アフリカに見捨てられる日本
![]() | アフリカに見捨てられる日本 (創成社新書 25) 石田 洋子 創成社 2008-06-10 売り上げランキング : 41901 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
セオリー通りの軽薄路線に傾くこともなく、地道にわが道を行く創成社新書だが、「国際情勢シリーズ」について、「国際協力シリーズ」を新設したのか。初っ端は記念便乗ということでアフリカだが、ラインアップはもう出ている。相変わらず、マイナー系著者ばかりなのだが、山田肖子はアフリカではなく、教育関係での起用か。こちらのアフリカ本はTICAD市民フォーラム副代表というお方だが、TICADはアフリカ開発会議でしょ。「半官半市民」で、「民間」の声を反映してますということにする団体みたい。ということで、「市民の声」というより、シンクタンクが作った政策提言の様なもので、タイトルにも表れている様に、援助しなければ、「日本は孤立する」といったもの。まあアフリカは昔から欧州のナワバリである訳だが、その「援助疲れ」のツケが廻ってきたということなのだが、かといって、「新植民地主義」にアフリカを侵食されると、自分らの立場が危うくなるから、カネを出すがクチは出さない日本に頑張ってもらおうという筋合いの話。キリスト教の記念年に債務を免除しない日本は野蛮だとか言ってたボノが、揉み手構えで日本に媚を売ってきたのには苦笑してしまったが、こうなると、例の安保理ショックも中国だけの工作ではなかったのではないかという疑いも出てくるというものだ。アフリカの資源がナンボのものか分からんが、幾ら援助しようと、今後、アフリカが日本を「見捨てない」状況が出てくるとはとても思えない。欧州が手を出せない暴れん坊ジンバブエを、怒って帰国してた結果、謝罪させたのは厚相時代の小泉だが、アフリカもただATMを望んでいる訳ではないだろう。債務帳消し問題も含めて、結果的に自立を拒む援助を誰が望んでいるのかということは考えなくてはならない。
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なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか?
![]() | なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか? (アスキー新書 66) 越智 道雄 アスキー・メディアワークス 2008-05 売り上げランキング : 175225 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
これもアスキーが用意したタイトルっぽい。バカの一つ覚えみたいな疑問系タイトルの新書に面白いものなどあったためしがないのだが、天下の越智先生を以ってもそれを例外とする訳にはいかなかった。当然の如く、タイトルとは関係なく話が進み、新書は鮮度が命ということで、大統領選の解説。選挙が終われば、ブックオフの100円行きになるのだろうが、類似本がヤマと出てる中、マイナーのアスキー新書ではそこでお目にかかれることもないのかもしれない。例の選挙人制度の解説などもあるのだが、やはりよく分からんものだ。アメリカ人も大多数はよく分からんまま投票しているのだろうし、著者も完全に理解している様でもない。あとは、越智十八番のアメリカ階層社会論なのだが、紙幅の関係もあるのだろう、宣伝も兼ねて、自著のタイトルをあげて、読んでみてくれとのこと。それにしても越智道雄も、もう名誉教授のトシか。宝島で書いていた頃は、既存のアメリカ学の向こうを張った新手の「アメリカン・ウォッチャー」というイメージがあったのだが、いつの間にか時代が追いついてしまって、アメリカ格差論がトレンドになってしまった。岩波新書とか文春新書で起用しても良いかと思うのだが、「ニクスン」を評価してる様だと、左右双方から煙たがれるのかな。
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言われた仕事はやるな!
