【三橋貴明】馬謖を斬らねば孔明ではない【水島総】 | 独立直観 BJ24649のブログ

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流行に浮かされずに独り立ち止まり、素朴に真っ直ぐに物事を観てみたい。
そういう想いのブログです。

 26日だったか、三橋貴明氏がラジオ番組で「自民党よりも民主党の経済政策の方がまし」という旨を発言したという情報を見た。
 私は本ブログの22日の記事で、三橋氏の「実質賃金ガー」を盲信すると無自覚に民主党を支援することになりかねないから注意しようということを呼びかけた(http://ameblo.jp/bj24649/entry-11955267251.html)。
 しかし、三橋氏がこんなことを明言するというのは信じられなかった。
 なぜなら、民主党を支援するような発言をしてしまうと、受け手に警戒心を抱かれ、無自覚に反安倍に誘導することができなくなるからだ。
 きっと、いろんな発言を総合するとそのように評価できるということだろうと思った。
 ところが、実際にそのラジオ番組を聴いてみたら、本当に明言していた。
 三橋氏がこんなに早く露骨に馬脚を現すとは意外だった。


「【三橋貴明】おはよう寺ちゃん 活動中 2014年11月26日回」 YouTube2014年11月25日
https://www.youtube.com/watch?v=aFApSqqS7oU

4分33秒~
三橋 中小企業がメタメタになっていまして、要は円安。
 円安が今回は実質賃金を引上げて国民を豊かにする方に働いていない。
 輸入物価を引上げて、中小企業のコストを引上げている。
 さらにエネルギー価格の上昇。電気代ですね。
 これが二重に効いちゃっていて大変な状況なんです。
 雇用情勢については、雇用はそもそも遅効指数って言うんですよね。遅く出てくるんですよ。
 つまり消費税増税による悪化の影響が今から出てくるので、これが改善することは残念ながら半年ぐらいはない。何をやっても。
 という状況ですね。
 だから解散総選挙なんじゃないですか?
 このままいきたくないから。
 と、疑っちゃうんですよね。

5分40秒~
寺島 自民党の、今回出た、政権公約マニフェストを見るとですね、民主党政権の時、2年ぐらい前ですけれども、そこと比べると雇用は100万人以上増えた、っていうふうにまぁ・・・。
三橋 非正規雇用が。
 正社員じゃないんです。
 別にいいですよ。
 非正規雇用が増えて雇用が改善でもいいけど。
 それで威張ってどうするんですか?という話です。

6分37秒~
寺島 今回の自民党の、ざっくり、政権公約というのを、三橋さん、ご覧になっていかがですか。
三橋 ダメですね(笑)。
 残念ながら民主党の方がいい。

 要は、問題は何ですかと。
 まず、中間層がいなくなってきている。これが問題、日本。
 さらに地方経済が衰退しているという問題。
 これは何でと考えたら理由は簡単で、需要がないからです。仕事がないから。
 仕事がない、だから景気が悪いという、それだけの話なのに、安倍政権というか自民党の出してきた公約は予想していましたけど、仕事がないんだったら競争をもっと激化させましょうという話なんです。
 何やってんですかという話ですね。
寺島 民主党の政権公約の方がいいと言った・・・。
三橋 ましだってことです(笑)。
寺島 経済についてはアベノミクスからの転換で、厚く豊かな中間層を復活させると。
三橋 そうそうそう、うん。
寺島 これがまだましだと。
三橋 公共事業はバラマキです、やめますって言ってるからダメなんだけど。
 問題の認識はどちらがちゃんとしてますかと言ったら、公約を見る限り民主党ですね。
寺島 <要約>有権者は民主党政権の失望感を抱いている。
三橋 そうでしょう。私なんかそもそも自民党員なんだから(笑)。
 民主党は嫌いですよ。
 嫌いだけど公約を比較すると、どっちが問題を認識してますかと言ったら、民主党になっちゃうんですよ。
寺島 それだけ自民党が問題を認識していないということですね。
三橋 してない。うん。
寺島 認識してるけど言えないということは。
三橋 わかりません。
 みんなが競争にくたびれて、あー疲れた-、誰かなんとかしてーっていう時に、もっと戦えってやっているわけです。簡単に言うと。
寺島 「この道しかない」。
三橋 なーんて言ってるんですけどね。
 普通に需要を作ればいいんじゃないですかね。政府がね。
 公共投資でも政府の消費でも何でもいいからね。

8分30秒~
寺島 地方創生特区については具体的に何を考えている。
三橋 <要約>たとえば、カジノ。
 仕事は作られるけど、そういうのでいいんですか?

