何の感情も持たない無慈悲なスナイパーのごとくに | 夢はなくとも 希望はなくとも 

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バカバカしくて
どうでもよくて
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全く役に立たない意識低い系ブログです

「出たで」

 

 

何も

この時期だからって

幽霊の話しをしてるんじゃないんです。

 

 

出たんです。

とうとう”ヤツ”が出たんですよ。

 

 

ここ数年

自宅で”ヤツ”の姿を見ることはなかったんですが、

来年オリンピックイヤーってこともあって、

4年に一度出る的な確率で

とうとう出てきてしまったんですよね。

 

 

ウエダミツトシです

こんにちは




 

 

正直、

ヤな予感はしてたんです。

 

 

というのも、

子どもたちが、

夏休みだからって

クワガタとカブトムシを飼い出しまして。

 

 

僕は反対したんです。

犬や猫と違って

彼らは

人間に飼われ慣れしてないと。

森で生きるのが本来の姿ではないのか、

自然の中でその生涯を閉じるのが道理ではないのかと。

人間に飼われて

狭い檻の中で暮らすことを

彼らが

そもそも望んでいるはずがないじゃないか。

僕は

子どもたちにそう問いかけました。

 

 

すると

うちの子どもたちは

こう答えました。

 

 

「ポケモン見せて~」

 

 

 

おい! 話し聞けよ!

 

 

 

ポケモンの話しはしとらん!

 

 

 

こっちはこの世でかけがえのない生命の神秘についての話しをしとるんじゃー!

 

 

 

まあ

そんな感じで

子どもたちに押し切られるカタチで

この夏は

自宅で

クワガタとカブトムシを飼うことになったんですけど。

 

 

たしかに

名前も形状も

動き方やその速さも

存在感からして全然違うんですけど、

僕自身も

クワガタとカブトムシについては

それほど抵抗感はないんですけど、

ただ!

ただですよ!

 

 

黒い虫

 

 

という点では、

”ヤツ”と何ら変わらないんです。

 

 

学術的な分類がどうとか

その辺のことはよくわかりませんが、

とりあえず

家の中に

”黒い虫”がいることだけは間違いないわけですよ。

 

 

この際なんで

はっきり言いますけど、

僕ね、

 

 

虫苦手なんですよね。

 

 

どれくらい苦手かって言ったら、

せっかく新幹線のグリーン車に乗ってんのに、新横浜辺りで隣のグリーン席に見知らぬ誰かが座ってくるってことくらい苦手なんですよね。

 

 

仕方ないんですけど、

それは重々承知の上なんですけど、

東京駅から座ってんならまだしも

途中からっていうのがね、

なんていうか、

ぶっちゃけ

「えっ!」

って思っちゃうんですよね。

 

 

まあ

それと同じ感じで

内心

「えぇ……」

って思いながら

夏休みを過ごしていたわけです。

 

 

そうしたところ、

この世には

”類友の法則”というか、

似たようなものを引き寄せる

という法則が働いてるじゃないですか。

 

 

わかってます。

わかってますよ。

これは

完全にこじつけってことくらい、

僕にもわかってはいるんですけど。

何の因果関係もないってことは

ちゃんとわかってるんですけどね。

なんなら

ただの八つ当たりってことくらい理解はしてるつもりなんですけど

でもやっぱり

自宅で”ヤツ”の姿を目の当たりにした瞬間に、

 

 

ほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほら!!

 

 

 

だから言わんこっちゃないっ!!