![]() | 言われた仕事はやるな! (朝日新書 109) 石黒 不二代 朝日新聞出版 2008-05-13 売り上げランキング : 59050 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
新書恒例の糞タイトル本だが、タイトルと中身は、ほとんど関係がない。ネットイヤーグループというのが、どんだけのもんなのか知らんが、そこのCEOという人の「私の成功物語」。日本の女子差別で就職することができず(でもなぜかブラザーに勤めていたらしい)、子どもの保育園のことで役所に相談したら、住所のある区だけではなく、勤務先の区でも入園できますと言われてキレた(これがよく分からんのだが、勤務先ってことは子どもを満員電車で通わせることと理解したらしい)。もうこんな国で、子どもを育てることはできない。ならばアメリカがある。とMBA留学。アメリカは保育環境は充実して、父親が育児を手伝うのは当たり前(著者は既に夫と別居生活だった様だが)、女性差別も人種差別もない、アメリカは夢の国、VIVA USA!みたいなツマラン話だった。スタンフォードとかシリコンバレーの教育環境が整っているのは、その背景を考えれば至極当然の話であって、これを守ってアメリカを代表させられるのは無理があるのだが、差別をバネして自己実現を達成したという「私の物語」がある以上、そんなものは関係ない。まあ雇用均等法以前の女子はそんなもんだったかもしれないが、名大の経済でも女子は210人中10人しかいなかったのか。しかし、この人が何を勉強して、何を生業として起業したのか、さっぱり分からんかった。虚業起業家の常なんだろうが、自己啓発みたいな話ばっかりで、こんなもん読んで参考になんかなるんだろうか。ネットイヤーグループというのがナンボのもんか知らんが、現在CEOとかいうその会社も自分で起業したもんではない様だし、だいたい、ウェブを中核としたマーケティングとは具体的にどんな仕事なんかいな。
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父親ー100の生き方
![]() | 父親-100の生き方 (中公新書 1952) 深谷 昌志 中央公論新社 2008-06 売り上げランキング : 24620 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「おやじの背中」100冊収集か。まとめは陳腐だが。
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漱石
![]() | 漱石母に愛されなかった子 (岩波新書 新赤版 1129) 三浦 雅士 岩波書店 2008-04 売り上げランキング : 6866 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
三浦雅士懐かしいな。正統的な文芸批評か。
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賭ける魂
![]() | 賭ける魂 (講談社現代新書 1942) (講談社現代新書 1942) 植島 啓司 講談社 2008-05-20 売り上げランキング : 2887 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
興味がない人には全くツマラン。
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フランス・レジスタンス史
![]() | フランス・レジスタンス史 (文庫クセジュ 925) 福本 直之 白水社 2008-07 売り上げランキング : 390463 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
文庫クセジュで、このテーマというのは王道なのだろうが、他国の「公式神話」など読んでも面白くはないし、それが植民地支配を受けた国でもなければ、植民地支配をしていた国で、なおかつ現在も植民地政策を続ける国となればなおさらだ。訳者も控えめな表現ながら、個人主義に徹し、規律や束縛を嫌うフランス人が自己の生命を危うくするレジスタンスに参加したとは容易に理解できないとしている。国が解放されたら皆が抵抗していた様なことを言うのは、どこの国の「光復」でも見られる保身みたいなものなのだろうが、元々、抵抗する人間の方が多ければ、そう簡単に占領されたりもしないものである。てなことを考えながら読んだのだが、どうもその「レジスタンス神話」に批判的なところもある感じの本だった。どうやらドゴールの威光はさすがに薄くなっている様で、レジスタンスは革命ほど「歴史化」されていないのかもしれない。共和国の理念は革命から連綿と受け継がれたものであって、その後の歴史はナンバー制の共和国に過ぎないということであろうか。
★★
アニキの時代
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知らん世界だ。
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事故と災害の歴史館
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ニセ中公新書かと思ったよ。
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格安イタリア生活
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タイトル通りの話で、著者は一家でフィレンチェに移住し、日本と欧州を毎は月往復するという人らしい。肩書きは「欧州音楽評論家」となっている。商用ビザを取得とあるが、この名義で取得したのだろうか。イタリアも円より桁が多く、ルピアとかウォンの類だったリリラの時代は今は昔で、噂によれば、既にフランスを上回る物価水準に達しているとも聞く。そんな国での「格安生活」だから、モノには限度ってヤツがあるんだろうが、あまり使えるもんではない。何か一昔前の「海外駐在指南」みたいな話で、自分が経験した引越しから、家探し、ビザ申請、スーパーでお買い物といったところを書き綴る。本業はライターだそうだが、かなりクセのある文章を書く人なので、イタリア移住を考えている人以外は、あまり面白いものではないかもしれない。結局、「格安」だと感じたのはライアンエアーだけで、結局、これは前に読んだスウェーデンの子連れ家具職人の話と重なった。実際、EU先進国で、航空運賃以外に日本より格安なものを見つけるのは困難とみえる。学費とかは格安とは違うだろうし。クスリとか草関係も日本より若干安いくらいじゃないの。
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