箱根駅伝観戦記2011~友情の崩壊を救った10区の奇跡~ | ブランコのコはコーキのコ

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こうきをあえてこーきと書きます。それが私のこだわりです

2011年1月2日午前4時。浜崎あゆみの『ただの雨』が今年の目覚めの歌(アラーム)となった。ソフトバンクの流しのCMのアレだ。孫社長が無料で配信するとツイートしていたのを見てダウンロードしたやつである。てかあゆ結婚おめでとう。

リビングに行くと爆睡中だったウチの犬が目を覚ます。「なんやねんこんな朝早くに」と言わんばかりのため息をつかれた。そして冷凍のピザをチンする。アルトバイエルンなり。グアムでイタリア人と間違われ調子に乗っているわたくし。そしてそれに付いていたコーンスープもついでに作り、なかなかオサレな朝食。ただ朝早すぎてなかなか喉を通らない。なんとか無理矢理詰め込んだわけだが、今度は朝早すぎて下から出ない。食事中の方申し訳。結局全てを出しきれない腹に違和感を残したまま出発することとなる。

そういえば、今年の年末年始は非常に冷えると天気予報で言っていた。さすがの晴れ男を超越したわたくし晴れ神様も、気温まではコントロールできない。ただ冗談なしにこれは死活問題であり、例年以上の防寒対策が強いられることとなる。まずは風呂。ここで一度芯まで温まらなければならない。風呂場のテレビでお願いランキングを見ながら精神を集中させた。お願いランキングではグーグル社の秘密を取り上げており、不規則な生活の中ではクリエイティブな発想は生まれないと、社内は朝昼晩食べ放題なんだそうだ。いいなぁ。話を戻します。一番の問題は着ていく服である。僕は毎年ダウンもコートも着ていかない。エンジのスタジャンで行くというこだわりを持っているのだ。しかしこれが薄くて小さい。要するにOLがランチのときに着るカーディガンのようにただ羽織っているだけ。だからこの下にどれだけ着込むかが勝負となってくる。去年の観戦記を参考に服を重ねていく。だが、もはや去年以上に重ねる余地なし。すでにパンパン。強いてやるならパンツを膝下までのレギンスにするぐらい。そこからヒートテック、トレーニングスパッツ、黒のパンツをはく。上はアンダーアーマーのような生地のナイキのアンダー、ロンT、野球用アンダー、シャツ、パーカー、スタジャンという組み合わせ。膝も肘も関節の曲がりが悪い。ここでスタジャンのこだわりをもう一つ。僕はこのスタジャンを、この日にしか着ないと決めている。ところが、今年は1日だけ解禁した日がある。あの「持ってる」発言でお馴染みの六大学野球早慶優勝決定戦である。だから何だと言われると困ってしまいます。

余談だが、約2ヶ月前に買ったおNEWのオークリーのグラサンの解禁日をこの日に設定している。黒赤の僕が一番好きな色の組み合わせだったため一目惚れ。でも日差しの眩しい季節ではないし、いつから使おうかと考えていた。そんな折のこの一大イベント。やっと使える。そして想像以上のフィット感。たまらん。そんな興奮状態の中、リュックにカイロを詰め、5時20分出発。いざ6年連続6度目の芦ノ湖観戦へ。

5時47分発の電車に乗る。その前にコンビニに寄り食料を調達。毎年のことながら、焼きそばパンが置いてない。どゆことッ!仕方ないのでカレーパンとホットミルクティと非常食のカロリーメイトフルーツ味を購入し、乗車。

早朝かつ時間がおしているということで、僕らはどこかで待ち合わせということはしない。言うなれば電車の1両目が待ち合わせ場所。登戸でシゲが、町田でケンチが合流し、しのけん全員集合。今年も無事に揃うことができた。

