言われた仕事はやるな! | 新書野郎

言われた仕事はやるな!

言われた仕事はやるな! (朝日新書 109)言われた仕事はやるな! (朝日新書 109)
石黒 不二代

朝日新聞出版 2008-05-13
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新書恒例の糞タイトル本だが、タイトルと中身は、ほとんど関係がない。ネットイヤーグループというのが、どんだけのもんなのか知らんが、そこのCEOという人の「私の成功物語」。日本の女子差別で就職することができず(でもなぜかブラザーに勤めていたらしい)、子どもの保育園のことで役所に相談したら、住所のある区だけではなく、勤務先の区でも入園できますと言われてキレた(これがよく分からんのだが、勤務先ってことは子どもを満員電車で通わせることと理解したらしい)。もうこんな国で、子どもを育てることはできない。ならばアメリカがある。とMBA留学。アメリカは保育環境は充実して、父親が育児を手伝うのは当たり前(著者は既に夫と別居生活だった様だが)、女性差別も人種差別もない、アメリカは夢の国、VIVA USA!みたいなツマラン話だった。スタンフォードとかシリコンバレーの教育環境が整っているのは、その背景を考えれば至極当然の話であって、これを守ってアメリカを代表させられるのは無理があるのだが、差別をバネして自己実現を達成したという「私の物語」がある以上、そんなものは関係ない。まあ雇用均等法以前の女子はそんなもんだったかもしれないが、名大の経済でも女子は210人中10人しかいなかったのか。しかし、この人が何を勉強して、何を生業として起業したのか、さっぱり分からんかった。虚業起業家の常なんだろうが、自己啓発みたいな話ばっかりで、こんなもん読んで参考になんかなるんだろうか。ネットイヤーグループというのがナンボのもんか知らんが、現在CEOとかいうその会社も自分で起業したもんではない様だし、だいたい、ウェブを中核としたマーケティングとは具体的にどんな仕事なんかいな。