《心と感情が整う「平常心」の作り方 怒らない習慣力》
-「怒らない」を選択するだけで人生は驚くほど好転する。
-いつもイライラに振り回されるあなたへ
空海密教阿闍梨で、風水コンサルタント・カウンセラー種市勝覺 さんの5冊目の著書です。
これまでハイペースで出版を重ねてこられた種市さんですが、今回の怒らない習慣力では、初めて《空海密教》、《風水》というワードを、あえて使用せずに出版されたとのことで。
それは、《空海密教》、《風水》というワードがあると、たまに書店の《宗教》コーナーに置かれてしまうということがあるらしく。
それがダメということではないけれど、《宗教》云々は関係なく、できるだけたくさんの人に読んでもらいたいという想いから、あえて《空海密教》、《風水》というワードは使わなかったそうです。
たしかに、種市さんのベースには《空海密教》、《風水》という確固たる伝統的な《知恵》といったものがあり、それがあるからこその説得力が存在すると僕は感じていますが。
しかしながら、それを単にそのまま伝えるということではなく、もっとわかりやすくて身近なものとして、たくさんの人に伝えたいという真摯な想いからの行動だと僕は理解しました。
種市さんの本が《宗教》コーナーに置かれているとは思いもしませんでしたけど……。
例えば、精神世界・スピリチュアルといったコーナーに置かれることが多いんじゃないかなとは思うんですね。
僕は、別にそれがどうとかいうつもりは全くないのですが。
もし、そういった読み物に対して抵抗があるという人がいたとしたら、そういう理由で種市さんの本を手にとってもらえないのだとしたら、それはすごくもったいないことだなと僕は思うんです。
余計なお世話ですけど。
僕はこれまで種市さんの本を読ませていただいて、これはそういう狭いジャンルというか既存のカテゴリーに当て嵌めるのではなく、色んな人たちにとってもっと身近で普遍的なものとして慣れ親しんでもらいたいと思っています。
そうすれば、きっと救われる人や生きづらさから解放されて、今よりもずっとラクに毎日を楽しく生きられる。
そんな人が増えるんじゃないかと個人的には思ってるんです。
そして、今回のこの《怒らない習慣力》という本でも、それは顕著だなと僕は思いました。
《怒らない習慣力》というタイトルから、これは最近よく目にする《アンガーマネジメント》といったものを想像されるかと思うのですが。
僕は、どちらかというと普段から《怒り》という感情があまり沸いてこないタイプの人間なので、自分には必要のないものだと思って、実際に読んだことはないんですけど。
しかし、おそらく想像するに、《怒り》という感情をどうコントロールするかといった点に主眼が置かれているのではないかと。
僕は勝手に想像してるんですね。
もしそうだとしたら、この本はそういった《アンガーマネジメント》的なものとは違うタイプの本だと僕は思います。
よく《怒り》は二次感情でその下には《悲しみ》や《寂しさ》といった一次感情があるので、まずはその感情があるということを認識した上で、自分の感情を認めてあげましょう的な言い方がされていると思うのですが。
それはたしかにそうなのですが。
そうはいっても《怒り》を感じてしまっている以上、その《怒り》をどうしたらいいのか。
そして、できれば《怒り》や《イライラ》を感じずに平穏な毎日を過ごすにはどうしたらいいのかと感じている人は多いと思うんです。
この本はそういった人には最適な本ではないかと僕は思います。
僕は思うんですが、《怒り》ってとてもエネルギーが強いので、いつも怒ってしまう人、イライラしてしまう人って、後になってすごく疲れてしまうんじゃないかと思うんです。
誰だって、できれば怒りたくはない。
本当は怒りたくないのに、怒ってしまって罪悪感だけが残る。
それがしんどいんだと。
そういう人たちに対して、《怒り》が沸き起こるメカニズム(自力と他力の構造)を解き明かし、《怒り》をコントロール・マネジメントするのではなく、それをどう受け止めるか。
そして、日々の生活の中でできるだけたくさんの《余裕》を作り出し、たとえ《怒り》が沸いてきたとしても、すぐに《平常心》に戻れる心のあり方やものの見方、怒りを鎮める応急対処法なんかも書かれていて、最初っから最後までとても読みやすいのに非常に読み応えのある本だと僕は思いました。
最後に、これは僕が感じたことなのですが、この本は《怒らない》ということがテーマにはなっていますが、言い方を変えれば《許し》の本ではないかと思うんです。
種市さんは、《「あり得ない」じゃなくて、「あるよね~」にしていきましょう》と仰っています。
つまり、自分にとって《あり得ない》ことをどうこうすることなくただ認める。
「まあ、そういうこともあるよね~」と。
《あり得ない》と感じていることを《許す》。
その《いかり》を《りかい》し、《あり得ない》を《あるよね~》とひとつひとつ許していくことで、自分自身の器・受け止め力を大きくしていく。
そして、《怒り》や《イライラ》を感じてしまうことも全部《許し》ていく。
そうすることが、《平常心》で毎日を過ごしていけることに繋がる。
この本はタイトルこそ《怒らない習慣力》ですが、《怒り》をコントロールする方法が書かれたものではなく、《怒り》を感じた自分自身を許していく、そんな身体と心にとてもとても優しい本だと僕は思います。
本当は怒りたくないのに、ついつい怒ってしまう人は勿論、
子育て中のママやパートナーシップ、親子関係や職場での人間関係で悩んでいる全人類必読の書だと思いますので、ぜひともたくさんの人に読んでいただきたい、そんな一冊です。
自信を持ってオススメできる本です。
《終わり》
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