9分7秒~
寺島 <要約>年金運用黒字3.6兆円。
三橋 <要約>問題は2つ。
 1つ目は、外国人投資家が一挙に売り越したら、絶対に株価は下がる。
 外国人投資家に依存するものに、日本の年金を委ねてよいのか。
 2つ目は、株を持っていない人が株価に依存するようになる。
 株価が上がれば賃金など上がらなくてもよいという安倍政権の路線が肯定されることになる。

20分5秒~
寺島 <要約>日本の株価上昇と自民党マニフェスト。
 解散後に株価が上昇している。
三橋 <要約>日本銀行が金融緩和し、安倍政権が継続する可能性も高い。
 金融緩和が続くと言うことで、銀行にお金がジャブジャブで、それでまず何を買うかというとドル。すると円安になる。
 すると、日本株が外国人投資家に買いやすくなるから上がって当然。
寺島 <要約>円安になると輸出が伸びるというイメージがあったが、円安のメリットはどうか。
三橋 ほとんどない。
 もちろん、大企業の収益が、あるいは輸出がちょっと増えているのは確か。
 だけど問題はそれが、国民の賃金に反映されないこと。
 ついでに言うと、大企業ってそもそも数が少ないんですからね。
 日本の雇用の7割以上は中小企業が担っています。
 その中小企業が円安によって、輸入物価の引き上げということで、ダメージを受けちゃってるんですよね。
 結果的に、消費者物価指数が上がっているんだけど、はいそれでデフレ脱却です、そういう話にならないでしょう、と。
 デフレ脱却というのは、デフレっていうのは需要不足で起きるから、需要が拡大する形で物価が上昇しています、これが正しい。
 するとみんなの所得も上がりますから。
 今起きてるのは、消費税増税と円安によって物価が上がっている。要は物差しが変わってるんですよね。
 物差しが変わってるでしょというのとあと増税でしょという話だから、これで物価が上がってデフレ脱却ですという話にはなりませんからね。
寺島 実質の賃金が・・・。
三橋 下がっちゃってる。下がってます、下がってます。はい。
寺島 これは正直、由々しき問題・・・。
三橋 大変な問題です。
 つまり円安政策が本当に正しいかどうかっていうのを考えなくちゃいけないですね。
寺島 <要約>株価の上昇は喜ぶべきことではない?
三橋 これねぇ、むしろ逆で、要はね、こういうことです。
 たとえば需要が増えています。国内の。デフレを脱却しました。物価が上がりました、と。物価が上がると皆さんの所得も増えました、と。要は需要拡大型だから、皆さんの仕事も増えているので。
 それによって、国民が豊かになって、企業が内需中心に利益を増やしました。
 結果、株価が上がりました。
 これが正しいです。道として。
 現在何をやっているかと言ったならば、お金をジャブジャブに発行して、それはデフレだからいいんだけども、その行き先。
 それがまず為替取引に行って、ドルが買われて、円が安くなって、外国人投資家が日本株に投資して日経平均が上がりました、と。
 その反対側で、円安によって輸入物価が上がっちゃって、実質賃金が下がっていますということで、要は国民の所得と、株価が、乖離していっているんですよ。どんどんどんどん。
 これを何と言うかと言ったらねぇ、行き着くところまで行き着くと、まぁ、バブル、って言います。
 要は、国民経済の成長よりも遥かに速いペースで資産価格が上がっています。
 今問題になっているのは、所得が上がらないことですよね。所得が上がらない、あるいは下がっているんだけども、その反対側で資産価格だけが上がっていくのは、これはマズいですよ、ほんとに。
寺島 そのマズい方向に・・・。
三橋 向かっています。政権がそういう政策をやっていますもん。
寺島 <要約>平成9年の橋本龍太郎政権の消費税増税では賃金はどうだったか。
三橋 <要約>あの時は実質賃金が上がっている時に増税した。あれ以来実質賃金は下がり続けている。
 今回の安倍政権の消費税増税は、実質賃金が下がる中で実施しており、大変なことになる。
寺島 <要約>解散総選挙が行われる。
三橋 <要約>問題はシンプル。
 安倍総理はおそらく株価を見て政治を行っているが、実質賃金を見るようにすれば、政策がガラッと変わるようになる。
 目標の変換が日本に必要。
 安倍総理は、株価を上げると、消費が増えて、国民の所得も増えるというが、増えるかどうかはわからない。
 安倍総理は保証してくれるのか。できません。
 いつ増えるのか。わかりません。 
 そんなことより実質賃金を上げる政策をやろうという話。
寺島 <要約>実質賃金を上げる方法は?
