Missin' You -Paul Barrere | Music and others

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今年もたくさんの悲しい報せが届いています、限りなく。
 
ブログに取上げ切れなかったものを含めれば、コフィー・バーブリッジ(Kofi Burbridge)、ドクター・ジョン(Dr. John)、ポッパ・ファンク(Poppa Funk)ことアート・ネヴィル(Art Neville)、ジェリー・マギー(Gerald James "Gerry" McGee)、ジンジャー”ベイカー(Ginger Baker)と。
 
 
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そして、また一人、ポール・バレアPaul Barrère)。リトル・フィート(Little Feat)のギタリスト兼ヴォーカリストですが、10月26日、肝臓疾患の合併症のため、ロサンゼルスのUCLA病院で亡くなりました、71歳でした。
 
今年、バンド結成50周年を迎えて、記念ツアーを行なっていたリトル・フィートですが、ポールの体調面を考慮して、一部の公演は延期されていました。 間もなく復帰する見通しであるとアナウンスされていましたが、復帰を果たすことなく旅立ちました。
 
 
 
リトル・フィートというバンドの存在を知ったのは、もちろん”ニュー・ミュージック・マガジン”の記事です。初めての国内盤としてリリースされたのは、4作目のアルバム、『Feats Don't Fail Me Now』(邦題は何故か??「アメイジング!」)であり、即買いしました。 最初に聴いたときは、正直ピンと来ませんでした。
 
 
遅れて国内盤がリリースされた1973年の3枚目、『Dixie Chicken』を聴いて圧倒されました。 唯一無比のサウンドが全編に亘り詰まっていました。 アルバム全編を貫いているのは、ブルース、R&B、ファンク、ソウルなどをごった煮にした彼らにしか生み出せないサウンドでした。
 
 
アメリカに存在するルーツ・ミュージックを、原形をとどめないぐらいに融和させミックスした独自の世界が拡がっていました。そういう意味では、あのザ・バンド(The Band)の一連の作品と相通ずるものがあったと思います。 アラン・トゥーサン(Allen Toussaint)の名前が出てくるところも同じであり、”スルメ”のような飽きの来ない良さがありました。
 
 
そして、このアルバムは、アメリカとからイギリスに至るまでの多くのアーティストに影響を与えました。 当然のように、日本にも飛び火し、はっぴいえんど(鈴木茂、細野晴臣)、久保田麻琴、桑田佳祐らにも大きな影響を与えました。
矢野顕子に至っては、デビュー作のバックをリトル・フィートが務めています。
 
 
ポール・バレアは、3枚目、『Dixie Chicken』の制作途中から正式メンバーとして参加しています。 それでも、楽曲の提供にリード・ヴォーカルを1曲だけ任されています。
□ Walkin' All Night” by Little Feat

 

 

 
 
並外れた個性の持ち主のローウェル・ジョージが最も躍動したのは、『Dixie Chicken』ですが、他のメンバーも含めたバンドとしての一体感が出たのは次の『Feats Don't Fail Me Now』と言うのは、万人が認めるところではないでしょうか?
 
次の曲はポール作の曲であり、ヴォーカルも同じく自身で担当しています。 粘り付くローウェルのスライドとポールのギターの対比が印象的な曲でした。
 
 
□ Skin it Back” by Little Feat

 

 

 

 

 
 
 
 
 
この77年辺りを境にリトル・フィートはメンバー間のバランスを失い、活動休止状態になります。 ローウェル・ジョージ(Lowell George)とビル・ペイン(Bill Payne)、ポール・バレア(Paul Barrère)との間に緊張関係が生まれてしまい、修復できない状態に陥ります。 やがて、セッション・ワーク、プロデューサー業、ソロ活動にシフトして行ったローウェルが薬物の過剰摂取の影響により、1979年6月にツアー先のホテルで急死しました、34歳の若さでした(無念!!)。
 
 
その死を受けて、一旦解散するも、87年にフレッド・タケット(Fred Tackett)をメンバーとして迎え入れ、2009年あたりまで順調にバンドとしての活動を続けて行きました。
 
 
 
しかしながら、ドラマーのリッチー・ヘイワード(Richie Hayward)が亡くなり、ポール自身も肝臓がんと闘病しながら演奏活動を続けて来ていました。 今年の8月下旬には、ザ・ウェイト・バンド(The Weight Band)のサポート・ギタリストとして来日していました。 残念ながら、公演には出かけていませんが、椅子に座っての演奏だったそうです。
 
今更ながらですが、ビルボード東京に出かけるべきでしたネ。 一度として全盛期のリトル・フィート(Little Feat)のライヴを観ることなく、そして、その遺志を継いでいたはずの、新生リトル・フィートのライヴも。
 
 
 
 
1977年にリリースされた7枚目のアルバム、『Time Loves a Hero』にポール作のこんな曲が収録されていること、想い出しました。 アルバム自体は整然とされ過ぎていて、かつてのようなルーズさやファンキーさが消えてしまい、さほど印象には残っていませんでした。 
 
 
□ Missin' You” by Little Feat

 

 
 
 
合掌、Rest in Peace, Paul ・・・・・。