リビングに下り犬を叩き起こし、明太子パスタを食べる。テレビをつけると「特命係長 只野仁」がやっていた。激しいベッドシーンで目が覚めた。
そして毎年のことながら朝が早すぎてトイレに行っても大きい方のアレが出ない。我々はこれを爆弾と呼ぶ。
湯船につかり体を芯から温める。そして防寒装備を重ねていく。特に大きな意味はないのだが、僕はエンジのスタジャンを着て行くというこだわりがある。ただ薄いし小さいこのジャンパーに防寒の役割は期待できない。ゆえに下にいかに厚着をしていくかで寒さとの雌雄が決するわけで、関節が曲がらなくなるくらい何枚も重ねていく。下半身はレギンス、ヒートテック、トレーニングスパッツ、黒のパンツ。上はアンダーアーマーのような生地のナイキのアンダー、ロ ンT、野球用アンダー、シャツ、パーカー、スタジャン。肘も曲がりにくくなるので、キレのある「右肘左肘交互に見て♪」もできなくなりました。
5時25分頃、二度寝に入った犬を再び叩き起こし出発。いざ7年連続7度目の芦ノ湖観戦へ。
5時47分成城学園前発の急行に乗るのだが、その前にファミマに寄り道。毎年焼きそばパンが食べたくて探すも、いつも置いておらず苦汁をなめてば かりだった。しかしなんと今年は一つだけあった。史上初だ。今年はそんなに食べたい気分じゃなかったがせっかくなので買った。加えてジョージアのホット コーヒー、1本満足を2本、イチゴチョコを購入。ジョージアを買ったのはポイントを集めているからである。
ホームで電車を待っているといつもは登戸で合流するはずのシゲが現れる。不意打ちすぎて驚いた。2012年初驚きである。そしてシゲは言った。「お腹に爆弾を抱えている」と。
無事電車に乗り、区間エントリーのおさらいをしているとケンチからメール。
「急な腹痛で中山で途中下車したから遅れる」
どうやら爆弾の導火線に火がついたようだ。
僕らの集合場所はこの電車の先頭車両と決まっている。なので電車1本の遅れが命取りなのだ。町田合流予定のケンチだが、電車の本数が少ない早朝に次の電車を待てるほど箱根は甘いものではない。「先に行く」と告げると、すぐさま返信。
「奇跡が起きて間に合った」
なんかよく分かんないけど奇跡が起きたらしい。そんなこんなで町田で合流した。爆弾も処理済みでスッキリとした表情だ。
これでいつもの3人が揃ったわけだが、今年は一味違う。愛甲石田から新メンバーが加入する。EXILEのように。
新メンバーは中学の同級生である長島さん。なんと駒大の元マネージャーだ。要するに本場の人。そもそも極寒かつ1日駅伝に費やさなければならないこの駅伝ツアーに志願してくる時点でもうプロのマニアだ。知識の浅いケンチの存在が脅かされつつある。
箱根湯本に着くまでの車内では、休みなく駅伝トークが繰り広げられていた。というかいろんな裏情報を長島さんから聞いていた。まぁここでは書けませんがね。とにかく彼女は駅伝への情熱、愛、根性、全てを兼ね備えており、おかげで我々も快く歓迎することができた。何より初対面のシゲともすぐ打ち解けた。まさにスーパールーキー誕生である。そして小田原辺りでサッカーのコーチのような格好をしていたケンチがスキーウェアを着始めた。スキーのインストラ クターのようになった。それはどうでもいいか。
湯本に着いてからはタクシーでゴールの芦ノ湖へ向かう。毎年すんなり捕まえられるのに今年は苦戦。その結果、スタートの8時に間に合わず、少し遅れての到着となった。どうでもいいが、湯本に着いたとき地面が濡れており、雨の降った痕跡があった。そのことをタクシーの運転手さんに聞いてみたが、無視された。
日の当たるオーロラビジョンの右側を陣取る。まずチェックするのは例の中央学院の人たち。毎回中央学院の応援に来ていてワイワイうるさい集団だ。 ただ木原くんの卒業を期に衰退気味の同校を表すかのように年々静かになっていく。そして今年はとうとう来ていなかった。そうこうしながら88回目の継走が始まった。
1区 早稲田の大迫くんが飛び出す。僕らの横にいたブルドックが強烈なゲップをしたのを見て、シゲがボソッと「うわ、臭そう」と言ったのが僕のツボに入る。関係ないけど明治の大六野くんが六大学野球みたいな名前で妙に印象に残った。
2区 東海大の村様(村澤くんのこと)と駒澤の村様(村山くんのこと)への熱い声援が飛び交う。そして某選手の走り方を見てシゲが「うわっ!気持ち悪ぃ!」と言ったのが僕のツボに入る。
3区 山梨学院のコスマスくん登場。なぜかここでお腹の爆弾の話になり、レディの長島さんに軽いセクハラをしてしまう。またこの間にお餅と甘酒とみかんを貰いに行く。去年はこのときにテレビに映されたそうだが今年はどうかな?