三橋 これは簡単。
 要は実質賃金が上がるためには仕事が増えなくてはいけません。
 仕事の量が人の量よりも大きかったら、絶対に上がります。
 ということで、仕事を増やしましょう。
 では民間が率先して仕事を増やしてくれますかと言ったらできないから、だから政府がやりなさいっていう話なんです。
 一部の業界では人手不足になっていますよね。そうすると、賃金は上がっていっています。
 建設もそうだし、土木もそうだし、運送もそうだし、外食産業もそうだし、あとIT開発とか。
 それが正しいんですよ。
 正直言うと、生産年齢人口ね、働ける人口の比率が、だんだん日本は下がっていっていますから、だからほっといたって実質賃金は上がるんですよ。余計なことをしなければ。
 たとえば労働規制の緩和とか、派遣社員の拡大とか、移民受入とか、配偶者控除廃止とか。全部安倍総理の政策なんだけども。
 そういうのをしなければ上がるので、私が安倍総理に望んでいることは1個なんですよね。
 何もするな。
 何もしなければ上がります。
 何もするなというのは余計なことをするなということですよ。当然。
寺島 <要約>「この道しかない」というスローガンは?
三橋 何もしないんだったら、「この道しかない」でああそうだねと思うけれど、なんで余計なことをするの、と。
 外国人労働者を受け入れますとか。地方創生特区とかを作ってそこで規制緩和して競争を激化させますとか。
 なんでそんな余計なことをするの、と。
 普通に、労働規制の緩和とかやめましょう、外国人移民やめましょう、それで規制緩和をやめて、それで政府が必要なところにお金をつけておきなさい。
 必要なところにお金をつけるというのは地方にお金をばらまくということではなくて、国家全体の安全保障を考えた上で、今東京に人口が集中しすぎているから、これを分散させないと本当に危ないので、そのためにお金を使いましょう。そのためにはインフラを整備しましょう、とかね。
 あるいは法人税減税・免税とかも、東京から地方に本社を移した企業には法人税を免税しましょうとか。私真っ先に行きますよ。
 というようなことをやりなさい、と。
 人手不足なんてほっときなさい。
 市場の原理によって実質賃金が上がって国民が豊かになるからね。
 それでいいでしょ、という話。
寺島 <要約>今回の解散総選挙の意義は大きい。
三橋 でかいです。
 総理の今回の総選挙って、はっきり言うと郵政民営化の、あの郵政選挙の時ですね、あれなんですよね。
 つまり、総理が解散した後の記者会見とかインタビューで、何で解散したのですかときかれたら、法人税減税とか、あるいは農協改革とか、エネルギー改革、電力改革とか医療改革とか、国民の信を問う、と。それをやりたいんですよね。
 いや、逆じゃないんですか、総理、と。はい。
 という話なので、小泉さんの二番煎じを狙っているんですよ、はっきり言って。
寺島 アベノミクスにイエスかノーかと。
三橋 しかもアベノミクスって構造改革だから(笑)。
 でね、郵政民営化もそうだけど、郵便局が地方に赤字であっても維持されているということは意味があるんです。日本の安全保障にとって。離島なんか典型ですね。離島に郵便局と農協がなくなったら、人は住めませんから。当然、人がいなくなっちゃいますよね。
 そこに、3年後に、中国の漁民が住み着いているとかね。そういうことになるでしょ、と。
 そういうことをちゃんと考えて国民が判断しないといけないんだけど、そういう議論がされてなかったんです、今まで。
寺島 <要約>野党は争点作りをどうすればよいか。
三橋 野党はね、実質賃金に注目して、それを拡大する政策だけを言えばいいんですよ。そうすると議論が起きるから。
 結果的にどうなるかわからないけども、今はそういう議論をすべきなんですね。
 あとは安全保障ね。安全保障を無視して経済の話をするな、と。
 たとえば農協改革とかエネルギー改革とか電力改革とか医療改革とか、これ全部、日本のエネルギー安全保障とか食料安全保障を弱体化させるじゃないですか、と。
 そういうことをちゃんと考えているんですか、自民党さん、っていうのを、野党が突きつけるべきなんだけど、そういう政党はないんですけどね。
 今の日本の政治問題は、自民党っていうより、野党なんです。民主党の問題ですよ、だから。民主党がもう二大政党制を潰しちゃいましたから。
寺島 <要約>長野北部でマグニチュード6、震度6弱の地震があった。
三橋 <要約>安全という需要を満たすために、投資してデフレを脱却すればよい。これは政府以外にできない。


