないイスラム教徒も、お肉を食べないベジタリアンと同じように、自分の責任で食べ物選んでね、という感じにうつっていましたが、隣の学校では、わざわざ二つのスープを用意したのだそうです。



ジュネーブはキリスト教徒が多いので、やはりこのような宗教がらみの話はとても微妙だと思います。

しかし、みなさん個人的にはお友達になり、お茶したりはしているものの、やはりどこかで線が引いてあるような気がしたりしなかったり、また

・これ以上モスクを建てるのはだめ
・クリスマス会を会社で派手にやろうとすると、イスラム教徒の人に文句を言われて、ツリーが小さくなったりなくなったりした
・クリスマスの頃はイスラム教徒は、仕事をしなくなるから困る

というキリスト教徒側からの灰色な言動も耳にする事があります。



エスカラードの夜に、二種類のスープに「豚肉入り」と「野菜のみ」の表示がかけられたことは、私は個人的には「みんなが安心して信条にあった物を口に出来て良かった」と思いますが、中には複雑な心境の人もいるかもしれません。

今日も友人と「クリスマスに焼くフルーツケーキ」について話しをしていたところ、乗ろうと思ったバスにモスクでの礼拝帰りのイスラム教徒が多数乗っていたために「クリスマス」という言葉を言わない方がいいね、という雰囲気が流れました。そういえば、金曜午後は礼拝帰りのイスラム教徒で、車もバスも混むので、あまり外出の予定を入れていなかった自分にも今気がつきました。


来年のスープはどうなるんだろう。野菜スープだけで通すのが無難な感じもして、それを推したい自分がいます。















3回目のエスカラードに思う事

12月にはジュネーブで「エスカラード」があります。

エスカラードとは1602年に始まった、ジュネーブを奪おうとするサヴォワとジュネーブとの戦いで、ジュネーブが自治を守りきったことを記念して毎年行われているお祭りです。

大人のマラソンあり、子供のマラソンあり、仮装行列ありで、この雪が降るか降らないかぐらい寒い日に、「今年も寒かったな~」と思わされるお祭りです。

でも、戦いが終わって400年もお祭りが続いているってすごいと思います。

ジュネーブはいってみれば豚のシッポみたいに不自然にスイスから飛び出していて、フランスに入り込んでいる不思議な土地です。レマン湖の周辺としては珍しく平地が多く、交通の関所にもなることから、この土地を欲しいと思った権力者は沢山いたと思いますが、いずれにしても一応ジュネーブはジュネーブとして、言葉はフランス語になりましたが、自治は守ってきたのですね。



近代・現代の戦争で「勝った事を記念してお祭りが出来る戦い」というのはないと思いますし、これから将来もないような気がします。それほどまでに、最近の戦争は、勝者も敗者も痛みが大きい。


さて、そんな400年以上続いてきたこの伝統が、この後も伝えられるだろうと思わされるエピソードを二つ。



エスカラードの象徴でもある、マーミット(スープ鍋)。現代ではこれはチョコレートで出来たお菓子で、集まった人たちの一番年上と年下の人が協力して割る伝統があります。

長女のクラス(小学6年生相当)でも、毎年マーミットを買って、教室で割って食べるのですが、毎年同じクラスメートですから、割る人が決まっている訳です。一番早く生まれたファトウちゃんと、一番遅く生まれたダビッドくん。

そこで今年は、ジョアン君が

「いつも同じ人が割っているのはずるい!」

と言ったそうです。

「ずるい」

という言葉は、私の教師時代でもっとも生徒から聞くのが嫌だった言葉の一つです。

(みんなタバコ吸っているのに、たまたま見つかった俺だけが停学なんてずるい)
とか
(みんなだって買い食いしているのに、たまたま見つかった俺だけが注意されるのはずるい)
とか
「ずるい」という言葉を聞くたびに何とも言えない、嫌な後味がしていた訳で、どこまで戻って「ずるくない」ことを教えなきゃ行けないんだろうかとがっくりきたものです。

で、ここスイスでも、ジョアン君が「ずるい!」と発したのです。

横並びが好きな日本的態度だったら、マーミットを割る人を年齢で決めないで、順番にしてしまうかもしれません、くじやあみだで決めるかもしれません。

「ずるい」という言葉には、「本来与えられるべき権利が与えられなかった」という悲しみとか怒りとかねたみとかを感じてしまうので、過剰に反応したくなります。

しかし、ここはスイス

「毎年同じ子が大きなマーミットを割れるのはずるい!自分だって大きなマーミットを割ってみたい!」と主張した子供に対して、教師は一言

「伝統ですから」

だったそうです。さっぱりしてるなー。

ジョアン君もそれですっぱり諦めたそうですし。

伝統ってほんと、確固たる態度で守って行かないと行けないんですね。





変わって次女(小学1年生)のクラスでは、今日は「エスカラードについての試験」がありました。

その前に、エスカラードのお話を聞かされるのですが、結構すごいんです。



・ジュネーブ人がフランス人に勝った時、フランス人は数えられない程沢山死んだ。

・フランス人の死体の首を切って、胴体を切り離して、首をどこかに刺した



とか、7歳の子供には止めて!と言いたくなるような事を聞かされてきます。

そして、今日、エスカラードの試験でした。

質問 この戦いで死んだジュネーブ人は何人か    答え 17人

質問 戦いは何年に始まったか             答え 1602年

という問題が出たそうです。

授業時間にテストするくらいだから、ジュネーブにとっては本当に「エスカラード」の記憶はとても大切なようです。





子供が公立学校で育つということは、こういう事も含めてスイス化していくことのような気がします。

ではインターナショナルスクールだとどうかというと、それは良く分からないので比較できないのですが。

教育とはやはり何かしらのフィルターを子供に与えることになるのだと、実感します。