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「あの人、困ってるかも?」と、せっかく気がついたのに、「迷惑だったらどうしよう...」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう」「余計なひと言かもしれない」「スタンドプレーと思われそうだ」...と自分に言い訳をしていませんか?
『気づかいの壁』(川原礼子著)ダイヤモンド社
■あいづちの「はい」と、肯定の「はい」がある
社内ではコミュニケーションロスにより、ストレスを生み出すことがある。ちょっとした返事だけでも、気づかいの違いが表れると、著者の川原さんは指摘する。
「たとえば、ある業務を進める中で、確認のために相手に質問したとしましょう。『変更があるときは、前日までにご連絡すればいいんですね?』→『はい』。いかがでしょう。これだけだと、本当に前日まででいいのか、何に対しての『はい』なのかが不明瞭で不安になります。『前日でいいんですよね?』と念を押して再確認したくなります」(川原さん)
「逆の立場になったとして、『自分は返事をしているのに聞き返された』という思いをしたことはないでしょうか。その場合も、おそらく返事の仕方が悪かったのでしょう。じつは、返事のときの『はい』には、あいづちの『はい』と、肯定の『はい』があります。人は、相手の話を聞いていることを示すために、あいづちを打ちます」(同)
ところが、肯定の「はい」か、あいづちの「はい」としか聞こえない場合、お互いに誤解が生まれることがある。返事の仕方も気をつけないといけないということだ。
「肯定の『はい』として伝えるためには、『センテンス(文章)』で答えることで、相手に確かなものとして伝わります。『はい、そうです』『はい、前日までにご連絡ください』とまで言うようにすれば、相手も聞き返す必要はなくなります」(川原さん)
「接尾語」の使い方以外にも「はい」には、いろんな意味が存在する。「拝」は、敬礼することの意味になり、気分が高揚している「ハイ」もある。言葉は伝わらなければ意味がない。誤解を減らすための作業が必要になることは言うまでもない。
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