4区 オーロラビジョンの音声が途切れてしまった。なので僕の十八番、瀬古の解説のモノマネでその場をつないだ。そして去年壊れてしまったのをガムテープで補強して持ってきたシゲのイスがいよいよ再起不能になった。というよりよくこんなパキパキな状態になるまで座っていられたなと感心。
5区 山の神・柏原くん登場。この時点で東洋大はトップなわけで、完全に勝負が決しているのでもはや集中力ゼロ。しかも柏原くんが先頭ということ は半年くらい前から温めていた「後ろから柏原くんの足音がヒタッ、ヒタッ。怖いなぁ怖いなぁ」という稲川淳二のネタを披露できず。そんな感じで残念がっていると雪がちらほら。そしてシゲが突然EXILEのLovers Againを熱唱。
「初雪に~♪ざわめくシゲタ~♪」
ツボに入った。
カッシーがゴールしたのを見届け、ミーハー根性丸出しで追っかけ。おととしはこのときの姿がテレビに映ったそうだが今年はどうかな?
そういえば國學院の5区は寺田くん。去年10区でコースを間違えた彼だ。しかも少し僕に顔が似ている。だからちょっぴり彼には思い入れがあり、応援している。無事ゴールできて良かった。
あと、レース終了後に号外と記録表がもらえるのだが、配る人に大勢の人数が群がりなかなかもらえない。ただ僕とケンチはタイミングを見計らってい くためすんなりゲットできる。しかしシゲはいつまで経ってももらえない。この辺に要領の悪さが出た。頭はいいのに。「おれいらないからあげようか?」と言っても、プライドが高いので「いらない」と言う。数分後なんとかもらえ僕らがホッとした。
そんなこんなで東農大の選手を最後まで応援し
長島さんが駒澤の大八木監督にあいさつに行ったのを見て興奮したり
いつもの場所で写真撮ったりして
この地を後にした。
関所(トイレ)を経由して、向かうはいつものそば屋・小松屋。言っとくが店員さんが可愛いからではなくあくまで食事を堪能するという意味でこの店 を選んだわけで、決してそういうやましい気持ちは全くなく、あくまで…でも少し大人っぽくなっていた。去年ここでカツ丼を食べていい1年だったので今年も カツ丼にした。勝ちたいんや。
食事を済ませ箱根神社へ。ここへ向かう途中といえばもちろん歌の時間である。国士舘の歌(作詞・作曲シゲ)を中心に歌った歌った。
初詣の列に並んでるときケンチがおもむろに「おすぎです」と言い出す。それに体が勝手に反応し「ピーコです」と返す。さらに長島さんが「マツコです」と乗っかる。このとき何もできなかったシゲは寂しそうにしていた。
初詣と書いたが元旦に浅草に行ったので実は二度詣だった。本当は毎年初詣は箱根神社でと決めていたのだがまぁいいや。それは。そして見事に大吉を引き当て、1日で最も寂しい時間となる日の暮れた湖畔タイムへと移る。
4人で感傷に浸りながら歩く。「2012年も終わってしまったね」と。
このあと用事のある長島さんをバス停で見送る。途中棄権が悔しかったのか、来年は完走すると宣言してくれた。最後は「良いお年を」で締めた。
そして僕らは恒例のユネッサンへ向かう。去年見つけた美人店員もいた。森の湯では不景気だからなのか、使い放題だったタオルもレンタル制となっていた。
僕らは温泉に入り、2012年の疲れを癒しながら放送できない男子トークに花を咲かせた。気が付くと同じ風呂に30分くらい入っており、のぼせそうになったので出た。「数種類もあるのに一つの風呂にしか入らない大人の入り方」である。