 

 

って思っちゃったんですよね。

 

 

だってさ、

同じ

 

 

黒い虫

 

 

なわけですから。

 

 

”ヤツ”からしたら、

 

「いやいやいやいや! カブちゃん、クワちゃん、久しぶりじゃん! なになにどうしてたの~? 最近なかなか見ないなと思ってたらこんなとこにいたんだ~。え? オレ? ああ、オレね、相変わらず元気にしてるよ~。まあこの家に上がり込むのはけっこう久しぶりなんだけどね。んで、『ここどうだったけな~』って思って来てみたらさ、思わぬ相手との再会ってやつ? いや~それにしても嬉しいな~。で、今何飲んでんの?」

 

って感じだと思うんですよ。

お互いに

その存在は知っていても

それぞれの縄張りが全然違いますから。

本来なら

出会うことなくその一生を閉じるかもしれないくらい遠い存在の

黒い虫同士が再会を果たしたわけですから。

なかなか感慨深いものがあったとは思うんですよね。

 

 

でも!

でもですよ!

 

 

ここ、オレん家

 

 

なわけで。

普通に出てきてもらっちゃ困るわけですよ。

そもそも

虫苦手なんで。

 

 

 

それは

お風呂がりの出来事でした。

僕は

子どもたちを順番にお風呂に入れて

最後に

僕が上がってきた頃合いだったと記憶しています。

 

 

リビングで寛いでいたら、

隣の和室が

子どもたちのおもちゃで散らかっているのが気になりまして。

それで、

「ほらほら、ちゃんと片付けてね」

って言いながら振り返ったところ、

子どもたちは歯磨きをしていたんです。

末っ子は

うちの奥さんにしてもらっていました。

 

 

つまり、

何もしていなかったのは

他でもない僕一人だけだったんです。

それじゃってことで、

僕が

和室の子どもたちのおもちゃを片付けようとしたその瞬間でした。

 

 

”ヤツ”がいたんです。

 

 

ここ数年

その姿を見ることがなかった”ヤツ”が

とうとう

この家に現れてしまったのです!!

 

 

どうする!?

オレはどうしたらいい?

 

 

迷いました。

鬼迷いました。

たけのこの里を買うか、きのこの山を買うかってくらい迷いました。

 

 

そして、

僕はこう判断しました。

 

 

うちの奥さんに一切気付かれないうちに処分すると。

 

 

女性の方も苦手じゃないですか。

苦手っていうか”嫌い”じゃないですか。

だからね、

僕は

うちの奥さんが

この家に

”ヤツ”が存在していたことすら知らないように

その存在を意識しなくて済むようにと思い、

”ヤツ”を秘密裏に消してしまおうと判断したわけなんです。

僕は

うちの奥さんの頭の中にすら

”ヤツ”を存在させたくなかったんですっ!!

 

 

僕は

いつもと変わらぬ素振りで

「あ~あ、散らかってんな~、ったくしょうがねえな~」

って言いながら

”ヤツ”を見逃すまいと

細心の注意をはらってその行く手を見張っていました。

 

 

チャンスはたった一度っきり。

奥さんがお風呂に入るためにこのリビングを出て行ってからのワンチャンスのみです。

 

 

奥さんにとってみれば、

普通にお風呂に入って出てきただけ。

いつもと変わらぬ日常の風景がそこにある。

僕はそうしたかった。

というか

そうしなければならない責務がある!

 

 

僕は身を奮い立たせて

その瞬間が来るのを

今か今かと待ち構えていました。

 

 

しかし、

なかなかその瞬間は訪れません。

何故なら、

僕の背後で、

うちの末っ子が、

 

 

「なあなあ、お母さんお母さん! ポケモンのな、リザードンてな、すごいねんで!」

 

 

 

ポケモンの話しはいいっつってんだろ!

 

 

 

うちの末っ子が歯磨きしてもらいながら喋るもんで、

なかなか歯磨きが終わらないんですよ。

 

 

頼む!

早くしてくれっ!

このまま”ヤツ”の好き放題にさせるわけにはいかないんだ!

