実録・日米金融交渉
![]() | 実録・日米金融交渉 (アスキー新書) アスキー・メディアワークス 2010-02-09 売り上げランキング : 259684 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
元日銀とか銀行マンとかが金融小説で作家デビューするケースは何件かあるのだが、この著者は元大蔵官僚で「プラザ合意」の当事者だった人らしい。その小説は読んでないのでどんなものか分からんのだが、ドル崩壊を予言していたそうで、この本では1ドル60円説まで唱えている。プラザ合意が日本の「マネー敗戦」の序曲であったことは今では定説なのだが、それに対する自責の念がある訳でもなく、ただひたすら米国陰謀説を展開し、日本属国説を強調するので、これも官僚によくあるにわか譲国派の匂いもする。今になって自分だけが正義の味方の様な顔をしても、官僚が感情で動いていては始まらない。中国は日本を反面教師とする決定を下した様だが、ドル崩壊が決定するのは円と元が手を組むときかもね。
★★
世界カワイイ革命
![]() | 世界カワイイ革命 (PHP新書) PHP研究所 2009-11-17 売り上げランキング : 10375 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
著者は外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員というお方だが、ちょっと前に出したちくま新書の二番煎じみたいなもの。こういうサブカルは政府が動き出すと途端にシラケてしまうものなのだが、世界のカワイイ革命を知らないのは日本人だけとか、ビッグビジネスのチャンスがあるとか、鼓舞されてもそれに乗っかる連中は全くカワイクないのである。韓国政府が民族心丸出しで押す「韓流」がオバさん以上の広がりを見せないことを考えても、民族や宗教に寛容で無戸籍風が人気のジャパニーズ・クールに「日本」を被せてしまったら、意味がない。制服は自由の象徴とか、日本は個性的で個人の自由が尊重される。フランスでは皆同じ格好といった、言わば逆説的な意見は賢明な人間であれば、とっくに気がついていたことで、「進歩派」の教師にそそのかされ、国連人権委員会まで制服の不当性を訴えにいって唖然とされた日本の高校生が現れるのも日本の寛容さのなせる術である。日本人自身がその魅力に気がついていないということが、クールでありカワイイであることの本質なのだ。経済大国になったのは政府主導の功績があったことは確かだが、カワイイ革命に政府は何の貢献もしていない。これは「世界」が発見した日本の宝なのである。つまらんタダ乗りは今すぐやめてもらいたい。
★
知っておきたい「日の丸」の話
![]() | 知っておきたい「日の丸」の話―国旗の常識・日本と世界 (学研新書) 学研パブリッシング 2010-01 売り上げランキング : 11886 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この著者は結構マルチな人だな。
★★
拝金社会主義 中国
![]() | 拝金社会主義 中国 (ちくま新書) 筑摩書房 2010-02-10 売り上げランキング : 31544 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ちくまも清水美和で核心をついてしまったから、遠藤誉でバランスをとったという訳ではないだろうが、先日出た「強欲社会主義」のパクリの様なタイトルの割には中身は大分違う。中国社会科学院の客員だったという著者は自ら「身内びいき」を認めているのだが、結局、社会科学院「公認」の社会問題を扱っているに過ぎない。そこには「非公認」である反体制や宗教、民族、独立、中央のスキャンダルといった政権を揺るがす問題は含まれていないので、「拝金社会主義」と一見、中共を揶揄する様なタイトルも、その実、社会主義の理念から逸脱しようとしている一部富裕層とそれに追従する民衆を中央が戒めている図式を表している。著者は全著で海賊版の効能を説き、「反日」の払拭に努めたのだが、今回も「特色ある社会主義」の過渡期に克服すべき課題として浮かび上がった問題を追認している。男女人口のアンバランスや大学生の就職難などは国家の基盤を揺るがす事態に発展しかねないのだが、外向きには計画経済の時代と違った「人間の顔をした社会主義」をアピールする事例にもなろう。
★★
貧困国への援助再考
![]() | 貧困国への援助再考―ニカラグア草の根援助からの教訓 (アジアを見る眼 111) 日本貿易振興機構アジア経済研究所 2009-11 売り上げランキング : 428916 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
珍しいニカラグア本だが、大使もの。なぜにアジ研新書かというと、この大使はアジ研の人でニカラグア大使は出向の様だ。現在はジェトロのバンコク研究センター長なのだそうだが、アジ研ジェトロで大使枠でも持っているのだろうか。それにしても、「アジア」に拘らない「アジアを見る眼」も最近は1年半に1冊がペースみたいだな。他所みたいにゴミ新書を定期的に出す必要はないのだけど、これはこれでお役所仕事の弊害とでもいうか。中身は新潮新書並みの薄さではあるのだが、どうせ誰も知らないのなら、巨額ODAより草の根の方が良しという中国方式は各国で応用されている様だ。草の根だから土建屋コンサルが入っている訳ではないのだろうが、結構応募があるということはそれなりに浸透しているのか、青年隊やシニボラが金ヅルになっているのか。ここは台湾が援助合戦で大枚切っているみたいだけど、サンディニスタ政権復活で、再び中国に寝返るのかな。まあ一般国民にとっては台湾も中国も日本も「チーノ」で変わらんのだろうが、さすがに大使ともなれば「チーノ」呼ばわりされることもなく、セニョール扱いみたいだね。
★
白川静さんと遊ぶ漢字百熟語
![]() | 白川静さんと遊ぶ 漢字百熟語 (PHP新書) PHP研究所 2009-12-16 売り上げランキング : 16561 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今年は白川静生誕100周年か。松岡正剛の新書は売れたみたいだが、こちらの共同通信の人は一番弟子を自認しているらしい。共同通信の文化部というと、あまりイメージが浮かばんのだが、新聞連載だと結構な数の読者がいる訳で、書籍化してベストセラーにもなったそうだが、こちらはその派生本。漢字は誰が発明したという定説がある訳ではないので、その起源の発想は自由で良いと思うが、「遊ぶ」とか逃げを打っているのは学術的権威を嫌った故人の意思を尊重してのものだろうか。白川静が荒川静香のファンだったというのはギャグではなく、本当のことで、九十何歳の身でイナバウアーをやってみせたのだとか。
★