やっぱりまず盛り上がるのが箱根駅伝の話題。東洋の盤石な布陣、早稲田の満身創痍な状態、東海大ファンのシゲの東海トーク。とりあえず、早稲田の怪我で5区を走れなくなった佐々木くんに代わり入った4年生の猪俣くんに対してのシゲの「思い出作りか」という発言に爆笑。失礼だけど、絶妙な言い回し。勉強になります。朝5時6時の電車で、わいわい盛り上がる3人。周りのお客さんはさぞ不快だったでしょう。ただ、箱根駅伝は楽しみだけど終わったときの喪失感が異常に辛い。みんな共通してそう感じていたようで、時折車内はしんみり。さらに今日はベストコンディションではないと言うシゲ。アレがまだ出てないんだと。食事中の方申し訳。でも悩みどころはみんな一緒なんだなぁと。なぜなら芦ノ湖に着いてしまうと綺麗なトイレがないのだ。できれば百貨店にあるようなトイレでしたい。それを考えると夜に行くユネッサンまで粘らなくてはならない。だからこれに関しては毎年結構頭を使う。復唱します。食事中の方申し訳。

小田原に着いた頃あたりからカイロの準備に入る。シゲが大量に持ってきた貼るカイロを1枚めぐんでくれた。でもこれが面白いくらいに効果を発揮しなかった。そしてケンチが寒さ対策にとジャージを取り出す。コート以外の衣服の上から着用。なのでパンパンのムキムキ。すると目の前をケンチ同様ジャージ姿のおっさんが通過。着太りしてないから絶対下にほとんど着てないはず。きっと寒い。

カッコつけてジャージで箱根に行こうとしてた男がいたんですよ

なぁ~にぃ!

やっちまったな!

男は黙って

ふんどし!

そうアホみたいなやり取りをしているうちに7時半頃箱根湯本到着。ここからはタクシーで芦ノ湖へ向かう。運ちゃんに「新道と旧道どちらにします?」と聞かれ迷わず「旧道で」といかにも知った風に即答。だてに6年連続来ていない。もう立派な常連だ。しかし「新道の方が早いですよ」と言われ「じゃあ新道で」と即訂正。はい知ったか。どうやら新道は高速道路らしく、今ちょうど試験的に無料なんだそうだ。なら知らなくてもね。うん。

確かに早く目的地に到着。いつもよりちょい早い7時50分頃。スタートの10分前。天気は快晴。野崎という世を忍ぶ仮の姿をした晴れ神様相変わらず恐るべし。しかし気温はやはり寒かった。スタート時の大手町の気温が6度。13時半頃のゴール時の芦ノ湖の予想気温が6度。一緒かよ。ド昼なのに。まぁでもそれは想定内だったわけで、どうこう言ってもしょうがないのでひとまずオーロラビジョンの前を陣取った。そして、87回目の継走が始まった。







1区、早稲田の大迫くんが飛び出すが、他の有力校は自重してスローペース。みるみる離されていく展開にイライラ。しばらくするとシゲが応援している東海大が脱落。僕が応援している駒大がスパート。ケンチが応援している山梨学院は普通。この区間のときだったかは覚えてないけど、シゲがトイレから帰ってきたときに、一緒にアクエリアス5本とノンアルコールビールをもらってきていた。この寒い中誰が飲むねん。

2区、東海大のエース村澤くんが快走。近年箱根であまり上位にいることがない東海大、シゲが珍しくご機嫌。しかしイスが壊れすぐ不機嫌に。直しても直しても壊れ、不機嫌に。すると左後方の方から「ベンジャミン○■×△★!」というおっさんの叫び声。ベンジャミンくんが映る度にうるさい。かつぜつも悪い。こんなとこで叫んでも選手には届かないし、そもそも何て言ってるか分からない。左後ろはうるさいし、左のヤツはがちゃがちゃイス直してるし。どうなってんだ最近の左は。そういえばジョン・マイナも頑張ってたね。マイナも。やかましいわ。



3区、山梨学院コスマスくん登場。するとニュースに突入。ここぞとばかりにケンチとトイレに向かう。トイレの帰りにお餅と甘酒をもらう。そして席に帰るとシゲが「2人テレビに映ってたよ」と。お餅と甘酒を持って練り歩いている姿を全国のお茶の間にさらしてしまったようだ。ノーギャラで。それはそうとこの辺りから日差しが出て暖かくなってきた。ケンチが朝1万2千円のダサい箱根駅伝ベンチコートを買おうか本気で迷っていたが、買わなくてホントに良かったと思う。しかし代わりに買った箱根駅伝関係ない700円の毛布。帰るときかさばって大変そうだった。途中まで体に巻いて歩いていたので、マツコデラックスみたいだった。



