新書野郎 -31ページ目

7.5ウィグル虐殺の真実

7.5ウイグル虐殺の真実―ウルムチで起こったことは、日本でも起きる (宝島社新書)7.5ウイグル虐殺の真実―ウルムチで起こったことは、日本でも起きる (宝島社新書)

宝島社 2010-01-09
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こんな新書が出てたか。日本ウィグル協会は「対中穏健派」の水谷尚子陣営との確執もある様だが、中国は両者まとめてテロリスト扱い。ただ、たしかに著者と水谷氏の中国に対する温度差は歴然としている。ウーアルカイシまでとはいかなくとも、この著者も漢族文化に馴染んだ人だったらしいが、完全に覚醒したのは来日後なのだろうか。ラビアさんもそうだが、この著者も運動圏ではなく、ビジネスをやっていたそうで、漢族との接触が密であったからこそ矛盾を感じる様になったのだろう。今回の事件は遠い南方の地で、そうした「非接触型」の民族集団同士が衝突してしまった偶発的なものと考えられるのだが、それがウルムチにまで拡がったということは、当地の漢族住民とウィグル族住民の多くはお互いが「非接触型」の日常を送っていることも表しているだろう。著者が言う通り、新疆に出稼ぎに行く漢族が後を絶たないのに対し、地元のウィグル人が広東省の工場に出稼ぎに行かなくてはならないというのは変な話だ。漢族の男女人口不均衡是正の為にウィグル人女性が漢族地域に送られていくというのも変な話ではあるが、なるほど、これも旧日本の「徴用」に通じる話だ。著者は外国人参政権に反対を表明し、靖国に対する中国の内政干渉を言うのだが、政府が宣伝する南京大虐殺など信じていなかったというのは前に読んだチベット人の本にも同じことが書かれていた。たしかに、現在進行形で虐殺を受けている者にとっては何を言わんやではあろう。ヒゲの禁止や十八歳以下のモスク立ち入り禁止は明文化されているものではないかと思うが、有形無形でそのような圧力は存在するのかもしれない。長野ではフリチベと合流して「デビュー」を果たしたのだが、あの街を占拠した中国人集団をストックホルム症候群だとしているのは面白い。まあたしかに日本も儒教需要に関してはストックホルム症候群であると言えなくもないが。
★★

映画で読むエドガー・アラン・ポー

映画で読むエドガー・アラン・ポー (SCREEN新書)映画で読むエドガー・アラン・ポー (SCREEN新書)

近代映画社 2009-11
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ポー生誕200周年ものは去年一冊読んだけど、スクリーン新書からもこんなのが出てたんだな。おそらくタネ本かタネサイトがあるんだろうけど、相当な数のポー映画が網羅されている。さすがは文豪と言いたいところだが、B級ホラーの定番原作みたいになっている。観たことある作品も聞いたことがある作品も一本もなかった。ヤン・シュバンクマイエルとかティム・バートンも映画化したそうだが、いずれもショートフィルムの習作らしい。バートン関連では「エド・ウッド」でリスペクトされているベラ・ルゴシがポー作品に何本も出演しているらしい。ロジャー・コーマンとかスペインのジェス・フランコといった粗製濫造型監督がポー作品を複数撮っているのだとか。ヨーロッパでもポー原作は人気で、スペイン、イタリアはもちろんルクセンブルグなんて国までポー映画があるとのこと。無声時代にデンマーク人監督が「プラーグの大学生」をドイツで製作したそうだが、著者はこれを「ポーランドの首都プラハ」が舞台としている。タネ元から間違っていたのかもしれんが、さすがにポーランドがボヘミアを支配していた時代の話ではなかろう。しかし、このB級の山はビデオでもそうみれるもんではないかと思うが、解説をつけている作品のうち、どれだけ著者は鑑賞しているのだろう。

右翼は言論の敵か

右翼は言論の敵か (ちくま新書)右翼は言論の敵か (ちくま新書)

筑摩書房 2009-12
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心情左翼から確信に変わった途端、心情右翼かよ。
★★

日本人が知らない幸福

日本人が知らない幸福 (新潮新書)日本人が知らない幸福 (新潮新書)