 

 

僕は

心の中でそう叫びながら、

何食わぬ顔で

おもちゃを片付ける”フリ”をしていました。

 

 

「さあ、じゃあお母さんお風呂入ってくるわ」

 

 

とうとう

その時が訪れようとしていました。

僕は振り返ることもなく、

奥さんがリビングを出ていって、

洗面所から浴室に入る”気配”を背中で感じ取ろうと必死でした。

なにせ

チャンスは一度切りです。

これを逃すわけにはいかない。

 

 

”ガチャ”

 

 

浴室のドアが閉まる音だ。

入ったな。

そう僕は確信しました。

 

 

僕は

”ヤツ”の動きから

一切を目を離すことなく

棚の上においてある”ゴキジェット”を右手に手繰り寄せることに成功すると、

そっとノズルを噴射口に装填し、

何の感情も持たない無慈悲なスナイパーのごとくに

”ヤツ”に狙いを定め……

 

 

噴射しました。

 

 

それは一瞬の出来事のようでもあり

永遠の時間が流れるかのようでもありました。

 

 

”ヤツ”は

僕の目の前で

断末魔の雄叫びを上げながら

もだえ苦しみ

最後には

静かに

ゆっくりとその動きを止めていきました。

 

 

-----終わった。

 

 

全てが終わった瞬間でした。

僕の作戦は

完璧に滞りなく遂行されたのです。

僕はそのまま

 

「あなたがお風呂に入っている間には、このリビングでは何も起きてないよ」

 

と言わんばかりのジェントル的な振る舞いをしつつ、

”ヤツ”の亡骸を処分しました。

 

 

そう。

ここでは何も起きてなかった。

本当に”何も”。

 

 

しばらくして

うちの奥さんが

お風呂から上がってきました。

 

 

すると

開口一番こう言いました。

 

「あれ~、アンタらまだ寝てないの? もう早く寝な!」

 

 

よしっ!

気付かれてない。

ゴキジェットがあった位置も

寸分違わず元に戻した。

絶対に気付かれることはない。

これで、

奥さんが”ヤツ”の存在を意識することなく

気分を害することもなく

今この瞬間に

くつろぐことができることだろう。

 

 

----そう確信したその時でした。

 

 

「なあなあ、お母さんお母さん、お父さんがな、ゴ◯◯リにプシューってしはって、ゴ◯◯リやっつけはったで」

 

 

 

なんで今、ポケモンの話ししねえんだよ!

 

 

 

今だろ! 今!!

 

 

 

今こそ、ポケモンだろ!

 

 

 

ポケモンてそのためにあるんだろ!

 

 

 

僕が

”ヤツ”を仕留めているその一部始終を見ていた末っ子が、

見たまま

そのままあった

すべての出来事を口にしてしまったのです!!

 

 

-----終わった。

違う意味で終わった。

今までの努力がすべて水の泡になってしまった。

 

 

不甲斐ない!

奥さんに

その存在を気付かせてしまった自分の不甲斐なさに

僕は

今まで感じたことのない憤りを覚えました。

 

 

ああ、なんてこと……。

 

 

僕は

もうそこからどうしていいかわからずに

呆然と立ち尽くすことしかできませんでした。

 

 

それから

僕は

ゆっくりと

奥さんが立っているドア付近に顔を向けました。

不快そうな顔をしている奥さんの姿を見るのは忍びなかったけど。

僕は、

奥さんから

目を背けることはできなかったのです。



そして、

奥さんは……

こう言いました。

 

 

「えっ! 何っ? もうポケモンはいいから、早く寝てきなって!」

 

 

 

き、気付いてないっ!!

 

 

 

まさかの

よく聞こえてなかったみたいです。

 

 

ウソでしょ?

聞こえてないの?

"プシュー"って言ってたよ"プシュー"って。

 

 

そこからはもう

畳み掛けるように

 

「ああ―! ポケモンな、あのポケモンだろ! なんつってもやっぱポケモンだよな!」

 

と無駄に声を張りながら、

子どもたちを寝室へと連れて行く僕なのでした。

(今日のワンコ風)




この日、

一番良い仕事をしたのは、

僕ではなく

"ポケモン"だったのかもしれません……







《終わり》

 

 

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