そのまま畳の部屋でまったりし、イチゴソフトを食べ、山を下りる準備をする。準備というかタクシーを呼ぶ。ただこのタクシーには苦い思い出があ り、去年あまりにちんたら走られたため特急に間に合わなかったのだ。去年の運転手のことなんてそんなにはっきりとは覚えていないのだが今年の運転手、白髪の角刈り、ハスキーボ イス、何か見覚え聞き覚えがある。そしてちんたら走行…コイツだ。
とりあえず50分の電車ということだけ告げると、自信満々に「それは間に合うだろ」と。しかしこの人切符買う時間を計算にいれてくれず、駅に着いてから走った。まぁなんとか特急には間に合いましたがね。
特急ロマンスカーで優雅に都会に帰る。町田でケンチとお別れ。「良いお年を」と。登戸でシゲとお別れ。「良いお年を」と。地元に帰ってきて安心したのか、爆弾の導火線に火がついた。
そんなこんなで帰宅。往路終了。
復路の朝。寝坊した。っていうか東洋大の首位独走、繰り上げスタート組が多すぎてシード権争いがごちゃごちゃということでモチベーションが上がっていなかった。
そしてシゲからメール。
「中大が國學院抜いてシード権獲れるかとか実況で言ってるけどその前に東海大が落ちてくるから」
自虐ネタだが実際その通りになった。こうも白熱しない箱根駅伝は初めてなのでシゲにある提案をした。
「このままテレビ見てても面白くないからこの際大手町のゴール行ってわいわいした方が面白くない?」
シゲは快諾した。が、11時にエスパルスの福袋の申し込みがあるそうなのでそれが終わったら。
というわけで12時過ぎに大手町のゴールに向かった。
大手町は人でごった返していた。箱根も年々人が増えていたが、ここはやっぱり別格。そして人の押し合いへし合いで人間の醜い一面をたくさん垣間見た。お前らよう「最近の若者は…」とか言えるのう。むかついたのでワンセグを見ながら「うわっ!ヤバくない?」とか大声で言って周りの人をビクつかせて楽しんだ。
宇賀地くんとかと遭遇しつつ東洋の優勝を見届け駒大のブースをチラ見したり長島さんを見つけたりして大手町を後にした。
帰りに有楽町の三田製麺所でつけ麺を食べ日比谷公園を歩いていると、ママチャリに乗った30代くらいの男性に話しかけられた。
「すいません、水戸ってどっちですか?」
「ミト?水戸って…茨城の?」
「そうです」
「えっ?方向的にはあっちですけど…」
「はい」
「行くんだったらこの道ずっと行って上野に出た方が…」
「分かりました。行ってみます。ありがとうございます」
やはりシゲと一緒にいると不思議なことが起こる。何か番組の企画かよっぽどアレな人かのどちらかかと。
そんなこんなで霞ヶ関のホームで待っていると、今度はぬまっちに遭遇。こんな偶然あるんだね。車内でわいわい喋ってお別れはお決まりの「良いお年を」そしてシゲとも「良いお年を」で別れ我々の2012年は幕を閉じたのです。
レース展開は正直あまり面白くなかったけど
やっぱり僕は箱根駅伝が好きです。
だからこのイベントはこれからもずっとずっと続けていくんです。
See You Next Year!
箱根駅伝観戦記2013~波乱の年~ へつづく








