 馬鹿じゃないか。というより、性格の悪さを感じる。
 難癖をつけて印象操作をしている。三橋氏自身が「情報の歪み」になっている(http://youtu.be/yca3WXVPQuk?t=1m9s)。
 「威張ってどうするんですか?」って、じゃあ改善した指標を冊子に載せてはいけないんですか?という話になってしまう。
 別に威張っているわけでもないし、仮に威張らないように悪化した指標だけを載せて、アベノミクスが信頼を失い、安倍政権が打倒されれば満足なのだろうか。
 アベノミクスに不信感を生じさせようとする印象操作の意図が見え見えで、さすがにこの口ぶりに違和感を覚えない人はほとんどいないのではないか。
 今回の解散総選挙は、安倍晋三内閣総理大臣と財務省との闘いだ。地上波でもそういう話が出始めたようだ(http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html)。この構図は安倍総理の18日の記者会見からもわかる。
 にもかかわらず、三橋氏は今回の解散総選挙を語る上で、財務省に触れない。この語り方は異様だ。
 三橋氏は麻生太郎財務大臣を支持している。そして、財務省は、安倍総理を消費税増税のために使い捨てにした後、麻生政権または谷垣政権を樹立しようとしていたらしい(http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20141126/plt1411261140005-n1.htm)。
 そう考えると、三橋氏が民主党を支援するような発言をするのは、民主党のためではなく、麻生大臣に忠誠心を示すためではないかと勘繰る。政局はわからないと言いつつ、本当はよくわかっているのではないか。
 そういえば、三橋氏は高橋是清に学べ、麻生大臣を平成の是清にしようなどと言ってきたが(http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11436488813.html)、三橋氏が出演しているチャンネルAJERは、高橋是清金融財政によるデフレ脱却過程においても、実質賃金が下がり、円安が景気回復に貢献したと発表しているような(http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-1b66.html)。
 三橋氏は独自に異なる分析をしているのだろうか(https://twitter.com/smith796000/status/538584925021409281)。
 三橋氏は、民主党の方が中間層復活という問題意識があって自民党よりもよいと言うが、これは木を見て森を見ない論理のすり替えである。
 民主党にはデフレ脱却という根本の問題意識がなく、自民党にはこれがある。三橋氏は、「成長こそが、全ての解」だとし、デフレ脱却を強く訴えてきたわけだが、この問題意識がご都合主義的にあやふやになっている。
 大体、民主党は公共事業はバラマキだからやめるとする点を三橋氏は指摘するわけだが、これでは三橋氏が望む政府による需要創出ができないではないか。
 それに、今国会で安倍政権に消費税再増税強行を迫っていた民主党に、正しい問題意識などあるわけがない。
 民主党は、場当たり的に、無責任に、詐欺的に、ウけそうな言葉を並べるポピュリズムに過ぎない。
 自民党の政権公約よりましであるわけがない。
 「移民ガー」もデタラメだ。安倍総理の政策ではない(http://ameblo.jp/typexr/entry-11828351303.html)。郵政民営化を安全保障に絡めるのは、保守層にウけがよいようだが、こじつけだと思う。自衛隊や警察の配備や、はたまた土地取得制度の整備の問題が中心ではないか。こういう反論をする人を見たことがないが、私は郵便局万能論には懐疑的だ。

