コラムニストの尾藤克之です。
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19冊目となる、『最強の文章術』を出版しました。
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本の目的は情報の伝達です。いまの自分とかけ離れた領域だと意欲が湧かないものです。意欲が湧くのは読者 にとって「役立つことが実感できた本だと思います。「自分の課題をこれだけ解 決してくれる」ことの期待感が高い本は意欲が湧くものです。
■本をサクサク読んでみよう
では、読み方はどうか。ビジネス書や実用書は多くの場合には、自分が知っていることと新たな情報との違いをチェックするだけで読み飛ばしていいと思います。
まずはサッと読んでしまうのです。読むときには文字を読んではいけません。音読をするとスピードが落ちてしまうからです。文は読まず、見たり眺めるだけでも十分に意味を理解できるものです。 読まずに見て理解することを覚えると、さらにサクサク読めるようになります。
また、「タイポグリセミア現象」で明らかなように、文字の順序を入れ替えても意味を理解することができます。すべての文字を読む必要はないのです。 また、つまらないと思ったらそれ以上読んではいけません。読書が苦行になってしまいます。
つまらない箇所は「自分にはご縁がなかった」と考えて捨ててしまいましょう。読書は読むことだけでなく、捨てることも考えたほうがいいです。捨てる情報を吸収しても何のメリットもありません。全部読む必要はみじんもありません。
■やはり紙が最強である理由
電子書籍元年といわれる2010年当初、数年後には電子書籍と紙の本の市場シェアは逆転するといわれていました。ところが、市場シェア逆転はおろか、電子書籍の利用率が 割弱で頭打ちというのが現状です。
電子書籍が伸びない理由はいくつかあります。電子書籍は、専用タブレットに落として持ち運ぶことができますが、普段から読むことが多い書籍は、紙の本を購入しています。
やはり紙の本のほうが読みやすいのです。たくさんの書籍を落とせる電子書籍は素晴らしいと思いますが、複数の本を同時に読むことはできません。
私は目的がなくても書店に立ち寄ることがあります。いま流行っている書籍、タイトル、ジャンルなどを調べることでトレンドを把握することができます。また、入る前には購入意志がなくても、お店を出るときには大量の書籍を購入していることも少なくありません。
書店は情報収集の場なのです。これから、紙の本はどこに向かうのでしょうか。電子書籍が高度機能化してもその波をくぐり抜けると私は予想しています。電子書籍で読者の想像力や興味をかき立てることは困難だからです。
わかりやすく説明するなら、紙の本で感動することはあっても、電子書籍で感動したり、感動を与えることは難しいと考えています。
■読書タイムで人生を豊かに
毎日読書をすることのメリットを考えてみましょう。まず、読書によって自分と異なった人の生き方や考え方を知ることで大きな学びがあります。
波頭亮さんの『戦略策定概論』(産能大出版部)を読めば、マッキンゼーのコンサルタントでなければ知りえない専門的な分析手法を1冊で知ることができます。
塩野七生さんの『ローマ人の物語』(新潮社)を読めば、何十年もかけて蓄積したイタリアでの経験のなかで研究したことを、一冊の本で知ることができます。このような追体験ができるのは読書以外にはありません。
また、多くの文献を読むと、読書をすることで仕事の能力のアップにつながることが書かれています。集中力が長くなり、理解力が高まるなどがあげられます。
イギリスのサセックス大学の研究チームが、どのような活動がストレスの軽減に役立つのかについて調べる実験を行いました。心拍数の低下や筋肉の緊張緩和の程度を調べ、ストレスの軽減度合いを計測したものです。
その結果、音楽鑑賞が61%、コーヒーを飲むことが54%、散歩をすることが42%、ゲームが 21%の軽減効果を見せたなか、読書は68%と最も高い数値をあらわしました。さらに、6分間の読書でストレスが3分の2以上軽減することも明らかになりました。
読書は、人の心を落ち着かせる効果があるため、毎日の読書で温和な生活が送れるようになるはずです。読書のデメリットなど考えられません。読書をすることで、あなたの仕事や教養はもちろん、人間関係や普段の生活、大げさにいうと、人生まで豊かになるのです。
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20冊目『最強の文章術』を出版しました。
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