4区、そういえば毎年来ている中央学院の応援集団いないねという話になる。でもいました。隅っこに。最近弱いから控えめになっているようだ。それが面白くて「今ビリどこ?」「あれ」とその集団を指差し爆笑。失礼。

5区、怪物柏原登場。逃げる早稲田はイケメン猪俣くん。映る度に「イケメンだねぇ」と言ってみる。しかもなかなかいい走り。朝「思い出作り」とか言ってごめんなさい。そんなことよりいよいよレースが終わってしまうという危機感に苛まれる。寂しい。そしてとうとうトップに立った柏原くんが大鳥居を通過。重い腰を上げてゴール地点へ移動。ただもの凄い人の数。毎年増えてんじゃね?

ゴールを見届け選手のいるところへ移動。走り終えた選手たちに「お疲れー」と声をかけていると、変なおじさんに早稲田の関係者と間違われる。エンジのスタジャンだし胸に「WASEDA」のプリントもあるから。慌てて「野球部です」と嘘をつくと、横にいた奥さんが「はっ、じゃあ佑…」これはマズいと「軟式です」と誤魔化す。でもなんか勢いで一緒に写真を撮ることになり、周りが少しザワついた。まぁおばさん喜んでくれたし嘘も方便。そのあとヒーローイ
ンタビューの裏側へ潜入したり、ウロウロしたりしていたら、今度は「野球選手の松下さんですか?」と声をかけられる。松下さんとは、早稲田出身の西武ライオンズの選手。ここで嘘をつくとさすがに悪意があるため一応否定はしたが、悪い気はしない。イケメンだから。そんなこんなでいつものフォーメーションで写真を撮り、ゴールをあとにした。









これから向かうのはいつものそば屋。小松屋。もう常連だ。言っとくが店員さんが可愛いからではなくあくまで食事を堪能するという意味でこの店を選んだわけで、決してそういうやましい気持ちは全くなく、あくまで…でも少しふくよかになられていた。今年はカツ丼を食べた。しかも3人とも。勝ちたいんや。

てか、ここに向かう途中ある曲で盛り上がった。シゲが突然「所沢~♪」と歌いだす。完全にシゲの即興で、こんな歌存在すらしないのだが、なぜか続きに反応できた我々。「所沢~所沢~体育大学ぅ~♪」メロディも「所沢」を3回繰り返す歌詞もピッタシの阿吽の呼吸。こればかりは不思議でしょうがない。ちなみに所沢体育大学とは早稲田大学所沢キャンパスのスポーツ科学部を皮肉った名称である。無論、この曲が今年の歌に選ばれた。「今年の曲」については過去の観戦記を参照。

食事を済ませ箱根神社へ。日本有数のパワースポット。しかしそんなこととも知らず昨年は鳥居に向かって立ちションポーズという究極の罰当たりなことをしてしまった。箱根に限らずそんなもん罰当たり以外の何物でもないわけだが、とりあえず今年は厳かに過ごしパワーを吸収すると決めた。でもちょいちょいふざけてしまう悪い癖。しかもここで絶世の美女を発見。エンジのマフラーを巻いていた彼女。今年見た女性の中で群を抜いてNo.1の美女だった。まぁまだ今年2日目だけど。とにかく結局煩悩丸出しとなってしまったわけだが、神様の前ではしっかりとした態度をとって、今年をスタートさせた。最後にパワーが最も集まっていそうな本殿の前でパワーを集めるポーズで写真を撮った。こういうのがふざけてるっていうんですよね。



初詣を済ませ、勝守も買い、吉のおみくじを結び、子供に「早稲田の人だー」と言われ、神社を出た。そして夕陽の沈んだ湖畔を歩く。1年で最も寂しい瞬間だ。「2011年ももう終わってしまったね」と。

次は恒例の箱根ユネッサンに向かう。バス停で待っていると、神宮のバイトの1年生の後輩に遭遇。世界は狭いのう。でも名前忘れちゃった。ごめんぽ。

ユネッサンに着き、ここでも絶世の美女を発見。売店の店員さん。エンジのマフラーには及ばずも、今年見た女性の中でNo.2の美女だった。まぁまだ今年2日目だけど。温泉に浸かり、2011年の疲れを取る。まだ2日目だけど。そしてここでもやっぱり「2011年ももう終わってしまったね」と。出るとき、脱衣場で体を拭いていると、正面にいた小学生がシゲのチソチソをじーっと凝視。異様な光景だった。そのあと畳の部屋で牛乳飲んだりおみやげ見たりし、箱根の山を下りる。そういえば角質を取る液体が風呂場に置いてなかった。毎年ここで1年分の角質取って帰るのに。