 中小企業診断士がメタメタになっている(三橋氏は中書企業診断士)。
 かつて南原繁東京大学総長がソ連などとも講和せよという全面講和論という極論を言い、吉田茂総理(麻生大臣の祖父)が「曲学阿世の徒」と非難したが、三橋氏の、全面的に経済指標が改善しないことをもって安倍叩きをする極論を聞くに、同じく「曲学阿世の徒」という感がある(https://twitter.com/hidetomitanaka/status/538882844244717569)。

 ツっこみだしたらきりがないが、私の素人的意見はいったん区切り、専門家である宮崎哲弥氏の解説を紹介する。
 三橋批判をしているわけではないが、民主党の経済政策を舌鋒鋭く批判し、絶望感すら見せており、三橋氏とは対照的である。
 両者を比較してみて、どちらの方がより正しいのか、本当に民主党の方がましか、考えてほしく思う。


「宮崎哲弥ザボイスそこまで言うか!_2014年11月25日」 YouTube2014年11月25日
https://www.youtube.com/watch?v=FvaPec8HwuI
※ 「リクエストによる埋め込み無効」に設定されていた

3分30秒~
宮崎 <要約>最近呆れているのが民主党。
 マニフェストを見るに、全く具体的な数字が出ていない。
 やりたいことはわかるが、それを如何に実現するかがわからない。
 相変わらずリベラル政党の経済政策ではない。
 本来のリベラル政策は、民主党の掲げる政策とは真逆。
 しかも掲げられた政策もデータに根拠がない。
 海江田万里代表は民主党政権でGDPは増えたと言い、一見正しくも思えるが、2009年はリーマン・ショックで大幅に下落しており、そこから世界経済の回復に合わせて少し良くなっただけ。なお、それ以前の自民党政権の実質GDPは、民主党政権のものよりも高い。
 安倍政権になって、大幅にGDPが改善しているが、安倍政権の政策転換によるものだと言える。
 民主党のアベノミクス批判はデータに基づいていない。
 実質賃金も、消費税分を除けば、6~9月は、一般労働者の賃金はプラスかゼロ。消費税増税で物価が上がったから実質賃金が下がっており、アベノミクスとは関係ない。
 アベノミクスは名目賃金を上げる働きをしている。
 バカエコノミストの言う通りに再増税を決断していたら、日本経済は壊滅だった。朝日新聞の田中雄一郎も再増税断行という財務省と同じ理屈を言っており、マクロ経済をわかっていないバカ。田中はおそらく、消費税バカの小此木(潔?)の弟子。
 民主党がGDPをドルベースで換算して増えたというのも荒唐無稽。日本は内需主導国なのに。
 この経済センスのダメさはすごい。
 民主党は、二言目には、安倍政権で雇用は増えたが非正規雇用が増えただけで正規雇用は減っていると言う。
 しかし、野田政権の時(2012年10月~12月)のパートを除く有効求人倍率は、正規の有効求人倍率は0.75。これに対し、安倍政権の今(2014年7月~9月)、正規雇用の有効求人倍率は0.97で、1に近づいており、極めて改善している。
 確かに、正規雇用者は減っている。しかし、これは正規雇用率の高い世代が定年退職したことの寄与が大きい。
 正規雇用を増やしていないという批判は当たるが、減らしたという批判は当たらない。
 民主党政権の時は正規雇用も非正規雇用も減っていた。失業率も悪化した。

14分22秒~
宮崎 <要約>民主党に問いたいのは、民主党が政権をとっていたならば今年4月の消費税増税はやめていたか、来年10月の消費税再増税を延期できたか、ということ。
 私は100%できなかったと思う。

