走る意味
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この人は日本陸上界の重鎮であるし、全く在日の匂いがしない人だと常々思っていたのだが、その辺の葛藤がない訳ではないことは分かった。ただそれは日本人と韓国人を二項対立的に考えるのではなく、中村監督と決別するに至った「国籍問題」など、あくまで自分の責任において処理すべきものだとしている様だ。高史明の甥であることは知らなかったが、12歳で自殺した高史明の息子は従兄弟にあたるのか。この年代の北九州だと、まだまだ「差別」の記憶がありそうなものだが、本人は全くなかったとしている。カミングアウトは高校生のときだそうだが、本名は社会人になってからか。それでも日本読みにしているのはこだわりであろう。ガン闘病の件も全く知らなかったが、あれだけ運動している人でも大腸がんになるのか。サプリメントに頼るのはよくないとも聞くけど大丈夫か。ソウルに初めて行ったとき空港がキムチ臭くて嫌だったとか、ワキウリと同室にさせられて困ったとか正直に書いているのは面白いが、金浦も仁川も一度もキムチ臭いと思ったことは私はないな。この辺、在日の方が敏感なのかもしれないが、入管で韓国語が出来ないことを叱られたとある。これもよく聞く話で、在日の関門みたいなものだが、それで一気に「祖国」の印象を逸する人が多い様にみえる。在日だけを狙い撃ちにしている訳ではなかろうが、やっぱ日本語しかできない同胞には複雑な感情があるのかな。
★★★
ハーレーダビッドソンの世界
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ハーレーというと、私も「イージーライダー」のチョッパーのイメージなのだが、結構普通のバイクもあるんだな。軍用バイクの一大メーカーで、日本の旧陸軍が採用していたこともあったのか。つまりは反体制の会社でもなんでもないのだが、米国のバイクメーカーで生き長らえているのはハーレー一社だけというのは凄いな。たしかに米国のほかのメーカーは全く思い浮かばん。その意味ではアメリカの象徴であり、バリバリの愛国企業であるのだが、デニス・ホッパーが最後に撃たれるのも、そうした視点で言えば、また別の意味があるという訳か。
★
強欲社会主義
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この著者は日経文庫で出していた人か。高井潔司の同僚らしいが、「親中派」とは違うし、かといって、「SAPIO系」でもない。中日辞典の編集にも関わっていたみたいで、小学館はその関係かもしれん。強欲社会主義とは何とも的を射た表現ではあるが、日本はさしずめ「無欲資本主義」といったところであろうか。リクルート事件で元首相に司法の手が伸びようとしていたとき、中国人になぜ海外逃亡しないのだと言われたそうだが、たしかに、日本の公金横領容疑者が海外逃亡したという話はあまり聞かないね。あってもフィリピンの愛人の元だったりするのだが、中国の場合、海外移住がある意味ゴールであるから、家族を先にやったりして、その辺は抜かりがない。こうした中国的スタンダードの世界への拡散について著者は心配しているのだが、実際のところ、「第三世界」という「免罪符」に固執している国はどこも「中国的スタンダード」なるものが標準ではある。ならばその最大の受益国たる中国が世界標準のスタンダードに生まれ変われば、世界は劇的に変化するというものなのだが、そもそも社会主義が世界のスタンダードではなくなっているのだから、強欲のスタンダードだけアメリカと歩調を併せるのもねじれが生ずる。平等を保証しないことが強欲になる理由であるのなら、日本もそのスタンダードに突き進むことになるのだろうか。
★★
北朝鮮を見る、聞く、歩く
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吉田康彦が名誉回復する日は来そうもないが、岩波を差し置いて新書界最左派の位置を集英社と争う平凡社で新書復帰。今でも大阪経済法科大学とか日朝国交正常化全国連絡会で仕事をしているらしいから、向こう側の人間であることは確かだが、単純な北礼賛、日本批判の言語はもはや通用しないので、かなりソフィスケートされた北のプロパガンダ。随所に北の体制に対する批判も盛り込んでいるので、一見、中立にも思えるのだが、拉致被害者に関しては北がもういないと言っている以上、死者が蘇ることはないので、現実的な決着をしろとしている。必死に否定していためぐみさんの拉致が本当だったことには不明の致すところだったとしているのだが、めぐみさんの生存や他の特定失踪者の存在が明るみになった時にも同じ言葉で済ますつもりなのだろうか。著者が歩いて見た北朝鮮がどれだけ人民の実際の生活とかけ離れているかはあえて想像しないのだろうが、「時代の精神」が違うだけで、やってることは寺尾五郎と変わらないのではないかという気もする。
★
意外に日本人だけ知らない日本史
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このデュランデュラン氏の本は先日、講談社+アルファ2冊と書いたが、もう一冊あった。別に読む必要もないのだけど、こうなったらお付き合い。講談社もネタを絞りきったから、新潮社に譲渡したのかな。タイトルになっている日本史に関しては実質、1919年の「人種差別撤廃」提案だけではないか。しかし、これを知らないとなると北米の移民排斥とかも知らないということなのかな。日露戦争で日本がロシアに勝ったことをチェコ人が喜ぶというのも時代的におかしくはないかな。一般的にはトルコとフィンランドがこの件では言われることだけど。残りは前2冊の続きみたいなものだけど、相変わらず「レイコ」の呼びかけから始まるドラマの脚本みたいな会話の引用ばかり。この人は本当は脚本家になりたかったんじゃないかな。ただ、会話文が完全に翻訳調だからリアル感に乏しい。
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