新潮社 2009-09
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このベトナム難民で日本に帰化した医師の本は前にも読んだのだが、前著から8年、新潮新書だから、語り下ろしの可能性も高いけど、読み物として形になっている。曾野綾子が産經新聞で取り上げたから、杏林大医学部への入学が適ったらしいが、カネがないなら頑張って国立を目指せという粘着した手紙が来たらしい。この著者の前に聖マリに入ったベトナム難民少女のことが話題になっていたが、「特別枠」でも疑っていたのだろうか。現在は都内でクリニック院長とのことだが、恩人の曾野綾子と同じ新書の書き手になった訳だ。ちなみに曾野と同じカトリック教徒。そのことが関係しているのかどうか知らんが、日本が如何に幸福な国であることは語っても、批判めいたことは一切なし。最近の若者に対する批判のリクエストが編集からはあったそうだが、クリニックに来る患者さんを見る限り、ニュースに登場する凶悪な若者は特殊であることが分かるとしていて、精神科医のくせに若者批判に勤しんでいるバカ医者文化人などとは一線を画している。そうした教訓めいた話を好まないのも、幼い頃に受けた「革命教育」のトラウマなのかもしれないが、人生の最期にあの世へ持っていけるものはカネでも名誉でもなく、経験と思い出だけというのはなるほど。自分の経験は特殊すぎるから積極的に話す気にならないらしい。経験をあの世に持っていくためには簡単に安売りしない方が良いのだろう。
★★

居住の貧困

居住の貧困 (岩波新書)居住の貧困 (岩波新書)

岩波書店 2009-11-21
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URへのツッコミが良い。
★★

社会とは何か

社会とは何か—システムからプロセスへ (中公新書)社会とは何か—システムからプロセスへ (中公新書)

中央公論新社 2010-01-25
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著者はみんぱくの教授で、民族学が専門らしいが、ここで論じられるのは社会という概念を司った思想家について。まずはホッブズ、スピノザ、ルソーといった「社会」の生みの親から。それが「社会学」として学問化されたり、「社会主義」として政治化されるのは後のことなのだが、そこには都市と産業の発達に伴っての「市民」と「労働者」の出現というプロセスと関係があろう。その意味では、ルソーやスピノザ、或はコントやデュルケームといった人たちの言説が現在でも有効なことは頷ける。ただ、それを学術上の真理としてして、現在起きている現象を当時の言葉で以て全てが解説できるものでもない。著者が提示する学説としての「社会」の誕生、その改変、そして現在の社会の姿が同一線上にあるかというと、それも違うように思える。ルソーもスピノザも21世紀の未来社会について論じた訳ではなく、当時の社会を当時の言葉で語ったということだろう。そろそろ「社会」という概念から脱出する必要があるのかもしれない。
★★

見た目の若さは、腸年齢で決まる

見た目の若さは、腸年齢で決まる (PHPサイエンス・ワールド新書)見た目の若さは、腸年齢で決まる (PHPサイエンス・ワールド新書)

PHP研究所 2009-11-21
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また新レーベルか。

世界を席巻するインドのDNA

世界を席巻するインドのDNA—インドが進化する5つの理由 (角川SSC新書)世界を席巻するインドのDNA—インドが進化する5つの理由 (角川SSC新書)

角川SSコミュニケーションズ 2009-11
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この著者もさすがに最近はそのペースが落ちてきているが、それでも定期的に新書は出してくる。BRICsもロシアとブラジルの退場は認めているのだが、資源に依存せず、内需拡大型の中国とインドはまだまだ成長が続くとしている。しかし、中国は頭打ちであり、民主主義でも資本主義でもないので、インドしかないというのは変わらぬ持論。中国で失敗したのに、インドで成功できる様な進出企業がそれほどあるとも思えないが、バブル崩壊前夜の中国に替わってインドが唯一の成長センターになる可能性はあろう。著者は以前、インドはチョコレートが有望だと盛んに言っていたのだが、自分で手がけてみたのかな。その件については特に言及していない。まあ日本式のバレンタインの習慣が根付くことはまずないだろうけど。
★★

虐待される子どもたち

虐待される子どもたち (幻冬舎ルネッサンス新書)虐待される子どもたち (幻冬舎ルネッサンス新書)

幻冬舎ルネッサンス 2009-12-20
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実話系みたいになっている。
★★

大聖堂

大聖堂 (文庫クセジュ)大聖堂 (文庫クセジュ)
Patrick Demouy

白水社 2010-01-30
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文庫クセジュ。原書は2007年だからわりと新しい方。著者はランスの人で、当地のノートル=ダム大聖堂研究の第一人者だという。これは大聖堂の一般向け入門書みたいなものなのだが、やはり向こうの人たちと違って馴染みがないと読みにくい。フランス人に寺社仏閣について書かれた新書を翻訳して読ませても同じ反応だろう。日本の大聖堂というとニコライ堂くらいしか思いつかないのだが、カトリックと正教会では語義が違うみたいだね。その辺のところはこの入門書を読んでもよく分からんかったけど。