 荻原博子など、解散せずとも景気条項で先送り可能だと言う人がいるが、法律を通す必要があり、自民党でさえ造反が起こらないとは限らない。野田毅も麻生太郎も、特に税調系の人は消費税増税を断行すべきだとさんざん言っていた。こういう人が造反しないとは限らない。簡単に延期などできない。
 朝日新聞の2012年4月5日の1面に、「脱官僚の陰で握手 政権交代前、財務省幹部と密会」という記事が出た。民主党政権、特に野田政権は、予算も人事も財務省に頼りっぱなしで、政治主導の欠片もなく、その一方で消費税増税だけは着実に進んでいったということが書かれていた。
 こういう民主党に消費税増税を止められたはずがない。

26分15秒~
宮崎 <要約>リベラル政党のアベノミクス批判は方向性がおかしい。
 左派経済学者の松尾匡教授は、左派・リベラル陣営にリフレ派の主張が取り入れられると期待したが、民主党政権は予想外に自民党政権以上の緊縮デフレとなってしまい、そしてよりによって安倍総理によってリフレ政策が実現するとは思っていなかったと言う。
 アベノミクス第1・第2の矢はリベラルの政策だから、民主党などのリベラル政党はこれらを後押しすべきだ。
 なのになぜ民主党のマニフェストはこんなものになってしまうのか。なぜデフレ脱却議連が経済政策を主導できないのか。アベノミクスを先取りしていたのに。
 民主党には失望した。

32分6秒~
宮崎 <要約>消費税再増税は、2年半延期すべきだった。これなら景気条項を外してもよいだろう。
 今回の延期だけでこれだけの政治的コストを払わなければならないのだから大変だ。
 リベラルであれば、所得再配分の効果を高めながら景気も悪くしないという状況を作り出すべき、つまり平等と自由を両立させるべきで、そのためにはマクロ経済における成長が必須だ。
 なのに民主党はこれがわからない。


48分40秒~
宮崎 <要約>リベラル政党がこんな状況だと日本から逃亡したくなる気すらする。


 いかがだろうか。
 民主党政権の経済政策の方がましなどと、とてもじゃないが言えないのではないだろうか。

 さて、三橋氏が問題視する実質賃金と雇用だが、飯田泰之「世界一わかりやすい経済の教室」(中経出版、2013年)190ページ以下が参考になると思う(田中秀臣教授が推薦。http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20131006#p1)。

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・労働市場の需要供給曲線では、縦軸に実質賃金、横軸に総雇用量をとり、労働供給曲線は右上がり、労働需要曲線は右下がりとなる。両曲線の交点が完全雇用(非自発的失業がない)である。
実質賃金=名目賃金÷物価
・実質賃金は物価の影響を受けるので当事者間で決められない。当事者間で決められるのは名目賃金のみ。名目賃金は下がりにくい。
・デフレで物価が下がり、名目賃金が下がらないと、実質賃金は上がる。
・実質賃金が上がると総雇用量が減り、非自発的失業が生じる。
・インフレ率が高いと失業率は低下し、逆もまた然り(フィリップスカーブ)。
・日本が完全雇用にある時は、緩やかなインフレである(デフレではない)。


 私は経済学の門外漢だが、実質賃金を上げろ、正規雇用以外が増えても威張ってはいけない、という三橋氏の主張は、デフレ脱却過程の現在は両立し難いのではないかと思う。
 長期デフレ不況の中、非自発的失業者が増えており、まずは総雇用量の回復が先決問題だろう。
 とすれば、総雇用量が回復している限り、実質賃金が下がっていても、大した問題ではないのではないか(http://ameblo.jp/akiran1969/entry-11957183520.html参照)。
 しかも、宮崎氏が指摘するように、正規雇用が減ったのは団塊の世代の退職が要因であり、また、正規雇用の有効求人倍率は野田政権の時より改善している(http://ameblo.jp/akiran1969/entry-11957567460.htmlhttps://www.facebook.com/tsukasa.jonen/posts/745053928875994参照)。
 名目賃金も上昇している。
 安倍政権の経済政策は、「この道しかない」と言って差し支えない方向性だと思う。
 なお、円安によって工場の国内回帰が進みつつあるようだ(http://ameblo.jp/typexr/entry-11958340591.html)。産業空洞化に歯止めがかかることになる。三橋氏は中小企業にとって円高の方が良いというような口ぶりだが、民主党政権時には円高倒産が相次いだ(https://twitter.com/smith796000/status/538530177374887936)。

