日本人が知らない幸福 | 新書野郎

日本人が知らない幸福

日本人が知らない幸福 (新潮新書)日本人が知らない幸福 (新潮新書)

新潮社 2009-09
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このベトナム難民で日本に帰化した医師の本は前にも読んだのだが、前著から8年、新潮新書だから、語り下ろしの可能性も高いけど、読み物として形になっている。曾野綾子が産經新聞で取り上げたから、杏林大医学部への入学が適ったらしいが、カネがないなら頑張って国立を目指せという粘着した手紙が来たらしい。この著者の前に聖マリに入ったベトナム難民少女のことが話題になっていたが、「特別枠」でも疑っていたのだろうか。現在は都内でクリニック院長とのことだが、恩人の曾野綾子と同じ新書の書き手になった訳だ。ちなみに曾野と同じカトリック教徒。そのことが関係しているのかどうか知らんが、日本が如何に幸福な国であることは語っても、批判めいたことは一切なし。最近の若者に対する批判のリクエストが編集からはあったそうだが、クリニックに来る患者さんを見る限り、ニュースに登場する凶悪な若者は特殊であることが分かるとしていて、精神科医のくせに若者批判に勤しんでいるバカ医者文化人などとは一線を画している。そうした教訓めいた話を好まないのも、幼い頃に受けた「革命教育」のトラウマなのかもしれないが、人生の最期にあの世へ持っていけるものはカネでも名誉でもなく、経験と思い出だけというのはなるほど。自分の経験は特殊すぎるから積極的に話す気にならないらしい。経験をあの世に持っていくためには簡単に安売りしない方が良いのだろう。
★★