箱根湯本へはタクシーで向かう。電話でタクシーを呼ぶのだが、シゲが「いま箱根ユネッサンスにいるんですがタクシーお願いします」と。ユネッサン“ス”じゃ髭男爵と混ざってる。タクシーを呼んだはいいものの、なかなか来ない。予定よりだいぶ遅れて到着し、乗車。走りだした瞬間ようやく遅れた理由が分かった。異常なほどにちんたら走る運ちゃん。後ろは渋滞になりつつあり、追い越し禁止の山道なのに抜かれる始末。まぁ雹も降っていたし滑るからしょうがないかと思っていたが、函嶺洞門の直線はもう少しスピード出して平気だろ。おかげでロマンスカーに乗り遅れる始末。そんな中、一人運転手を擁護するシゲ。
この人も運転苦手だから。

結局普通に急行で東京を目指す。車内でシゲに「そういえばおれこの前彼女ができたんよ」とプロゴルファーの有村智恵の写真を見せる。するとまんまと信じた。ツイッターでアップされていたプライベートの写真だったため、リアルに思えたようだ。実はまだネタばらしをしていない。いつの日かこの観戦記を読んだときがテッテレーの瞬間となる。

都会に戻ってきた。ケンチはシゲと共にそのままシゲの家へ。僕は一度家に戻り写真整理と録画しておいた往路のVTRをチェック。本当に自分が映っていたことを確認し、チャリでシゲん家へ。

シゲん家でシャラポワのドキュメンタリーを見たり、なぜか女王の教室を見たりした。女王の教室ではウザい生徒に対しガチでイライラして盛り上がった。そして明日の復路に向け就寝。

起きたときにはすでに復路が始まっていた。高野くんの雪に滑った豪快なスライディングを目の当たりにする。もしや昨日のちんたら走った運ちゃんは飛ばすとこうなることを予期していたのだろうか。

しばらくしてシゲが目玉焼きを作ってくれた。しかし黄身は割れてたし焦げていた。目玉焼きが下手な人初めて見た。それを直接言うほど無神経じゃないし、今年は歯に衣着せて、そして考えて物を言うと箱根神社で誓ったのでちゃんと感謝して食べた。だがやはり面白いのでmixiのボイスで誰のこととは言わずにつぶやいた。シゲmixiやってないし。ところがこんなときに限って「ケンチmixi見せて」と言いだす。でももうこのときすでにつぶやいたことは完全に忘れており、パッとケンチのトップ画が開いた瞬間全てを一気に思い出し凍りついた。最悪の見つかり方をした。そこからシゲは完全にふてってしまい、笑って誤魔化そうとしたわけだがだいぶ不穏な空気。そのままレースはアンカー10区へ。早稲田と東洋が熱戦を繰り広げている中、静まりかえる一室。ただこの静寂に終止符をうったのが、早稲田の優勝の瞬間ではなく、國學院の寺田くんだった。なんと最後の最後でコースを間違える暴走をしてしまったのだ。部屋は一気に笑いに包まれでめたしでめたし。國學院のあの珍事は大会の全てを持っていってしまったけれど、僕らにとっては非常に助けられた出来事だった。そしてこの寺田くんが僕に少し似ている。いろいろありがとう。

というわけで最後に仲良く餃子の王将でご飯を食べて終了。「良いお年を」と別れて、今年も楽しい時間が終わってしまいました。毎年「また来年か」と考えると長いけれど、いざ来てみると1年てホントに早いですよね。年の初めからランナーたちから感動をもらい、親友たちから笑いをもらう最高の正月。来年も同じようにあの地へ帰りたいと思います。

P.S.瀬古利彦の「そうですね。負けた方が負けですからね」って解説はどういう意味?

それでは、長い観戦記にお付き合いいただきありがとうございました。

See You Next Year!

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へつづく