 ところで、三橋氏は、「規制緩和・グローバル化と安全保障の強化は、両立しえない」という三橋貴明第一原則を掲げた(http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11955827441.html)。
 三橋氏は安全保障の強化が必要だということから、規制緩和とグローバル化には反対だということになる。
 しかし、規制緩和が安全保障を害するかどうかは業種や規制態様によるだろう。
 <12月1日追記>むしろ、素朴に疑問なのだが、規制を強化したらかえって安全保障を弱めてしまうのではないか。仮に日本が規制だらけになり、研究も商売も不自由になり、高コストになったら、より自由で低コストな地を求めて、人も企業も海外に流出し、産業空洞化が促進されるのではないか。これに加えて円高が起こったら、国内企業はかなりの打撃にならないか。これこそ、三橋氏が重視する「需要を満たすための供給能力」(http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11816850018.html)の毀損を招き、国力が低下し、安全保障を弱めるのではないか。
 三橋氏は規制を強化して物価(価格と混同)を上げるという論法を好むが(http://www.sankei.com/politics/news/140718/plt1407180035-n1.html)、私にはソ連が思い浮かぶ。そんなことをして物価を上げても、それこそ「それで威張ってどうするんですか?」という話だと思う。
 また、グローバル化反対は、確かに和魂なく外国に迎合するのは私も反対だが、下手をすれば左翼の仲間入りであり、注意が必要だ(http://ameblo.jp/typexr/entry-11956507929.html)。
 中野剛志氏はマルクスは自由貿易論者だと言い(http://www.mitsuhashitakaaki.net/2013/12/25/korekiyo-76/)、水島総氏もいつかの討論で共産主義インターナショナルとグローバリズムは同根だということを言っていた覚えがある。
 しかし、「共産党宣言」を見るに、ブルジョワジーが世界市場を開発することによって古くからあった国民的産業は破壊されたということを言ってブルジョワ批判をしているわけで、マルクスはグローバル化反対を言ったと考えた方がよいと思う(http://page.freett.com/rionag/marx/mcp.html。本ブログ関連記事として、http://ameblo.jp/bj24649/entry-11892907483.html)。
 中野氏の論法は白を黒と言いくるめるもので、水島氏はなんとなく竹中平蔵の逆を言っているだけだと思う。
 思い返してみるに、三橋氏は以前はインフレ対策とデフレ対策は反対になるという旨を言い、インフレになったら規制緩和や自由貿易推進(三橋氏はグローバル化デフレ説)に賛成するという考え方だと思ったが、このような原則を掲げてしまうと、これから後インフレになったとしても、規制緩和にも自由貿易推進にも反対し続けることになってしまう。
 原則と言いつつ、今までの立場を大転換させる大きな変化だ。
 三橋氏は、左傾化していると思われる。

 水島総氏は三橋氏を全面的に信頼し、重用してきた。
 しかし、三橋氏は、29日のチャンネル桜討論でも反安倍論を振り回して暴走したそうだが(https://twitter.com/akichi_3kan4on/status/538973453911461888)、もはや保守陣営を裏切っていると見るべきだろう。
 そして、三橋氏が重んじると言う安全保障的には、裏切りには死罪が適用されるのが基本である(軍法では敵前逃亡は死刑が基本。井沢元彦「「拉致」事件と日本人」(祥伝社、平成15年)87~90ページ)。

 私は7月20日の記事で、「泣いて馬謖を斬る」必要性を書いた(http://ameblo.jp/bj24649/entry-11896548759.html)。
 東京都知事選挙後、カズヤさんが、田母神俊雄候補の選挙対策本部長を務めた水島氏を張飛呼ばわりした(https://www.youtube.com/watch?v=esaEPq1_0zA)。
 これに対し、水島氏は自分は孔明だと言った(http://youtu.be/AlXRNuYpi18?t=8m10s)。
 そして、三橋氏は、自らを過信し、不合理な安倍叩きに狂奔する馬謖である。
 水島氏が孔明だと自認するのであれば、馬謖たる三橋氏を斬るべきだ。
 それともやはり、水島氏は張飛なのか。

 12月5日のキャスターも、二週連続で三橋氏だ(http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1521)。
 水島氏は孔明ではなかった。
 張飛の最期。
 それは、味方の裏切りである。